2010年12月16日木曜日

10月,11月,そして12月

 気が付くと2ヶ月以上もブログを書いていなかった。最近は思いついたことをtwitterでつぶやいて,メモ代わりに使っているので,わざわざまとまった量でブログに書く必要性を感じなくなってしまっていた。Steve JobsのプレゼンのようにBullet pointsを140文字以内で言い切るというのは大切なことなのだろうけれど,一応物書きさんという職業でもある以上,あまりにもtwitterだけに依存するのは危険な気もする(笑)。とりあえずは,過去のtwitterを見直してこの2ヶ月ちょっと何を思っていたかを見直してみる。

その1)Maharaは面白い。
 最近流行のポートフォリオ,そしてSNS昨日を持つオープンソースのeポートフォリオMaharaのフォーラムに参加した。Moodleと同じく,オープンソースなので知識さえあればインストールして利用するのは無料。両方ともちょっと癖があるんだけど,やっぱり無料でこれだけのものが使えるっていうのはすごい!eラーニングを避けて通るのはこれからの時代無理だろうから,最小限の(金銭的)コストで教育効果を少しでも上げる手助けができる技術は積極的に導入するべきだと思う。但し難点は,それだけのことをしようとするとそれだけの(時間的)コストがかかるということ。授業準備やオンライン上での活動に対するフォローなど,仕事量は倍増どころの騒ぎじゃありません・・・。

その2)Googleのテクノロジーを活用する。
 好きな人嫌いな人いろいろいるけど,Androidをはじめとして最近またもや注目を集めつつあるGoogle。Google Chrome OSも出るし,今後も期待大。今までは新しいテクノロジーをどこで探せば良いのか分からなかったんだけど,Google newというサービスを使うと,見つけやすい模様。

その3)USTREAMはすごい。
 本学でもMoodleのワークショップ等を定期的に生中継しているんだけど,無料で世界に向けて実況中継が出来るという優れもののシステム。最近では坂本龍一さんや宇多田ヒカルさんがライブ等で活用したことでも知られている。自分でもiPhone等があれば,何とその場で実況中継をできちゃう(らしいよ)。このサービスは使わなきゃ損です。

その4)iPad,iPod Touchが仲間入り
 この2ヶ月の間にこの2つの機器が僕の研究室に仲間入りした。iPadはPDFファイルの閲覧やちょっとした入力作業に,iPod Touchは今まで通り自分の英語の勉強やスケジュール管理などのために試用中。Retinaディスプレイいいでっせ。

その5)大阪には~の歌
 なぜか知らないけど,最近のマイブームの

その6)何だか楽しくなる映像
 ・ミュージシャンが楽器を忘れてしまった!
 ・ドッキリ!

その7)あの人は今!?
 あんだけ騒がれていたサンデルさんはどこに行ったのだ?僕も騒いではみたが,実は一度も授業を見たことがない。内容というよりは授業テクニック的に興味があるので何時かは見てみたいだのけど・・・。そういや,今は「白熱教室 in Japan」なんてことになってるらしいじゃないですか!ちょっと違和感あり。

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 そんな感じのここ2ヶ月。そう言えばこの年になってはじめて研究費なるものに応募するための書類書きを複数行った。ある意味論文書きよりも書類書きが趣味だった2ヶ月だったなあ。今年度はほんっとに新たなことをいろいろ始めたので,全てがきちんと定着するように頑張りたい。今年出来なかった心残りとしては,1)スペイン語のお勉強,2)htmlのお勉強,かな。来年の課題にしよう。

 やる前から「私には才能が無いから」とか「やっても意味がない」と思ってしまうのは,自分の可能性を捨ててしまっている。「私には才能が無いから勉強しない」とか「TOEICで高得点取ったって英語は喋れない」とかいうことばは言い訳にしか過ぎない。「TOEICで高得点取ったって英語は喋れない」とか言う人に限って実はTOEICを受験すると高得点が取れない場合だってあるのだ。それだったら,実際にTOEICを受験して満点取って「ほら,僕満点だけど英語喋れないでしょ。だからあなたも全然ダメ」と言える方が格好良いかなあと思う今日この頃。

話は全く変わるけど,Dreams Come Trueのコンサートにも行ったんですよ!まさに青春真っただ中に聞いていた人たちなので何だか感動したしトキメイターーー!

来年度以降,自分の中で改善しなきゃいけないこと:
・英語関連のお勉強:
英語の勉強を地道にするだけではなくて,英語試験(TOEICやTOEFL)を二日酔いでも満点取れるレベル位にはなりたい。
・統計のお勉強:
今までは避けて通ってきたけど,ようやくSPSSを使って分析をしてみた。やらなきゃわからない。でも今の統計に関する知識は幼稚園レベルだと思うので,少しは知識やスキルを向上させたい。
・語学のお勉強:
英語は趣味じゃなくなってしまっているので,スペイン語や韓国語を趣味で勉強したい。今の時代,1カ国語しか外国語を喋れないのは時代遅れだ。
・eラーニングにかかわるスキルのお勉強:
おそらくプログラミングができるレベルには到達できないけれど,一定のレベル以上で使いこなせるだけの知識やスキルを身に付けたい。今後ますます必要とされるはずだし。






2010年12月13日月曜日

The Third Joint Conference on English Vocabulary and Lexicography Program

2010年12月13日,早稲田大学にて開催されたJACET辞書研究会・語彙研究会合同研究大会に参加した。語彙や辞書学に関しては門外漢なため,少々緊張気味の参加であったこと,そして自分の発表準備がありあまりゆっくり発表を聞く事ができなかったが,以下覚書き。

語彙テスト分析セミナー Basic introduction to Rash analysis(John Shillaw 南山大学)

 南山大学のShillaw先生によるラッシュ分析の紹介。ラッシュ分析が項目応答理論(Item Response Theory)の1つであることや,その他の伝統的なテスト手法との違いなどについて紹介をされた。またWINSTEPとよばれるソフトを用いて分析ができるらしい。まだ内容に関しては消化しきれていないのだので,とりあえずメモのみ。

関山健治(沖縄大学) “成人式”を迎える振るコンテンツ電子辞書ーメーカーの視点・教員の視点・学習者の視点ー

 ここ20年間の電子辞書の変遷を振り返り,電子辞書が印刷辞書や利用者の変化に追いついていないということを指摘された。そこで印刷辞書からの呪縛の解放や,「索育」(辞書検索指導)の重要性についても指摘されていた。

小山敏子(大阪大谷大学)・薮越智子(日本大学) 電子辞書使用の方略指導への一考察

 「電子辞書使用の方略指導への一考察ーメタ認知活動を取り入れてー」(LET関西支部研究集録13号掲載予定)のものについてのまとめ。

Jim Ronald & Shinya Ozawa Electronic Dictionary Use and Metacognitive Development

 今回の研究会参加の目的はこの発表。学習者の電子辞書使用方略の発達を目指して,辞書検索に関するトレーニングを行った結果について報告した。題材は英字新聞の見出しを用いた。残念ながらpre,postテストとして用意したもののバランスが上手に取れていなかったため,発表の内容としては新聞の見出しを翻訳する際に学習者が困難だと感じているものは何かということについて探ることにした。その結果,学習者は自分自身である程度,見出しの難しさを適切に判断できているのだが,中には学習者の判断と実際の翻訳の間に整合性がない場合がいくつかあった。特に表面的には簡単そうに見える見出し,例えば”Farmer Bill Dies in a House.”のような見出しは,一見すると簡単そうだが実際に訳すのは非常に難しい。このような場合に学習者は「この見出しはとても簡単」という評価をするのだが,実際には適切に翻訳できていなかった。今後は,このような見出しの特徴について分析をしてく予定である。

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JACETのこのような研究会に参加したのははじめてだったのだけれど,参加者数も少なく通常の学会とはまた違ったアットホームな雰囲気であった。個人で研究を進めるだけではなく,このような共通の興味関心を抱く人たちが一堂に会して研究の成果を報告するというのはとても良いことだと思う。

ちなみに,一緒に発表をした同僚が懇親会に参加するというので,参加した。場所はキャンパスから近い早稲田蔵というお店。学生街らしく3000円で料理と飲み放題が楽しめた。店員さんたちはとてもユニーク(笑)。こういう学会や研究会などの懇親会は今まで避けて通ってきたのだけど,たまには自分の社交性をトレーニングするのも良いのかも。

2010年10月2日土曜日

第1回Maharaオープンフォーラム

 2010年10月2日(土曜日),福井県のアオッサにて主催:Fレックス(福井県における大学間連携)共催:酪農学園大学 大学教育・学生支援推進事業で,Maharaオープンフォーラムが開催された。開会の挨拶によれば24大学,9の会社,2つの公的機関からの申し込みがあったそうで,着実にMaharaの輪は広がっている模様。会場では無線LANおよびtwitter用のハッシュタグが用意されていたため,今回は試しにtwitterでも参加してみた。ネットにつながるので,その場で情報をすぐに検索できるし,twitter上からも様々な情報が入手できるので非常に面白い経験だったのだけれど,いろんなことが頭の中に洪水のように入ってきて疲労困憊した(笑)。

オープンソースのものとしては,Mahara:シンプル,簡単,OSP<オスピーと発音> (Sakai):高度,難しいの2つがあるが,本フォーラムでは当然のことながら前者を焦点にした話が行われた。

基調講演:

森本康彦(東京学芸大学情報処理センター准教授)eポートフォリオとの付き合い方~理論と実践の観点から~

 教育現場で働いていた経験があるそうで,こういう人の共通項か,つかみから話が入った(笑)。とにかく声が大きくて元気のある方という印象。内容は盛りだくさんだったので,その内容をかいつまんで。話の流れとしてはこことほぼ同じか。

・参考文献

森本康彦.2008. eポートフォリオの理論と実際.教育システム情報学会誌, 25(2),245-263. 図1

大人にはテストが無く,パフォーマンスで評価される。

・学習理論と評価理論のパラダイム変換

学校化された学習→真正な学習(authentic learning)

暗記中心の学習→経験による学習

教師中心→学習者(学生)中心

知識は与えられるもの→自ら構成するもの

ある時点でのテストによる客観的な評価→継続的なパフォーマンスの評価

・ポートフォリオについて

組織化/構造化されたもの,また内省が重要である。ただ単にためるだけではなく,どこに学びがあるのかを考える必要がある。「真正な学習・評価」では評価学習の一部として埋め込まれており,学習と評価は一体化され切り離すことができない。評価=学習である(メタ認知?)。

・eポートフォリオのメリット

ネットワークを通してアクセスが可能。学校内だけではなく遠隔地の人々との相互作用が期待できる。eポートフォリオとは,エビデンスとしての役割,パフォーマンスの評価,アセスメント,相互作用を行うもの。システムとしてはディベロップメント系,コースラーニング系(授業)の2つがある。

ポートフォリオは蓄積するだけではなく,修正していくプロセスが大事(ポートフォリオの活動サイクル(図3))。

事例:

課題を提出させる

感想を書き込ませる

良いと思うものを公開する(数あるものから成果物を選び(selection),公開することで相互評価,自己評価ができる)

SNSのブログなどを利用する(SNS自体が学習の履歴やエビデンスを蓄積し活用できる物であるべき)

インターンシップやクラブ活動などの課外活動を記録する

成績等を記録する(学生がカルテを閲覧できない場合はポートフォリオとは呼べない)

到達目標とカリキュラムの連動

ポートフォリオは使い方が重要。また主役は学生であり,学びを促進するためのツールとして使うのが重要。またネットワークの起点となるものである。

時間の都合上,評価基準(ルーブリック)については省略されたが,知りたいと思った。

久保田真一郎(熊本大学総合情報基盤センター助教)Maharaによる自己学習を目指した研究指導

 個人的にはこの先生の話がmaharaのイメージを作る上で一番参考になった。オンライン上だけではなく,対面指導との組み合わせにするのがポイントか。

・MoodleのRPMパッケージ(熊本大学,喜多教授)

・熊本大学大学院教授システム学専攻,eラーニングによるeラーニング専門家養成大学院。修士論文発表会のみ熊本大学に行けば良い!!Sakai OSPを利用しLMS(BpLS CE6)と連携している。

・eポートフォリオの分類→IMSグローバルラーニングコンソーシアム(IMSとeポートフォリオを検索すれば,出てくる)に基づくとMaharaはMultiple Owner Portfolioに分類される。

・杉谷研究室 bufugen,修士論文指導でサイクル 計画をマイゴールに記入し,やったことをブログに記録し,それに基づいて対面指導を行う。

・Maharaに足りないと思われるもの→複数の写真管理(Albumboxプラグイン開発中)。スケジュール機能がない(Google Calendarを利用している人もあり)。検索機能が弱い。

・どうやら熊本大学で行ったランチョンセミナーの資料はここから。

・関連資料「Sakai OSPに基づくeポートフォリオシステムの開発」

遠藤大二(酪農学園大学獣医学部教授)酪農学園大学のeポートフォリオ活用教育と手書き課題活用システムの開発

 手書きのノートにバーコードシールを貼ることにより,mahara上に転送してしまおうという面白い試み。専門が全く別なのに,こんなことが出来てしまうなんてすごいですね。それよりも何よりも遠藤先生のユーモアに引き込まれた。あれって意図して面白い事言っているのかなぁ。もし素だったらすごい(笑)!「飛ぶノート」という名称で,Microsoft Access⇒Scan Snap⇒PDF Splitter⇒mahara+飛ぶノートAPIという流れで転送しているとのこと。完成したら,酪農学園大学のmaharaホームページで公開するそうです。

田中洋一(仁愛女子短期大学生活科学学科准教授)大学間連携におけるMaharaを用いた教育の実践

 田中先生はFレックスの概要について簡潔に説明された。Fレックスは福井県内の高等教育機関7つの連携(特色としては国立大学福井大学が部分的にしか参加していない)。文科省の戦略的大学連携事業支援であり,今年度で終了するが今後も継続していく予定。使っているシステムや実践例(初年次教育,導入ゼミにも用いている)についても紹介があった。またFレックスではティーチングポートフォリオとしてmaharaを使っていく予定である。特に印象に残ったのは,moodle上にリンクを張りeポートフォリオmaharaとの連携を滑らかにしているということであった。学生に複数のシステムを使わせるのは負担が大きいと感じていたので,参考になった。



またmaharaを使う上での問題点として,eポートフォリオの文化が浸透していない(教員や学生),支援機能が弱いなどの点を挙げられていた。今後,Fレックス上に公開ビューを作成する予定。

パネルディスカッション

山川修(福井県立大学)

 eポートフォリオは使い方がわからない,学習ポートフォリオの文化が無い,簡単に使えるシステムが無い,などがありあまり普及していない(リフレクションの無いカルテとは異なる)。実際に使い始めてみると,学生が慣れるまで結構大変(LMS),また授業設計をどうしたらよいかわからない。このことから利用ノウハウの蓄積が必要。

このことから,今後の予定としてMaharaユーザ会,また年に1回のオープンフォーラムを開催する予定(来年度は北海道,その次は熊本を予定)。

 今後の方向性を示した上で,以下ディスカッション。

?アセスメントスキルの養成方法

 実際にルーブリックを利用してやらせていくことが必要。

?客観的評価をどう示すのか?パフォーマンス評価の方法は。

 評価基準,ルーブリックを作り上げ,主観的なものを客観的なものにしていく。

?問題点は

 リフレクションの機能(Wallなど)。グループのセキュリティーの概念がわかりにくい。学生も教員も負担が増える。Maharaの自由度を生かすべきか,ある程度制限するべきか。大人数の場合はmoodleの方が使いやすい。

?普及のために工夫していることは。

 学生に使った効果を実感させること。Fレックスのように緩やかな連携も有効(単一大学では難しいかも)。FレックスにおけるSNSは画期的(賑わっている)。

?Maharaのメリット

 ビュー機能がなければ単なるSNS。YouTubeが簡単に使える(ドラッグアンドドロップできる!)。

?使いにくい点

 フィードバック機能。ビューに写真をあまり載せられない。写真の張り付け機能が良くない。携帯電話から使えない(SNSについては致命的か)。

?eポートフォリオが高等教育を変える

 メタ認知(気付き)を促すことができる。熊本大学ではeラーニング300コースもある!by久保田

 eポートフォリオは万能ではないので,柔軟に対応する必要あり。高等教育は変わらなければいけないby森本

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ということで福井に日帰りという強行出張ではあったが,非常に実り多きものであった。特にeポートフォリオは万能ではなく,教員が主役になりいかに科目と連携させていくかについて考えていく必要があると森本先生が繰り返し言われていたのが印象に残った。関係ないところでは中継に使われていたMediasiteというシステムが気になった。動画およびパワーポイントのスライドを同時に中継する事ができる。価格は知らないけど,便利そうです。

2010年9月27日月曜日

第36回全国英語教育学会

 2010年8月7、8日に関西大学千里山キャンパスで行われた第36回全国英語教育学会に参加した。以下、いくつかの発表の覚書。備忘録を書くまでにだいぶ時間が空いたので,主に研究手法の羅列に留めておく。

久保田章(筑波大学大学院).中学生の文レベル・談話レベルの英作文の複雑さと英語熟達度.

 学習者の熟達度と英作文の複雑さの関係,タスクの違いと英作文の違いの関係,の2つを研究課題として設定し調査を行った。対象者は中学生450名で,英語熟達度テスト(語彙・文法・読解・作文,全52問,四者択一式,45分)により,上位,中位,下位グループに分類。またライティング・テストとして文レベルのもの3つと談話レベルのもの3つ各15分を課した(辞書は私用せず,日本語の使用は認める)。英作文の文法的複雑さについてはWolfe-Quintero et al. (1998),望月他(2009)に基づき,Clause per T-unit,Dependent Clauses per Clause,Denpendent Caluses per T-unit,Clauses per Sentencesの4つの客観的指標を用いた。結果,談話レベルのタスクの方が複雑な文章を書く傾向にあること,一部を除いて多くのタスクと熟達度テストの間にかなり強い桑乾河見られた。また従属節よりも節を単位とする指標の方が相関は高かった。また節を単位とする指標はどのタスクにおいても実力差が現われるが,従属節の使用については談話レベルのタスクの方が,実力差が現われやすい。

久山慎也(広島県立安古市高等学校).論理的表現力を高めるための作文指導が高校生の作文方略に与える影響について.

 高校英語Iの授業無いで論理的表現力育成のための自由英作文指導を高校1年生78名を対象に計20回行った。1回の指導は10分程度で,論理トレーニング(6回),早書き指導(5回),誤文訂正活動(8回)等を行った。文法テスト,自由英作文特典,および作文の総語数の3特性を用いクラスター分析を行い,4つのクラスターに分類し,それぞれにおける作文方略を質問紙(4件法)で調査した。

実践の詳細はここで2010年10月に公開予定だそうなので,期待しています。

高田智子(明海大学)・緑川日出子(昭和女子大学).日本の学習環境におけるELP応用の可能性を探る.

 時間内で理解するのは難しかった。興味がある分野なのだけど。

馬場千秋(帝京科学大学).大学生初級・中級英語学習者の英作文に見られる差異―質と量はどのように違うか.

 ライティングに関して継続して研究をされている馬場先生の発表。今回の研究の目的は大学初級学習者と中級学習者の英作文の量的な違いおよび文法上のエラーの傾向の違いを明らかにすること。大学1,2年生60名を模擬問題集による換算の結果470以上・以下に分ける。授業中に15分,テーマを与え自由英作文を書かせた(If you were a billionair, what would you do?”などのテーマ)。辞書の使用は可。その後初級者,中級者の英作文を50ずつ無作為に抽出し,総語数,T-unit数,error-free T-unit数,1T-unitあたりの平均語数,全T-unitにおけるerror-free T-unit数の割合を産出し,違いを分析した。また文法上のエラーを分析するためにタグ付けコンコーダンサーにより分析した。

量的相違:

総語数:中級は初級の3倍,T-unit数:中級は初級の3倍,error-free T-unit数:中級は初級の3倍,1T-unitあたりの平均語数:差はなし,1T-unitあたりの平均語数:差はなし,全T-unitにおけるerror-free T-unit数の割合:中級60%以上に対し,初級は50%未満。

などなどの結果。

柏木哲也.(北九州市立大学).英語熟達度は日本人英語を改善できるのか:Argumentative Writingにおける過剰・過少使用傾向と母語の影響.

Hinkel (2002)の使用した語彙・文法特性を基本に28の大分類,71の小分類に分け,L2熟達度との順位相関を出す(マン・ホイットマンのU検定)。225名のArgumentativeのエッセイをコーパス化,TOEICのスコアとの相関を計算,またWordsmithのキーワードリストを使い過剰使用語,過少使用語にみられる共通傾向を分析,またLOCNESSを用いて比較分析した。調査項目としては語彙・テクストの複雑さをみるためにT-Unit,標準化されたTTR,平均語長,文長,語数。

根岸雅史(東京外国語大学)・村野井仁(東北学院大学)・投野由紀夫(東京外国語大学)・高田智子(明海大学).CEFRを英語教育評価の枠組みとして考える.

 今回,学会に参加した目的の1つは本学でも実施しているCan-doアンケートに関する情報を得るため。この課題研究フォーラムではそういう意味でCEFRに関する情報を得る事ができた。以下,幾つか覚えていることを箇条書きにしておく。

・CEFR-Jというプロジェクトが進行している。もう既にほぼ完成している?

・現在Cambridgeで進められているEnglish Profile CorpusというプロジェクトにおいてCambridge Learner Corpus(CLC)を増強しているがCEFRのAレベルにおけるデータが足りないという現状がある。日本のJEFLL Corpus,NICT JLE Corpus(アジアに関してはCEEAUSも?)などはAレベルのデータが含まれている貴重な資源と考えられる。

以下は幾つか印象に残ったもの。

井上聡(神戸大学大学院生).日本人英語学習者の知覚動詞運用:学習コーパスに基づく研究.

長沼君主(東京外国語大学)・永末温子(福岡県立香住丘高等学校).Can-Do評価―学習タスクの導入による能力および自己効力の変化の検証.

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だめだ,やっぱり時間が空くと備忘録にもならないものしか書けない。それはともかく,全国英語教育学会の発表数には毎年のことながら圧倒される。予稿集なんてもう電話帳並み。この学会に参加するメリットは英語教育研究におけるいろいろなジャンルをほぼ全て網羅出来ること,英語教育研究における研究手法についての知識を得る事が出来ることかな。今年の新たな試みとして行われたランチョンセミナーは良い企画だと思う(会場がいっぱいすぎて立ち見がでるほどだったけど)。なぜこんなに発表数が多いかというと,英語教育研究に関する学会においては最も限定されていないものであること(小学校やメディアやら,冠が付いていない),そして発表することによって学会誌へ投稿する権利が与えられるという所にあるのではないだろうか。それにしても発表数が多過ぎる!発表もしない自分が言えることではないけれど,レベルが低い発表もある。特別講演を待っている間,後ろに座っていた学会経験者と初心者の会話:

初心者:この予稿集すごいですねー。

経験者:これにきちんと目を通しとかなきゃダメだよ。ハズレの発表とかあるから。

今や日本を代表する権威のある学会なのだから,発表も審査性にするとかしないのかなぁ。そうすると聴く側も移動に疲れるとかあまりの発表の酷さにがっかりする,なんてことが無くなると思うのだけど。。。(その前にちゃんと発表しろ,自分)

修道力

 修道力とは何かと言うことはさておき,現在広島修道大学は中国新聞で毎週土曜日(?)に写真入りの広告を出している。9月25日(土曜日)はその第2回,人文学部ということで,僕と在学生の仁後さんの対談形式のものが掲載されている(新聞を見逃した人はホームページ上に載っているので,そちらをご覧下さい)。

 ポーズが恥ずかしいだとか,単純にたまたま僕が載っただけで全然大した事じゃないだとか,その新聞記事を見て大騒ぎした高校時代の担任の先生が20年ぶり位に電話してきてくれたとか(これはビックリ&嬉しかった!),そんなことはどうでも良くて,人文学部,特に英語英文学科の学生は是非内容を読んで欲しい。最初から出来るんじゃなくて,大学に入って努力すればどこまでだっていけるということを彼女の挑戦が証明しているから。

 僕なんかが偉そうに言うよりも,自分たちと同じ学生が言うことに耳を傾けた方が早い。今回のこの記事を読んで少しでも自分の大学生活を前向きにとらえ「学び」について真剣に考えてくれる人が出てくれることを望んでいます。

日本リメディアル教育学会第6回全国大会

 2010年8月30,31日に湘南工科大学で行われた日本リメディアル教育学会に参加した。学習支援センターで仕事をするようになり,何かとこの学会とはご縁があり参加し続けているような。。。8月後半とは言え,まだまだ残暑,いや酷暑の中,そして大学の側を日焼けしたサーファーがサーフボードを抱えて自転車を楽しそうに漕いでいる中,スーツを着て汗だくで頑張ってきましたよ。以下,備忘録。

Jodi Patrick Holschh. Using Learning Theory to Develop Self-Regulation in Postsecondary Students.

 タイトルからわかるように,高等教育において学習者の自己制御を発達させるために学習理論を用いることについての講演。内容的には一般論だったので省略。残念だったのは会場の悪さ。某先生も言われていたのだが,「本来であれば小さい教室などでやってもらうと良い講師」だったのが活きなかった。音響は悪いし,講師と会場の距離も遠いし。。。講師の人柄の良さがすごく伝わってきただけに残念。アクティブ・ラーニング形式で何かワークショップとかやってもらうと良いかもしれない。

矢田部順二,木村大自,加利川友子,佐々木智子. 地方私立文系大学における入学準備プログラムの実施報告.

 広島修道大学における入学準備プログラムの実施状況についての報告。またアンケート調査の結果を分析し,参加学生の満足度などを調査した結果を報告した。いわゆる身内の応援で行ったのですが,残念だったのは声が小さくてせっかくの発表があまり理解されていなかった気がする。

大澤真也・中西大輔・竹井光子・土岸真由美・有田真理子. 学生に自信を付けさせる英語教育プログラムの予備的検討:

Can-doアンケートの分析から.

 今回の学会参加の目的は,この発表。本学において1年次生約1400名に対して実施した英検Can-doアンケートの結果と

TOEIC Bridgeのスコアとの関連について検討した。その結果,TOEIC BridgeのスコアとCan-doアンケートにおける自信度の間には相関があるが,スコアが上がったからと言って自信度が上がる訳ではないということなどが明らかになった。発表は15分という短時間だったのに,僕が10分ぐらい喋ってしまい本論の分析の部分を残り5分で説明しなければいけないという事態に!!何だかとても反省。。。

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お勉強のために学会に参加するといろいろ知識を得る事ができて良いのだけれど,聴き疲れ「あー,今度は発表しに来よう」と思い,発表のために学会に参加すると発表準備にドタバタして,他の発表にあまり集中できないというジレンマ。日本リメディアル教育学会ではどうやら英語,日本語,理数系,ICT,学習支援という5つの分野に特化していきたいという意思が感じられる。けれどもそこに共通する問題は「なぜリメディアル教育学会で発表しなければいけないのか」ということだ。はっきり言ってしまえばそれぞれの分野にもっと歴史・権威のある学会は既に存在している。例えば英語教育であれば,全国英語教育学会,大学英語教育学会,JALT,LETなどなど。ではなぜリメディアル教育学会で発表しなければいけないのか,という問題について考えなければいけない時期に来ている(どうやら初年次教育学会もそのような雰囲気らしいが)。常に固定のメンバーが発表をして新しい風が吹き込まないような学会であってはいけない,いい加減な研究発表をしてはいけない,など考えなければいけないことはたくさんある。今回思ったのは「リメディアル教育を行いました。でも相手は学力の低い子で,評価できません。でも楽しいと言ってたから効果はあると思います」のような発表が散見されたこと。確かに既存の評価法では評価できないかもしれないが,こういった層を適切に評価できる手法を開発していくことも1つの課題ではないだろうか。この学会に初めて参加していた某氏が言っていた「この学会ってワークショップ無いんだね。やればいいのに。」という言葉は心に残った。ワークショップを開催し,学会員に特定の技能・知識を身に付けてもらうというのは学会の発展のために良い事だと思うのだが。。。

いずれにせよ,日本の高等教育においては今後この分野の必要性はますます高まるのは間違いないので,今のうちにしっかり足場を固めておかねば。

18th International Conference on Pragmatics & Language Learning

 備忘録を書くのが遅くなってしまったが,2010年7月16-19日に神戸大学で開催されたPLL18国際大会に参加した。プライベートな用事があったので参加したのは18,19日のみ。大学時代の同級生(専攻は違う)が学会運営の手伝いをしていて大変そうだった。そう言えば彼は全国英語教育学会でも学会運営の手伝いをしていた。都会に住む研究者というのは大変だ(違うか)。と書き始めてみて思ったが,やっぱり備忘録は忙しいからと言って後回しにしちゃいけない。記憶がだいぶ薄れている。学会全体のイメージとしては語用論と言語学習という2つの分野の接点を探すための学会ということで,僕の知り合いは普段参加する学会(英語教育系?)との違いに随分と驚いていたようだ。そう言えば僕も辞書学の国際学会にはじめて参加した時にその雰囲気の違いに驚いた経験があるなあ。予稿集が薄っぺら過ぎて,自分の興味のある発表を探すのが難しい,というのが一番の難点だったか。その中で印象に残った発表を2つだけ。

Yamato Kazuhito, Tagashira Kenji & Isoda Takamichi. Examining Pragmatic Awareness of Japanese EFL Learners in Relation to Individual Difference Factors: A Cluster Analytic Approach.

 動機付けと熟達度を考慮した上で,pragmatic awarenessにおける個人差の影響について調査したもの。先行研究によれば,pragmatic awarenessに影響を与えるものとして,1)学習環境,2)熟達度,3)滞在期間,4)動機付け,が考えられる。そのうち本研究では2)と4)に注目した。調査に参加したのは日本人大学生69名。TOEICのスコアおよび4技能に関する自己評価(10段階)で熟達度を調査,pragmatic awarenssに関してはBardovi-Harlig & Dornyei (1998)を守成したものを利用,動機付けについてはHiromori (2006)を利用した。

 Bardovi-Harlig & Dornyei (1998)の手順は1)対話が適切か・正確かどうかを判断し,2)もしそうでない場合はその深刻度を6段階で評価するというものであった。が,本研究では文法と語用論的なものそれぞれを別個に判断させ,6段階で評価させた。分析やディスカッションは省略して結論1)個人差(動機付けおよび熟達度)はpragmatic awarenessに影響を与える,2)内的動機付けの高い学習者は,間違いの深刻度の評価において深刻度を高く評価する傾向にある,3)熟達度高いからと言ってpragmatic awarenssが高いとは言えない,4)noticingとunderstandingが重要である。

Bardovi-Harlig & Dornyei (1998). Do language learners recotnize pragmatic violations? Pragmatic versus grammatical awareness in instructed L2 learning. TESOL Quarterly, 32, 233-262.

Haruhiko YAMAGUCHI. Paraphrase and problems of Japanese students: How word meaning should be presented in classrooms and in dictionaries.

 語彙の多義性についての講演だった。というか小学館から出版されている『英語多義ネットワーク辞典』の宣伝か?(笑)非常にユーモアのある喋りをしていたのだけれど,あまり会場の受けは良くなかったような。文化の違い?それとも学会会場という雰囲気のせいか?

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純粋な語用論の学会ではないせいか,どちらかと言えば実践者よりの発表やコメントが多かった気がする。この分野は個人的に興味を持っている分野なので,今後も注視していきたい。

2010年9月25日土曜日

2010年度前期末授業アンケート結果

前期末に行った授業アンケートの集計結果が返ってきた。3科目行ったアンケートの簡単なまとめ。設問は各5点満点(A=5,B=4,C=3,D=1の加重平均)。
「e-learning英語I」履修者数43人(回答者数39人)
【授業の体系性】
設問平均4.8(科目別平均4.7,受講者数平均4.7)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.7(科目別平均4.5,受講者数平均4.4)
【授業の体系性」については評価があまり芳しくなかった。特に「授業のねらいや学習目標は明解でしたか」の設問に対しては4.7(科目別平均4.6,受講者数別平均4.6)で,平均と大きくは異ならないが,「あまりそう思わない」が2名いたということは真摯に受け止めたい。【教授方法・講義内容】に関しては,「学生の反応や理解度を見ながら授業が進められていましたか」が4.8「学習に対する興味・関心を刺激する授業でしたか」が4.6だった。前者は常に授業で意識していることなので素直に嬉しい。後者の設問は予想より高かったので驚いた。「教員は私語など受講マナー上の問題に対して適切に対処していましたか」という設問は4.6(科目別平均4.5,受講者数別平均4.4)だったが,「あまりそう思わない」,「そう思わない」がそれぞれ1名ずついた。eラーニングということでコンピュータを使うこともあり,なかなか意識の浸透を図るのが難しいのだけれど,快適な授業環境構築のため,努力します。
【自由記述欄】
・「プロジェクターが見づらい」=改善します。
・「楽しく学べた」=文法を扱う授業は大変ですが,良かったです。
・「大澤先生のような先生になりたい。翻訳家志望だけど」=突っ込むには時差がありすぎか。。。
「英語研究III」履修者数64人(回答者数51人)
【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.7,受講者数平均4.7)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.8(科目別平均4.5,受講者数平均4.4)
受講者数の割には良い評価をいただいたと思います。【教授方法・講義内容】における設問,「学習に対する興味・関心を刺激する授業でしたか」が4.9(科目別平均4.4,受講者数平均4.2)だったのは非常に嬉しい。パワーポイントやビデオなど視聴覚教材を多用したのが功を奏したのでしょうか。「課題(発表,レポート,小テスト等)は勉学を深める上で役立ちましたか」は4.6(科目別平均4.5,受講者数平均4.4)だった。この授業はあまり課題を出さなかったのでこのような点数になったのかもしれない。適宜学習意欲を喚起するような課題を課す事を心がけたい。
【自由記述欄】
・「Power Pointで進められる授業はとてもわかりやすかった。Moodleを利用することで自分たちでPower Pointを見て復習できる点もよかった。」=今年度はmoodleというeラーニングシステムを使い始めたので,こういった感想があったことは嬉しい。
・「難しい内容ですが先生の説明が分かりやすかったことです。映像や図なども多くあり、楽しかったです。」
・「この授業で1度も寝てしまった事がなかったので面白い授業だったと思います!!」
・「前期の授業の中で1番おもしろかったです。先生おつかれさま!やったね!」=やったね!さりげなく大学の中でアピールしておいて下さい。
・「先生の私的な話がなければ授業・・・60分でおわりますよ!」=いや,70分はかかると思う!
・「書くことが多いです」=パワーポイント等のスライドを使う時の注意事項ですね。気をつけます。
「ゼミナールI」履修者数15人(回答者数9人)
【授業の体系性】
設問平均5.0(科目別平均4.7,受講者数平均4.8)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.9(科目別平均4.5,受講者数平均4.6)
少人数のゼミならではの高評価をいただきました。今見返していた思ったのは回答者数がたったの9名?ってことはこのアンケート実施した時にそれだけ休んでいたってことかな?記憶に無いんだけど。。。【教授方法・講義内容】における「授業の内容は理解できましたか」が4.7(科目別平均4.3,受講者数平均4.4)だったのは後期に向けての課題。ゼミナールでは専門書を英語で読んでいくので大変なのだけど,それに対するサポートももう少し充実させていかなければ。【自由記述欄】には「内容が少し難しかったですが、楽しかったです。」や「難しいテキストなのに、先生が分かりやすく解説してくださるため、授業が分かりやすいです。」といったものがあるので,少しは対応できていたのかもしれないけれど。
ということで遅ればせながら前期のまとめ。今年度はいろいろ新たな取り組みをやっているのでその評価を真摯に受け止めて改善に努めたい。後期もよろしくお願いいたします。
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2010年9月1日水曜日

ここ1ヶ月の備忘録

早いもんで,もうすぐ夏休みも終わろうとしている。前回の日記以降の備忘録。

8月11,12日 

 大学主催の研修に参加した。いわゆる「教職恊創」を目指す本学としての新しい試み。同じ職場に働いていながら,教員と職員の間の壁って結構あるんだけど,このように泊まりがけていろいろ話してみると,本当にお互いを理解していないんだなぁということを実感する。丸一日研修,夜懇親会,部屋は相部屋という,何だか企業の新人研修を思わせるノリだったけど,終わってみれば良い思い出。

8月14~22日

 大学の夏期休暇及び施設点検により大学での業務ができない期間。プライベートでいろいろやりました。阿波踊りも観に行ったよ。まだ観に行ったことがない人は,是非桟敷席を取って一度は満喫してほしい。あ,今シーズンはじめて球場に野球も観に行った。しかし球場のビールは高いよ,ありゃ。飲ん兵衛には辛い。

8月30~31日

 学会にて湘南へ出張。湘南海岸が近いこともあってか,日焼けした若者たちが裸でチャリにまたがり,サーフボードを持って行き来していた。道路沿いの店もいかにも「サーファー」御用達な感じのお店ばかり。そんな中2日間会場に通うのは苦痛だった(笑)。結局江の電にも乗れず,江ノ島にも行けず,海も見れず。。。唯一の救いはシラス丼を食べられたことか。

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一ヶ月半の夏休みが早くも終わろうとしている。予想通り早く終わったなぁ。そうそう神奈川で電車に乗っていて微笑ましく思った突っ込みどころ満載の母娘の会話。

娘:(携帯電話を見つめながら)「お母さん,誕生日って言って!」

母:(怪訝そうな表情)「え?何で?」

娘:「いいから,早く誕生日って言って!」

母:「誕生日。。。」

娘:(満面の笑顔で)「ここはレストランだからね。はい,いらっしゃいませー。お誕生日ですね。沢山ご用意しますねー。」

娘:「何をするのがお好きですか?」

母:「えっ?」

娘:「何をするのがお好きですか?」

母:「。。。」

娘:「それではー,ハンバーガーとフルーツポンチをお持ちしますね」

母:「は,はい。」

娘:「お飲物は~。。。ビールですね。」

どんだけ,押し付けがましいレストランやねん。。。

2010年8月9日月曜日

大阪出張の雑記

全国英語教育学会に参加するために,8月8日(土曜日),9日(日曜日)と大阪に出張した。毎年お盆前に行われる英語教育研究においては最大級の学会で,これが終わるといつも気持ちが一段落する。けれども来年度は8月20日(土曜日),21日(日曜日)に行われるようで,発表をするとなるとせっかくのお盆休みも何だか気が落ち着かないなぁ。しかも場所は山形。日程的には気が乗らないが,未踏の地,行かねば!!!
学会はと言うと最近の流行を反映してか,小学校での英語教育,ツイッターにおける英語表現の研究,ツイッターを利用しながらの発表(!),などなど去年とはだいぶ様変わりしたようだ。1つの時間帯に20個以上の発表,そして昼食時間帯を利用してのランチョン・セミナーなど,真面目に全部聞いていると休む暇が無い(笑)。当たり外れはあったものの,今後の研究の参考になることも多くあったので近いうちにまとめたい。
この学会は今の僕の研究者としてのルーツのような場所。10数年前にはじめて「学会」と呼ばれるものに参加したのがここ,その時はどの発表を聞いても一体何のことだかチンプンカンプンで,毎年違う県で開催されるので勉強をしに行くというより半分旅行気分だった。その後,緊張しながらもはじめて発表したのもここ。その後発表の回数は多くはないものの,今までの発表の多くはこの学会だった。学会に行く度,顔なじみに会え,旧交を温めることができるのもまた楽しい。今回は大学院時代の先生およびその関係者10数名で通天閣近くの串カツ屋さんに行った。あこがれの「二度づけ禁止」初体験!おいしかったー。
ちなみに僕が現在所属している学会。

全国英語教育学会(中国地区英語教育学会)
日本教科教育学会
日本コミュニケーション学会
外国語教育メディア学会
日本リメディアル教育学会

。。。うーん,研究における自分の悩みを反映しているように統一感が無いな。とりあえずは来年,初心に戻ってこの学会で発表してみようかな(と宣言だけしておく)。

追記:8月2,3日,8,9日と連続で出張したけど,この時期の出張は体力的にしんどい。どちらでもその土地でおいしいお酒と料理を嗜んだけど,その分移動時に汗で大量放出。そして汗だくなのに学会会場に行くと強制的に冷やされるという,何だか一度溶けたアイスクリームを無理矢理凍らせるみたいで嫌だ。一度溶けたアイスクリームをまた凍らせたって美味しくないのにね(訳の分からない喩え)。

2010年8月4日水曜日

久々に東京さ行って思ったこと

8月2,3日と久々に関東に出張に行った。夏休みは約1ヶ月半。そのうち出張や宿泊研修などを入れると,おそらく自分の研究のために使える時間はごくわずか。有意義に使わなければ。

1)東京さ人多い。
何でもあってとても刺激的な都市,東京。年に数度行くのには楽しいが,やはり人多すぎ。坂の上から見えた数百人の人が一斉にうようよと横断歩道を渡る光景は夢にまで出てきそう(笑)。

2)東京さ人疲れてる。
いつも思うのはみんな疲れてる。サービス業の人も笑顔が疲れてるし,街行く人も何だか疲れてるし。どこに行ってもこれだけの人がいるとやっぱ疲れるよね。

3)人間ウオッチング楽しい。
ほんっとにいろいろな人がいるので人間ウオッチングはとても楽しい。海外旅行者らしき人も多数見かけたけど,彼(女)らにとってはこれが日本のイメージとして植え付けられるのかなあ.まさに映画Lost in Translationの世界。

4)ジャガー横田案外小さい。
今回の出張のご褒美は品川駅のタクシー乗り場でジャガー横田を見れたこと。テレビで見る印象よりは案外小さいが,やはり顔は恐い(笑)。

5)八天堂っておいしいの?
品川駅でみかけたパン屋さん。三原でも有名なの?品川駅では,ぼちぼち行列ができてたよ。今度行ってみよう。

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と,とりあえず思ったことを断片的に綴っておく。自分が発表をしない学会出張は刺激を受けて「がんばろう!」という気になるので良いのだけれど,思うだけで終わることが多いので要注意。

天才と凡人の違いは発想を行動に移すスピードがあるかどうか。
凡人と凡人以下の人の違いは,そういう発想が持っているかどうか。

とりあえず発想はあるのだけれど,それを数年も寝かせてしまう傾向にある僕は,多分漬け物屋さんが向いている。

そう言えば,今回は卒業生が働いているお店にサプライズで訪問してみようと思っていたのだけれど,行けなかったのがとても残念。こんだけ東京に行って観光を何もしていない僕はだめかなぁ。今度,お台場にでも行くべか?一人でよ。

外国語教育メディア学会50周年記念全国研究大会

201083日(火曜日)~85日(木曜日)の日程で,横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校にてLETの全国大会が開催された。他の学会出張などがあることもあり,今回は8月3日(火曜日)のみ参加。今回の目的は2つで,業者のブースを見て回ること,と脳科学者である茂木健一郎氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所)の講演を聴くということであった。午前中は幾つかの業者のブースを回り,資料をもらったり話をしたり,名刺交換をしたりする。LETはeラーニング系の業者が多く集うので,情報収集をするにはとても良いのだが,ブース巡りをすればするほど資料が膨大になっていくのでちょっと困る(笑)。広島修道大学では2011年度からマイナーチェンジの形で新カリキュラムを始動するので,その意味でとても良い情報収集ができた。

気になったのは,
eラーニング作成ソフトstarQuiz
ポートフォリオ機能を備えたacademic express2

 その後,昼食をはさんで午後は「横浜サイエンスフロンティア高校の授業実践」という企画に参加した。2009年に開校し,2010年度からサイエンスハイスクールに指定されたこと。また著名な科学者が定期的に講演をしたり,生徒が海外研修に行ったりと,非常に刺激的な教育実践をしているようだ。8月3日当日も,ある学生は東大での研修(?だったかな),またある学生はサイエンスハイスクールが集まってのプレゼンテーションの場に参加,など積極的に活動していた模様。こういった高校から優秀な科学者が生まれるのもそう遠くはないかもしれない。
 そして夕方から行われたのが2つの講演。1つは脳科学者,茂木健一郎氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所)による講演「オープンエンドな英語教育に向けて」,もう1つが峯松信明氏(東京大学)による講演「英語発音の物理現象を眺めていて気づくこと」,でその後二人による対談「脳科学者と音声工学者が考える言葉との出会いとその演出」であった。残念ながら新幹線の時間があったので,対談は聞けなかったのだけれど,一流の人たちによる講演はとても面白く刺激的なものであった。

茂木健一郎「オープンエンドな英語教育に向けて」
 はっきり言って有名な人の講演を聞きたいというちょっとしたミーハー心だったのだけれど,聴衆もどうやら同様な考えの人が多いらしく,携帯やらカメラで写真を撮っている人が多かった。
 中学生の頃から英語の読書を行い,またtwitterやブログでも英語でメッセージを発信することの多い氏らしく,要綱も英語で書かれていた。それに基づけば自然言語は本質的にopen-ended(開放性)のものであるということ。言語は創造的なものであり,普通の言語能力を持っている人であれば,たとえ知らない単語があったとしてもだいたいの意味を推測できる。しかし,それにもかかわらず学習指導要領では中学校では900語しか教えないとしており,この主張はおかしいということ。そして脳は行為者が他者と相互作用する状況を認識し,それに対して報酬を与えることによって,functionality(機能性?)が強化されることから,試験の成績や文法の正確さだけにとらわれている日本の英語教育はおかしいということ。また言語の習得には量が必要不可欠であり,脳の記憶はエピソード記憶の蓄積によって語彙を習得していく。このことから考えれば,日本の英語教育で教える語彙数は不足しているということ。であった。

のだが。。。

アメリカ出張帰りで意識がアメリカモードだったのか?いきなり用意してきてスライドとは全く別のことを話し始めた。「英語が得意・不得意ということよりも,日本人と英語圏の人々ではmindsetが違う。日本人みたいに肩書きを気にして名刺交換をしているような文化のままであれば,日本という国は没落してしまう。英語圏では肩書きよりもアイデアが大事。」から始まり,コンピュータがネットにつながっていることを知るや否や「何でもできるじゃん」と言い,やりたい放題の講演をし始めた。また会場に高校生がいることに気づくと,「肩書きばかり気にしているしょうもない大人なんか無視していいからな」といきなり教育者モード。文献の紹介やら,TEDの紹介やらUniversity of the People(なんと学費無料のオンライン大学!!)の話やら,いろんな情報をググりながら講演をしてく様子はある意味斬新というか興味深かった。おそらく横浜サイエンスフロンティア高校の生徒たちに,ネットの情報を上手に操るということを伝えたかったのだろうが,その手の話をするならそちらの専門家の方が良かったかな。脳科学関係の話としては2点。エピソード記憶の積み重ねから意味をマッピングしていく,ということ,そしてcontingency(偶発性)においてうまくいく/いかない経験がドーパミンを誘発するということ。
 講演のタイトルがオープンエンドであったのだけど,茂木氏の話がまさにオープエンドであった。用意してきたであろう莫大な数のスライドをほとんど使わず,そこのキーワードだけを拾って講演を進め,またきちんと内容がまとまるのはさすが。また英語を目的ではなく手段・道具として使っている人らしい講演であった気がする。講演の内容がどうとかいうよりも,非常に刺激的な講演であったし僕が今までこういった学会で聞いた講演の中では聴衆を一番引きつけたものであった。茂木氏も言われていたが,「ものづくり」をしていれば良い時代は終わったのだ。今はアイデアや内容が問われる時代。以前もBBCか何かの特集でこれからはハードではなくソフトの時代だという話があったが,まさにその通りだと思う。今や日本から目新しい物は生み出されない。英語にしてもそうだ。英語の習得自体を目標にしている時点で,英語コンプレックスからは一生抜け出すことができないし,それ以上の広がりも無い。そいういう意味で英語教育を学問として位置づけようとしている試みは評価に値するかもしれないが,広がりが無いのだ。一人の英語教育者として肝に銘じておかなければいけないことだと思う。でも外国語教育メディア学会において行われた講演という性質を考えると,うーん。。。


2010教職員向けイベント「国際社会に通じる英語を,大学は学生に意識付けることができるか」


201082日(月曜日)に東京,青山のこどもの城で行われたciee主催のイベント。実は英語英文学科で試行的に英作文自動添削システムcriterionを導入していることもあって,勉強がてら参加した。

カール・マクガリー(横浜市立大学国際総合科学部教授/プラクティカル・イングリッシュ・センター長)
「横浜市立大学の英語教育とTOEFLについて」

 横浜市立大学では2005年からPractical Englishの単位取得を3年次に進級するための必須条件とした。その条件とはTOEFL-ITP500点以上(TOEFL-PBT500点、TOEFL-CBT173点、TOEFL-iBT61点、公式のTOEIC600点、もしくは英検準1級でも可)である。しかし学習のサポートをあまり行っていなかったために,進級できない可能性のある学生が過半数に及ぶのではないかという危機感が生まれた。そして2007年にPractical English Centerを設立し(12名の常勤,10人の非常勤),英語のみで行う授業へと改革を行った。その結果,現在では18%もの学生が入学時にTOEFL-ITP500点レベルを達成しており,1年次終了時には約60%の学生が点数を達成する。また現在は上位層の学生に対してAdvance Practical Englishという科目を設置して,更なる点数の向上を目指している。
授業実践内容に関してはあまりお聞きする時間がなかったのだけれど,英語試験何点以上を卒業の条件とするという試みは数多くの大学が行い失敗しているだけに,このようにほぼ成功しているのは非常に興味深い。ポイントはカリキュラム改革もあるだろうが,点数の括弧内(TOEIC600点以上も認める)にあるような気がしないでもない。それにしても学部生の数が4000名規模の大学においてここまでできるというのは,やはりすごい。


鈴木利彦(早稲田大学商学学術院准教授)
「英語ライティング授業でのCriterion活用について」
先生自身がライティングのクラスで実践されている報告だったのだけれど,思ったことを簡潔にまとめると,1)やはり自動添削システムだけでは十分ではなく,教員がどのようなフィードバックを与えるかが重要,2)教員/学生がCriterionの使い方を熟知する必要あり,ということであった。もう少し具体的な実践報告が聞けるかと期待していたのだけれど,残念。

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今後同様のイベントを開催されるとのことであるが,教職員が望むのはより具体的な実践報告ではないだろうか。そういった意味で今回のイベントは,時間の制約もあるとは思うが,話を聞くだけで終わってしまい具体的な内容についての議論/検討が行われなかったのが残念。今後に期待したい。


2010年7月9日金曜日

最近気になることば

「生」(なま)

1)食物などを煮たり焼いたりしていないこと。加熱・殺菌などの処理をしていないこと。また,そのさま。「魚をーで食う」「しぼりたてのーの牛乳」

2)作為がなく,ありのままであること。「国民のーの声」

3)演技・演奏などを直接その場で見たり聞いたりすること。

4)技術・経験などが未熟であること。

5)「生意気」の略

6)「生ビール」の略 「ビールはーがうまい」

『デジタル大辞泉』より

何だか「生」と言う言葉が付くだけで,何だか言葉の格が一つ上がったような気がする。

生放送

生八橋

ここまでは許そう。

生キャラメル

生チョコ

生茶

生どらやき

生ゆば

生もろこし

生サプリ

生あんず

生スイーツ

なんかここまで来ると無理やり「生」付けちゃえみたいな勢いが感じられる気もするのだけど。こんなことが気になったのは,つい最近学生からもらったお菓子が「生どらやき」だったので。「生」って便利な言葉ね。僕も今後は「大澤」改め「生澤」にすることにします。よろしく。

2010年7月6日火曜日

中堅

 気付けば,齢を重ねてきた。大学の研究職の公募条件ではよく「35歳以下」という条件がある。つまり他の世界ではバリバリ働いている年齢であったとしても,早くても30歳前後で働き始める研究職においては35というのが,若手と中堅以降を分ける境界線なのだろう。ということで中堅になって最近思うことを,最近の出来事から。

兄との再会

 久しぶりに兄と会って,お酒を飲みに行った。二人きりではなかったのだけど,お互いそんな年齢になったのだ。傍目から見れば兄弟には見えないし,会話をしていても価値観が全然違ったりするのだけれど,お互い独立して歩んできた人生。違って当然。でも昔から違うのは,兄が理系で僕が文系ということ。なぜ?(親戚には理系が多いので,おそらく僕が異端児)。

大学時代のサークルの同級生との再会

 大学時代のサークルの友だちの結婚披露パーティーにお呼ばれした。卒業して10年以上も経過するとお互い記憶が曖昧なので,先輩やら後輩やら同級生やらの情報・消息確認に勤しむ。NTTに勤務していた彼は一念発起して仕事を辞めて,カナダに留学したそうな。すごいなー,みんないろいろ苦労して頑張ってるな。

中学時代のクラブ先輩・後輩の集まり

 中学時代のクラブの顧問が非常にキャラが濃い人だったこともあり,団結力が高まりmixiつながりで数年前に再会。それ以降コンスタントに開催されている集まり。今回は後輩の1人がお店をオープンしたということで,再び集まることに。そして今回は家族飲み会。夫婦での参加,子連れでの参加,お一人さんでの参加,人生いろいろあった上でのお一人さんでの参加,などなど。職業もいろいろ,歩んできた人生もいろいろ,何だかとても面白かった。中学時代にいじられキャラだったあの人は,この年齢になってもいじられキャラ。遅れて急遽会に参加することになった彼は,電話をかけてきたのだけど,電話にでた女の後輩に,「先輩,どうしたんですか?え?来るんですか?手ぶらですか?」と突っ込まれていた。そこまで突っ込まれておきながら,きちんとアイスを買ってきたあんたは偉い!

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 そう言えば,最近大学時代の半分を過ごした東広島を久しぶりに訪れた。昔よく遊んだ場所,飲みに行った場所,バイトしていた場所(お店が無くなってた!!!),驚くほどに変貌していてちょっとショック。また「故郷」の一つが消えたような気がする。経済が発展するのはとても重要だけど,街並みをある程度維持するのもとても大事。そういう意味では幼少時代の一時期を過ごした山口県萩市は何時行っても昔を思い出させてくれる素敵な街なので好きだ。

 こんな日記を書きたくなるほど,いろいろあった1ヶ月。極め付けは,同じマンションに住んでいる住人が,実は小学校1~4年生の時に住んでいた社宅で一緒に遊んでいた人らしいということ!!僕は全然気付かなかったんだけど,相手は一目見て,「あ!大澤君じゃ!」と思ったらしい。そしてその人のお母さんも一目見て「あ!大澤君じゃ!」とやはり思ったらしい。えっ?変わってないんか,俺?

 

2010年6月11日金曜日

最近の日常

 5月は何だか忙しかった。週末に振替授業日やオープンキャンパスがあり,土,日曜日と2日連続で休める日がほとんど無かった。振替授業日は学生だけでなく教員も大変だ。土曜日に月曜日の振替授業をして更に月曜日に同じ学生に授業をするというのは,下手に課題も出せないし教育効果的には疑問が残るなぁ。6月は今のところ,週末に仕事が入っていないので,少しはゆっくりできそう。前期も折り返し,夏休みは学会やらイベントが盛りだくさんなので,息切れしないように頑張ろう。

 最近は何だかブログに書くネタが無い。何か面白いネタ転がってないかね。そう言えば今日は久々に学外出張に行った。行き先は三原市。うちの大学の教員の1つのお仕事である教育実習生がお世話になっている学校への訪問である。その道中,ちょっと前に購入したWimaxの無線ルーターを試してみた。鞄の中にルーターをしのばせておけば,普通のiPod Touchやノートパソコンなどの機器を同時にネット接続できてしまうという優れもの。現在はまだエリアが狭いけれど駅の近くや市街地であれば大体大丈夫(うちの大学はエリア外)。何よりもほとんど使わない人であれば月額380円で加入できるのが魅力かな。僕なんて基本的に出張先や仕事以外ではオフライン人間なので,380円で満足満足。

 今日の訪問先の学校は三原駅から約3キロ。歩くには遠い,タクシーで行くのは何だか勿体ない。行きのバスはあるけど,帰りのバスが無い,ということで迷った揚げ句取った作戦が,以前の出張でも使ったレンタサイクル作戦。行く前にネット検索したんだけど,ホテルの宿泊者向けのサービスはあってもレンタサイクルは無い模様。駄目元で駅にあった観光協会で聞いてみた。

大澤「あのぉー,レンタサイクルなんてものは無いですよねぇ」

観光協会の方「ありますよ」

大澤「え!?いくらですか?」

観光協会の方「1日500円です」

レンタサイクル決定ーーーっ!!!観光協会の人もまさか暑い中,黒のスーツ上下のおっさんがレンタサイクルするとは思ってなかっただろうね。ということで暑い中地図を見ながらチャリチャリ行ってきました。以前の出張の時もそうだったけど,出張先でレンタサイクルしている状況に何だかウケる。訪問校先の校長先生もまさか大学の先生がレンタサイクルで登場するとは思ってなかったみたいで,興味津々。帰り際に,「噂のレンタサイクルはどれですか?」とわざわざ外まで出てきてチャリを眺めておりました。結構つかみとしてはおいしいです。みなさん,是非やってみましょう。

 残念ながらカメラは持っていかなかったので証拠写真は無し。大学に戻ってきた後,試しに冗談で「レンタサイクルって経費として落ちますかね?」と聞いてみたら,ダメだって言われた。やっぱりか。

2010年5月12日水曜日

ゴールデンウィーク明けのつぶやき

 ゴールデンウィークから持ち帰ったもの。日焼け,筋肉痛,疲労。ゴールデンウィーク明けにも有給休暇を取得して海外旅行(別名:現実逃避)をしたりしたので,結構休んでしまった。広島空港へのアクセスはストレスを感じる位良くないけれど,金額的にも時間的にもちょっとした東京出張感覚で海外旅行に行けるのは良いなぁ。お陰で日曜日の夜10時に家にたどり着いたのだけれど,月曜日から何の問題もなく勤務できる。けれども今週金曜日に特別の授業,そして土曜日は月曜日の振替授業ということで,やらなければいけないことは山積み。あれは締切りすぎてるし,これも締切り迫ってるし。。。あれさえ,少し延期になってくれれば(わからない人にはわからない勝手なつぶやき)。

 5月10日からiPad予約開始。現在Apple Storeで「予約する」ボタンを押したい衝動にかられる毎日。値段がそれなりに安いのも魅力だけど,

1)iPod touchやiPhoneのように指の動きでスクロールしたり,縮小・拡大する爽快な操作感。
2)どうやら電子書籍も結構充実しそうなので,電子ブックリーダーとしての価値。
3)iPod touchやiPhoneの小さな画面ではストレスを感じるアプリの操作性の向上。

などに興味がある。けれど,普通のパソコンであれば正面に見る画面が,机の上に置けば下方に,ちょっと見やすいように斜めに傾けたとしても依然として視線は下なので,肩凝りの人に辛いんじゃないかと。。。特に電子ブックリーダーやアプリで遊んでいる時間は良いけど,ワープロを使ったりeメールを使う時にタイプしなければいけなくなるとどうなんだろうなぁ。。。

今度の誕生日プレゼントはiPad希望します。よろしくお願いします!

2010年4月28日水曜日

もうすぐゴールデンウィーク

 4月ももう終わり。ついこの前,年が明けたと思ったのに,ついこの前,春休みが終わったと思ったのに,もう4月も終わりなんて。。。
 4月を振り返ってみると,学内業務としては予想していたよりは忙しくなかった。今日(4月28日)行うドキュメンタリーアワー用のビデオ探し,資料の準備,5月に行うファーストイヤー・セミナー,そして別のセミナーの準備等々あるのだけれど(そしてそのうち幾つかはまだ終わっていないのだけど),週末は案外ゆっくりとできたので,桜を探しに行ったり,イチゴを食べに行ったり,安佐動物公園に新しくできたレオガラスを見に行ったり,とても充実していた。
 その一方で今期はゼロから作らないといけない授業が2つあり,しかもmoodleとよばれるシステムを用いてeラーニングを活用した授業を作成しているので,思いの外時間がかかっている。少しずつ慣れてはきているものの,いまだ1日のほとんどの時間は授業準備に追われている。何だかこの大学に赴任して最初の数年間,授業の持ちネタもなく毎日のように朝8時前から夜中の12時近くまで授業準備に追われて研究室で仕事をしていた時のことを思い出すなぁ。。。今となってはそんなことはなかなかできないので,出来るだけ効率的に仕事をこなさなきゃいけない。長時間仕事やる=仕事を頑張ってる,ではないと思うので,出来るだけ短時間集中で仕事をこなして,プライベートはプライベートで楽しみたい(と言いつつ最近,研究をサボりぎみなので,こちらは言い訳できなくなってきた)。
 最後に,授業準備をしていて発見したサイト,TED。著名人による20分弱の講演がオンラインで無料で見れる!!何とiPodにもダウンロードできる。何よりも英語学習に最適なのは,字幕も付けられるということ。講演内容としては難解なものが多い気がするけれど,言語学を勉強している人なら誰でも知っているSteven Pinkerなども講演していたりするので,見なきゃ損です,これは。無料の英語学習サイトとしてはsmart.fmなんてものも有名だけど,こういうものを利用すれば無限に広がる英語学習の可能性。そりゃ英会話学校のニーズも低くなる訳だ。でも英語学習のリソース増加=英語力の向上,ではない。当然ながら,いかに継続的に効果的に使うか。僕自身も英語学習者の一人なので,時間を見つけて勉強します。
 

2010年4月7日水曜日

かわいい

 授業の準備をしていて,かわいい動画を見つけたのでリンク。決してこのファーストフード店の回し者とか,遊んでいた訳ではない(言い訳)。

http://www.youtube.com/watch?v=ZwkZHSbvBIY

2010年4月5日月曜日

桜の季節

 4月3日(土曜日)にはチューターガイダンスが行われ,英語英文学科の新入生と初対面でした。ガイダンス,そして土曜日の通学ということで疲れた様子でしたが,初々しくはつらつとしており,元気をもらいました(教員側の方が疲れてたかも)。個人的には学生同士の喋っている言葉に理解できないものが幾つかあり,何だかジェネレーションギャップを感じた一日でもありました(苦笑)。その中で気になった言葉『ハイスクール・ミュージカル』。僕は知らなかったけど,新入生はみんな知っていたので調べてみた。時代は巡るのねー,またもやミュージカルブームが来るんでしょうか。若ぶるためには,もう少し頑張らねば!
 開花予想より少し遅れて桜の季節。そう言えば,入学式で琴の演奏があり,「さくらを演奏します」と言われたので,てっきり童謡の「さくら」だと思ったら「桜といえばこの曲!ランキング」の8位の曲だったことにちょっとビックリした,というか面白かった。

↓4/4植物公園の桜
 

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2010年4月2日金曜日

入学式

 数年前から4月1日が入学式に設定され,年度初め早々何かと忙しい日々がスタートしました。本学の学長も新しくなり,入学式ではパワーポイントのスライドを用いながら告辞を行うなど何かと新しい試みが行われていました。特に1)高校から大学への円滑な移行<ファーストイヤー・セミナー>,2)交換留学などの国際交流について触れられていたのは,新学長の思いが込められているのではないかと感じました。
 春休みも何かと忙しかったけど,4月1日から忙しさが加速します。新入生の皆様,入学おめでとう!充実した4年間になりますように。そして忘れてはいけない,卒業生の皆様,いよいよ社会人。自分を見失わず,頑張りましょうね。

 と言いつつ,忙しさに負けて自分自身を見失いがちだったりして。。。

<今日の悲しい出来事>
 授業準備,ミーティング続きで疲れ果てている中で,革靴の底がはがれているのを発見。見かけはキレイなので,慌てて(時間も無いし)瞬間接着剤で「エイヤッ!」とつけようとしたら。。。手の指5本が靴の底にくっついた。次のミーティングまで時間は無いわ,全然取れないわ,情けないやら恥ずかしいやらで,一人研究室で声を抑えながらビリビリ引きはがしました。

今日の教訓その1:指1本ぐらい瞬間接着剤でくっつけちゃっても何ってことはないが,5本もくっつけちゃうと結構拷問。

今日の教訓その2:つけたい時にはつかなくてついて欲しくない時につくもの,それが瞬間接着剤。小学生向けのなぞなぞに最適。

↓写真はこの3月に卒業していったゼミ生たち

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2010年3月24日水曜日

カナダ視察旅行記

 3月13日(土曜日)~3月18日の日程でカナダのバンクーバーに視察旅行に行った。日記は、視察の部分を除いたもの。前の日記に書いたけど写真もあります。

3月13日(土曜日)
 朝10時過ぎに出て広島空港に向かう。以前は関西空港からバンクーバーへ直行便があったらしいのだけど、今は無い。ということで広島ー羽田、羽田ー成田、成田ーバンクーバーという乗り継ぎをする羽目に。これが現国交相の言う空港のハブ化が必要ということか。国内の主要空港(羽田)に着きながら、国際線に乗り継ぐためにはバスで1時間かけて成田に移動しなければいけないというのはどう考えても非効率的。くたくたになりながら、成田空港から17時40分発のJALでバンクーバーへ。搭乗客が多く空席がほとんど無かったので、それでなくても狭いエコノミーの席ではこれまた疲れた。VIPになりたーい!日付変更線を越えてバンクーバーに到着したのが同じく13日の午前9時。一度終わったはずの13日をまた1から繰り返さなきゃいけない、何だかスゴロクの「振り出しに戻る」状態。今回の視察でお世話になるLyn Bennさんとも空港で無事に再会。ホテルまで送ってもらう。その後は同僚と二人で時差ボケ解消のため無理やりショッピングをしたりしたのだけど、あまりの疲れと眠気でダウン。一度ホテルに戻り休憩した後、改めて出直した。簡単なショッピング、そして夕食は中華系でシーフードのお店へ。新瑞華海鮮酒家(Sun Sui Wah Seafood Restaurant)というお店で、どうやら蟹(Alaska King Crab)が有名らしく、お店を入ると正面にある水槽の中には大きな蟹がたくさん!!お店では蟹を注文すると、料理をする前に足を広げると1メートルはありそうな蟹を生きた状態で持ってきてくれる。お客さんはそれを持って記念撮影をしたりしている。僕たちは二人だったのでバンクーバークラブ(Dungeness Crab)を注文。サイズは小さいんだけど、それでも二人では食べきれない位の大きさだった。メニューには日本語もあり、味も薄味で美味しいのでお勧め。現地の人達も沢山来ていたので有名店なんだと思う。ホテルに戻ったのが夜9時過ぎで10時過ぎには就寝した。

 ちなみに今回ホテルのあるRichmondは中国系の移民が多い街。1997年の香港の中国への返還の際に多くの移民がバンクーバーに来たらしい。実施この辺りでは白人を見かけることの方が少ない。というかこんなに日本料理店が多いとは知らなかった。

3月14日(日曜日)
 夜中の2時にDaylight Savingsによりいきなり1時間時計が前に進む。まあ17時間の時差を乗り越えてきているので1時間位時間が変わったっておまけみたいなものか。今日は明日から視察に行く大学のスタッフLynさんによる観光ツアー。Granville IslandCapilano suspension bridgeに行く。Granville Islandはアーティストがお店を出していたり、道端でパフォーマンスをしていたりして、何だか楽しい。中には日本酒を作っている所もあってびっくり。話を聞くとオーナーは福岡で修行をした人なんだとか。たまたまかどうかは知らないけど、お店にいた人は日本語を喋れました。Capilano suspension bridgeに到着した時はあいにくの雨。とりあえずは一周したんだけど、。。。カナダの自然を手軽に味わうという意味では良いのだろうけれど、天気が災いして疲れてしまった。夜はどこにもでかけずホテル内のレストランで食事、そして就寝。いよいよ明日から視察。

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 という感じで残りは現地視察。朝から晩までずーっと忙しい中付き合ってもらった事に感謝。ほんっとに有意義だったけど,とても疲れた。でもご飯がおいしかったので許す(誰を?)。バンクーバー自体は自然が美しいけれど,街並みが美しいということはなかった(街並みの美しさで言えばやっぱりヨーロッパかな。日本も街並みはあまり美しくない。)。でも素敵な人に囲まれて良い思い出ができた。いつも思う事だけど,「旅=人との出会い」だね。以前就職したばかりの頃,毎年夏に学生の引率でイギリスに行ってたんだけど,その時は必ずその後1週間有給休暇を取ってバックパッカーもどぎなことをしていた。そこでの出会いは忘れられないなぁ。一度アイルランドのユースホステルで出会ったドイツ人二人の男子学生と飲みに行ったことがあって,「写真送るから連絡先教えてー」なんて言われたので,名刺を渡した。そしたら,「???」って目でその名刺をのぞきこんでた。大学教員がユースホステルに泊まってるのが不思議だったんだろな。うーん,今はそんな無茶なことができるだろうか。。。しかし,やっぱり海外旅行は良い!楽しい!最近プライベートで行けてないけど,また行きたいなー。
 ちなみにバンクーバーは移民の多い都市。ロンドンも移民の多い都市で,ロンドン市民のことをLondonerと呼び,誇りに思っている。バンクーバー市民にも同じような表現はあるのか気になったので聞いてみるとVancouveriteという呼称があるらしい。Londonerほど一般的ではないらしいけど。あとはカナダ人を呼ぶ言葉としてCanuckというものもあるらしい。ジーニアスで引くと((通例侮蔑))とあるけど,結構一般的に使われているみたい。
 

2010年3月20日土曜日

I'm back!!!

 3月13日(土曜日)~3月18日(木曜日)の日程で行っていたカナダはバンクーバーの視察から帰ってきた!日付変更線をまたぐので,実際に帰国したのは昨日19日(金曜日)。今回はバンクーバー→成田→羽田→広島空港→広島駅→お家,という成田ー羽田間の移動(バスで約1時間)が入っていたので大変だった。バンクーバー=成田間は約8時間なのに,日本国内についてからお家までも同じぐらいの時間がかかるって,何だか理不尽。昨日家に着いたのが午後11時,結構ちゃんと寝れたので今のところは元気。でも日本語やら英語やら,現在,過去,未来やらいろんなものがごっちゃまぜになって,いまいち思考がきちんと働かない。まあ,今日の卒業式が終われば明日,明後日と連休なので少しリハビリします。
 視察に関する日記はここに,そして視察のまとめについては研究のブログに近いうちにアップします。とりあえずはバンクーバーで撮ってきた写真でもどうぞ。

2010年3月16日火曜日

カナダにおける学習支援の実態その1

 2010年3月13日(土曜日)~18日(木曜日)の日程でカナダのKwantlen Polytechnic Universityへ視察へ行った。今回の目的は本学の学習支援センター設立の際にお世話になったUNBC (University of Northern British Columbia)のLynさんに会いに行くこと。今までの経緯は、2006年度に本学からUNBCへ視察、2007、2008年度には本学にLynさんを招聘しワークショップを開催、そして2009年度は再び本学からの視察という流れだったのだけれど、今回は日程の都合でUNBCは取りやめ現在Lynさんが所属するKwantlen大学のみへの視察となった(University of British Columbiaにも行ったが)。以下、移動などを除いた三日間の視察のまとめ(写真についてはこちらから)。
 Kwantlen大学は近年collegeからuniversityに変わったということで、いろいろな試行錯誤を行っている。学生数は17,000人。Richmond, Surrey, Langley, Cloverdaleの4つのキャンパスを所有している。

<1日目>
 今日の予定はKwantlen大学の4つのキャンパスのうち、3つのキャンパスをめぐること。まず1つ目はRichmondキャンパス。アート系の学生が多く通うキャンパスで、ESL (English as a Second Language)に焦点をおいたサポートを行っている。待ち合わせの時間まで時間があったので、建物内を見て回ったが、非常にコンパクトに全ての施設が集まっている印象。Learning Centreは現在1つの部屋が割り当てられているが、今後図書館の中に移転する計画らしい。大学内の廊下に設置されていたハンドアウト、Study Skills(Success Skillsと呼んでいた)に関するテーマは以下の通り。

Getting the Most from your Reading
Tips of Effective Note-Taking
Tips on Managing Test Anxiety
The 4R Method of Note-Taking
An Introduction to Assertiveness
Tips on Managing Public Speaking Anxiety
Tips on How to Study Effectively
Tips on Time Management
An Introduction to Stress Management
Test-Taking Tips
Tips on Managing Procrastination
Tips on Multiple-Choice & Essay Questions

 これらはCounselling Servicesが提供しているようだが、これはLearning Centreと連携しているのだろうか?(ここについては今後スタッフに確認予定)。どちらにせよ具体的な試験対策から心理的なサポートまで幅広く行っているようだ。

 ここではスタッフのJoanさんから2010年に1月に導入したTUTORTRACというシステムについて説明してもらった。これは学生が勉強に関するサポートが必要な時に、全てオンラインで予約できるというもの。チューター側の予定も全て管理されているので、2週間の期間の間でどのチューターが面談可能かを知ることができ、即座に予約ができる。チューターも出来る限り面談の記録を残すことによって、学生に関する情報を共有している。学生はその他にもmoodleやM drive、resource centreなどのオンラインの情報源を利用している。(どうやら成績などの管理システムとは別のよう)。

<その他に聞いた質問の覚え書き>
Q:学習サポートをする人たちの育成について
A:様々な立場の人がいる。基本的にはマスターレベルの学位を有している人が多い。
Q:ワークショップの参加への促し方
A:特に本学と変わらない様子。ただし5名限定などグループを形成してワークショップを運営している。授業との単位上の連携は特にしていないが、ワークショップではより具体的な内容を扱うよう留意しているらしい。

Surreyキャンパス
 去年の秋(?)から図書館にLearning Centreを移転した。いわゆるLearning Commonsの形式。書籍やPCなど全てが1つの建物内でアクセス出来るためとても便利。ただ1つの裏話としては図書館の中にあることによって学習環境のアクセスは向上するが、以前のようにセンターが独立した形の時に見られた学生のコミュニティー意識はなくなってしまう、とのこと。具体的には今までは1人あるいは複数名のグループでの学習相談の事前予約が多かったのだが,現在はdrop-inと呼ぶいわゆる立ち寄りの形式が多くなったとのことである。このあたりについては現在原因を調査中し改善に務めているらしい。ここでは、たまたま雑談をしている時に話題になったAcademic Boost Campについての話を主に伺った(日程についてはこちらを参照)。これはいわゆる学業不振に陥っている学生を対象にしたもので、LASSI (Learning and Study Strategies Inventory)、CSSS(College Survival and Success Scale)、VARKなど数多くの評価を用いたり、様々なことについて学ぶというもの。各セメスターに1回行うらしい。現在の問題は学生側のコミットメント。例えば先日行ったイベントでは70人が登録したにもかかわらず、約半数しか現れなかったらしい。

<その他に聞いた質問の覚え書き>
Q:ピア学生の育成方法
A:CRLA (College Reading & Learning Association)に基づくトレーニングを実施しているとのこと。実際の本としてMacDonald, R. B. 2000. The Master Tutor: A Guidebook for more effective tutoring. The Cambridge Stratford Study Skills Institute.を紹介してもらった。

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一日目はとにかく忙しい日だった。キャンパスが4つあり、しかもその間に結構な距離(車で30分)があるので大学の教職員にとっても大変だろうなぁと思っていたら、やはりKwantlen大学の人達はそう思っているらしい。夜はDaveとLynさんと共にMad Greek Restaurantに行った。今までギリシャ料理のイメージってあんまり良くなかったけど、ここは美味しかったなぁ。

<2日目>
 2日目はSurreyキャンパスで腰を据えていろんな方からお話を伺った。まず一番目はThe Centre for Academic GrowthのスタッフであるAliceさん。このセンターはいわゆる大学教員(Faculty)への研修を提供する機関である。詳しくはホームページを見てもらえれば分かるけれど、数え切れない位多くの研修機会を提供している。また以前本学でも紹介してもらったISW (Instructional Skills Workshop)は4日間の集中プログラムで数多くの教員が受講している。このワークショップは世界中に広がっているらしい。これらは彼らの昇進や給料につながる訳ではない。話によればCNC (College of New Caledonia)などでは何と研修会の参加を給料に反映させているらしいが、あくまでも例外らしい。理想だけではなく、実際にこのワークショップを受けたという教員に数多く会った(教員のうち約7割は受講している)。日本でも新任教員を中心にこれらのトレーニングを受講することを義務化すれば良いと思う。FDに関しては教員向けの書籍として以下のものを推薦してもらった。

What the Best College Teachers Do?
Enhancing Adult Motivation to Learn
The Skillful Teacher
The Department Chair Primer

その他,日常的な実践としてTeaching Squares(4人組)を作り、お互いのクラスを観察し共有する、などとにかく“share”することが重要だと言われていた。面白いのはEngaged Learning Symposiumなるものを開催していること。このシンポジウムの特徴は、教育実践について教員側だけではなく学生側の発表もあること。日本でもこのような試みは行われていると思うけれど、まだまだ少数派。是非教員と学生が対等の立場で話し合うことのできる学会(あるいはシンポジウム)を日本でも開催できれば良いのではと感じた。高等教育機関の教育ついて考える組織としてISSOTL (International Society for the Scholarship of Teaching and Learning)も紹介していただいた。
 その後、moodleやmaharaの話を聞きたいと思っていたら、学習支援センターのスタッフの一人であるAlissaさんが詳しいということで、話をしてくれた。どうやらガジェットやテクノロジー大好きな人だったらしく、WordPressFLIP(日本でも買えるんだろうか?)の話もしてくれた。Macユーザーらしい、うん、良い人(勝手な思い込み)。カナダのオンライン大学Athabasca UniversityではMaharaのデモも見れるらしい(まだ見つけられてないけど)。
 そしてその後Wayneさんからビジネススクールで採用しているCases Approachについての説明を受けた。教員は題材のみを提供し,それに基づいて学生は調査を行い論理的な分析に基づいて発表をする事を求められる。教員の授業での役割は単にサポートするだけ。このような学生中心の授業は非常に面白いと感じた。そしてその後国際交流のSandraさんとも談笑。日本とのつながりもあるらしく,非常に楽しいお話ができた。

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二日目は一つのキャンパスに腰を据えて深い話ができた。特に大学教員間における教育への意識,そして教育力の向上を目指すためには,きちんとした組織作りが必要だとつくづく感じた。夜はSteaveston Seafood Houseに行った。道中「カナダとアメリカって似たような国?」という所僕の質問から火が着き、夕食の間はずーっと盛り上がっていた。というかカナダ食事がおいしゅうございます。

<3日目>
 視察最終日の午前中はUBC (University of British Columbia)のLearning Centreを視察した。その中のLearning Commonsは学生を主体に運営しているらしい。また日本で言うところの初年次教育の授業もある。この辺りについてはまだリサーチが済んでいないので,また後日まとめてみたい。
 午後はthe old spaghetti factoryで昼食をとり少し休憩。そして夕方から前日Wayneさんから話を聞いたCases Approachに基づいた授業を観察させていただいた。2つのグループがPowerPointを用いてプレゼンテーション。そして最後の短い時間を使って講師が説明というスタイル。文化差はあるとは言え,学生の参加度は素晴らしいものだった。

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夜はLynさんと遅めの夕食。さすがにみんな疲れていたので早めに就寝した。

まとめ
 機中泊2日,現地4泊という何とも忙しい視察ではあったが,非常に実りの多いものであった。何よりもこの視察は今回の成果というよりも数年間かけてLynさんと広島修道大学との関係を緊密にしてきた前センター長をはじめとした人たちの努力の結果である。先方も忙しい中,こちらが忙しくて参ってしまう位,多くの事を経験させていただいた。カナダと日本における学習支援に対する考え方は当然のことながら異なる。だから全てのことをそのまま日本に応用することはできないが,何よりも素晴らしいのはきちんとした組織を作り一貫したマニュアルなどに基づき運営しているということだと思う。
 できるだけ早いうちに3日目の視察についてもまとめたいが,UBCのように学生が自然と集まってくる大学とは異なり,今回視察をしたKwantlen Polytechnic UniversityはPolytechnicということばが入っていることから分かるように,いわゆる工芸学校(日本の辞書の訳に基づくと何だか変だけど)であるということが興味深い。本学と同じように多くの学生が仕事と学業との両立を模索している。また大学での授業が終わるとすぐに仕事に向かってしまうため,大学内におけるコミュニティー作りが重要だという認識があるようだ。この辺りはいわゆる一流大学における学習支援とは異なり,日本の大学とも近く参考になることが多いのではないだろうか。
 あまりにも内容が盛りだくさんで頭を整理するのに時間がかかること,また今回の視察内容に関して5月に報告をするよう求められているので,また後日いろいろと整理したい。

2010年3月12日金曜日

3月の予定

 休暇期間中はもっといろいろなことができるはずなんだけどなぁ。気付いてみたらもう3月も中盤。3月のイベントと言えば,これまでこんな感じ。

3月6日(土曜日)第2回キャンパス学習
 いわゆる秋の入試で合格した人を対象にしたキャンパス学習の2回目。1回目はぎこちなかった子たちも,高校を卒業して見かけ(制服→私服)だけではなく,中身も成長した様子。大学には行ってから勝負です。楽しい学生生活を送るためにも今のうちに勉強で苦労しましょうね。

3月7日(日曜日)後期入試
 本学のとりを取る入試。秋から始まった長ーい入試期間がようやく終わりました。今度は広島修道大学の学生としてキャンパスで会いましょう。

3月10日(水曜日)
 ゼロから企画立案をした講演会が無事終了。懇親会が終わり抜け殻。

3月はやろうとしたことが自分の容量を超えて120。そのうち実際に形になったのは10程度。形にならないお仕事はたくさんしたのだけど,何だか気持ちがとっても焦る。。。まぁ,これが来年度に一気に形になることを願おう。今週末からカナダ出張です。詳細はまた後日!

2010年3月11日木曜日

moodleを利用したeラーニングの可能性

 2010年3月10日(水曜日)午後3時より広島修道大学心理学専攻交流会・人文学部FD研修会として講演会を行った。講師は佐賀大学高等教育開発センター教授穗屋下茂氏。「moodleを利用したeラーニングの可能性」というテーマでお願いしたのだが、まさにeラーニングの可能性を感じさせる講演であった。いつまでかはわからないけれど、http://www.ustream.tv/channel/daihiko で視聴できます。以下覚え書き。
 eラーニングには(1)LMSの機能を対面授業に利用、(2)WBT (Web Based Training):ドリル型、(3)講義コンテンツ:VODフルeラーニング(ネット授業)の3種類があるが、佐賀大学ではアピール度を考えて(3)を採用した。講演ではデモ用のビデオなどを交えてeラーニング教材の作成から、教材を用いた実践まで幅広く紹介していただいた。。。といろいろまとめたいのだけれど、自分たちが企画した講演であったこと、そして司会を担当していたこともあり、ドタバタしてしまい内容を深く理解する余裕が無かったのが残念。
 企画としては成功だったと思う。コンピュータを知らない人には難解な用語がたくさんあり理解が難しかったかもしれないが、eラーニングという流行りのテーマであったためか多くの方に関心を持っていただいた。学内限定にもかかわらず教職員40名以上が参加。ustreamという無料インターネット中継をしたのだが、30名が視聴(実は講演を聞きながら2名の人がインターネット中継を見ていたらしいので、実質28名)。質疑応答の時間では、主に「eラーニングをいかに効果的に教育に用いるか」について活発な議論が行われた。
 佐賀大学では専属のスタッフがおり、コンテンツ作成をしているが、予算が無い大学ではそこまでは無理。まずは基本的で簡単なコンテンツ作成をすることからスタートすると良いのではないだろうか。moodleは可能性を秘めた素晴らしいシステムだが、独特の用語や操作感がある。eラーニングに興味を持ちコンテンツを作成しようと思う気持ちを持っていても、最初の取り掛かりで「あっ、難しいな」と思うと二度とやろうとは思ってくれない。何でも同じだが、最初にどれだけの労力と時間を費やしてeラーニングを学ぼうとする姿勢があるかどうかが重要。なぜなら教員は対面授業をすることには慣れており、eラーニングの可能性と必要性に気づかなければ、わざわざ冒険を犯して(言い換えれば時間を無駄にして)までeラーニングのコンテンツなんか作成しなくても良いからである。
 そのような問題を解決するために,穂屋下先生も言われていたが「コンテンツ作成に対するサポート」と「コンテンツの共有化」がこれからのキーだと思う。穗屋下先生には夜の懇親会までお付き合いいただきました。非常に気さくな方で,このような出会いを契機に,今後横のつながりが広がっていければ大学教育も良くなるのではないかと感じた。
 

2010年3月4日木曜日

2009年度学年末授業アンケート結果

 後期末に行った授業アンケートの集計結果が返ってきた。3科目行ったアンケートの簡単なまとめ。設問は各5点満点(A=5,B=4,C=3,D=1の加重平均)。

「e-learning英語II」履修者数45人(回答者数34人)
設問平均4.7(科目別平均4.6,受講者数平均4.5)

e-learning英語に対する評価の平均点を頂いたという感じ。来年度は違う学科を担当しますが,より良い評価をしてもらえるように頑張ります。一番低かった設問は「学習意欲が増した」で,4.2。これは科目別平均でも4.2なので,科目自体の特徴と言えるかもしれないけど,改善の余地あり。この科目に関しては来年度eラーニングの利用方法も含め改善を行う予定です。

~自由記述欄より~
「アシスタントの方が優しくて質問しやすかった」をはじめ「先生のe-learningでよかった」など肯定的な意見をたくさんいただきました。有り難うございました。「席の周りがうるさかった」「黒板の字が少しみえにくい」などについては気をつけていたつもりですが,改善します。

「英語の諸相II(英語の意味論・語用論)」履修者数34人(回答者数26人)
設問平均4.9(科目別平均4.6,受講者数別平均4.7)

テキストは英語だし内容も難解なのだけれど,予想以上に高評価をいただきました。ただし履修人数が34人というのにも助けられているよね。「教員の声・話し方は聞き取りやすかった」,「黒板や機器等の使用が適切だった」,「質問や発言を促し,それらに充分対応していた」,「学生の反応や理解度をみながら授業が進められていた」は5.0,一番低いものとしては「学習意欲をかき立てられた」で4.7(科目平均4.3,受講者数別平均4.5)。この項目の評価は「e-learning英語」とも共通するし,ここ数年の課題。授業時間なんて限られているので,学生自身が興味を持って授業外で自発的に勉強してくれるような授業を展開したいなぁ。

~自由記述欄より~
「授業のプリントがとてもわかりやすかった」など理解補助プリントを準備した点については多くの学生に評価してもらいました。また授業中に観た映画も高評価でした。しかし,「先生の男レベルが高いこと。」とはどいうこと??男子学生からのコメントのようですが,同性からこのような評価をもらえるのは純粋に嬉しい。春休み期間中も頑張ってレベル上げます,ボスを倒せるぐらいに。

ゼミナールII」履修者数13人(回答者数10人)
設問平均5.0(科目別平均4.6,受講者数別平均4.7)

ほぼ5点をいただきました。その中で低かったのは「講義要項と授業内容が一致していた」4.9,「教材は授業内容の理解に役立った」4.9,「学習意欲をかき立てられた」4.8といった所。講義要項と授業内容は一致しているはずなんですけどねぇ。教材に関してはテキストが難解なこと,そしてゼミ生が準備するハンドアウトが中心なので,理解に苦労する時もあるのかもしれませんね。学習意欲に関してはゼミですからねぇ,もうちょっとかき立てないと,自分。

~自由記述欄より~
「毎回とても楽しかったです」,「生徒主体の授業進行で,分かりやすかったです。質問をしやすい空気づくりができているところ。」はい,それはいつも心がけていることなので評価してもらえてとても嬉しいです。「教材が重い」いや,軽い方だと思うけどなぁ(厚いけど)。「ゼミと就活がかぶったら大変なので少しだけでいいので考慮してくれたら嬉しいです」もちろん考慮はします。でもゼミと就活を両立させるのも大事なスキルですよ,一緒に頑張りましょう!

もうすぐ来年度が始まりますが,来年度もよろしくお願いいたします。

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追記:ネットで話題のtwitter。総理大臣や現職国会議員が情報発信しているのをはじめ,芸能人などもやってます。何と宇宙飛行士の野口さんが宇宙ステーションから発言したりもしています!!!新しい情報発信・検索ツールだと思います。慣れるまで少し時間がかかりますが,試しにやってみると面白いかも。

2010年3月3日水曜日

第19回広島外国語教育研究センター外国語教育研究集会

 2010年3月2日(火曜日)、広島大学にて第19回広島外国語教育研究センター外国語教育研究集会が開催された。広島大学を卒業して早10年以上。記憶は薄れつつあるけれど、久々にいわゆる国立総合大学の雰囲気を感じることができて楽しかった。やっぱり大規模の大学というのは休み期間中であっても活気があって刺激的(対する我が地方私立大学は休みに入ると文字通り閑散とする)。そんなことはともかく覚え書き。

山森光陽(国立教育政策研究所)
「学習支援としての教育評価とポートフォリオ評価の位置づけ」

 ポートフォリオ評価についての概論。以下,その要旨。

学習支援としての教育評価を考えると,

*学習者にとっての評価
学習者自身の個人差に適合的な教育を受けるため、学習者が教育目標を達成するための手がかりとして、後続する学習活動に取り組むため、の評価

*教師にとっての評価
学習者にとって適合的な学習指導を計画し実施するため、指導方法の改善、後続する学習指導をより効果的なものにするため、外部への説明責任を果たすため、の評価

である。評価には、診断的評価、総括的評価などがあるが、形成的評価とは、

「すべての学習者が目標を達成できるようにするために、指導実施途中の学習者の学習状況を把握し、教師の指導方法や学習者自身の学習の進め方を改善するために実施する評価」

である。以上のことを考えると、継時的に学習者の能力の変化をたどることができる、指導と評価の一体化を図る、学習者が「何ができるか」を提示する機会を提供する、学習者に振り返りを促し、自己評価するスキルの育成に寄与する、教師と学習者が学習者の進歩を共有する機会を与えうる、のはポートフォリオ評価である。ポートフォリオ評価に至るまでの流れとして,以下の2つの流れがある。

*教育評価
Lado=discrete point testing,言語要素を個別にテストする必要性
Carroll=コミュニケーションを統括的にとらえる必要性
CEFR=全体的な尺度の必要性

*外国語教育評価
Thorndike=分量的に存在するものは測定できる
Wiggins=学習者が現実場面における問題解決能力持ちうるかを評価する

これらの流れから代替評価(現実場面における問題解決に必要な能力をその場面に即した形で直接的に査定した結果をもとに評価)、パフォーマンスアセスメントが必要と言える。

英語科目においては残念ながら4技能の呪縛から逃れられていない。パフォーマンスアセスメントの成否は、潜在的な能力の様相を記述できるかどうかが重要。ポートフォリオ評価はパフォーマンス評価の発展系であり、継時的複数(一時点単一)のもの。目的的、計画的に学習者に関する資料を蓄積し、あらかじめ定められたルーブリックに基づいて評価を行わなければならない。

ポートフォリオ評価を実施するには目的、何を入れるか、評価における学習者の役割、評価方法と基準を決める、などが必要。実施における壁としては、時間の確保、信頼性・妥当性の確保、などがある。

まとめ
・評価は学習者が首尾よく学習活動を進めるために過くべからざるものである。
・形成的評価の充実が学習支援につながり、そのための方法の1つとしてのポートフォリオ評価
・部分ではなく、全体、単一能力ではなく問題解決能力を評価しようとする動きによるパフォーマンス評価の考え方の重視
・パフォーマンス評価の発展系としてのポートフォリオ評価

Measurement and assessment in education(参考書籍)。
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最近巷に蔓延っているポートフォリオという概念を1から丁寧に説明していただいたという点では非常に有益であった。PowerPointのスライドやたとえ話など,聴衆を楽しませようという心遣いは有り難いのだけど,とっても身内な内容が多く部外者には「???」というものもあった。こういった概論的な話につきまといがちな問題としては,「ではその理論に基づいて具体的にはどうすれば良いの?」ということが見えにくい所。特に外国語教育においてポートフォリを評価をどのように実施すれば良いかについては疑問が残った。というところで次の話に続くのだろうけれど。。。

樗木勇作(愛知淑徳大学)
「全学英語教育におけるマスカスタマイゼイションー愛知淑徳大学の試みー」

 漢字が難しいのだけど「おてき」先生による愛知淑徳大学における試み。大学の内情なども包み隠さず話して下さって面白かった。話を聞いている限りはこれらの試みについて中心になってやっていらっしゃるようで,本学でも導入しようとしているポートフォリオの参考になった。愛知淑徳大学では英語科目においてeラーニングを活用している(10科目中6科目)。そしてASU English.comと称して,ASU Writing(電子掲示板),TOEFL Writing (Criterionを利用したもの)英語学習相談、電子カルテの活用をしている。また到達度を測定するために,TOEIC IP(年5回)、TOEFIL ITP(年2回)を実施している。

 電子ポートフォリオは電子カルテとBlackboardの2つから構成され,電子カルテはFileMakerを利用して作成している。その内容は,TOEICスコア、TOEIC Abilities Measured、英語授業履修履歴、英語学習相談履歴、ASU English.com履歴、基礎からのやり直し英語カルテ(大学院生のサポート4週間)、ALC NetAcadey 2学外アクセス履歴、履修登録案内画面、など。

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広島修道大学でも導入しようとしているeポートフォリオ。その実例としていろいろと紹介していただいたので参考になった。但し,1つ目の講演におけるポートフォリオという概念と2つ目の講演におけるポートフォリオという概念は少し乖離している気もする。ポートフォリオという言葉を用いるのであれば,やはり学生側からの働きかけがもう少し加わらなければいけないのではないだろうか。


全体の感想(研究集会とは関係ないけど)
 年に1回センターとしてこのような研究会を開催し紀要も刊行するというのは素晴らしいことだと思う。地方の私立大学ではどうもそのような勢いがないので,見習わなければいけないなぁ。広島大学で導入している到達目標型教育プログラム(Hiprospects)や現在建築中の学生プラザ棟には興味を引かれた。一度時間がある時に調べなければ。


2010年2月25日木曜日

いや,そんなもの薦められても。。。

 インターネット書店大手Amazon,いや今や何でも購入できる巨大ショッピングモールか。ここでアカウントを作成しいろんなものを購入すると,自動的に「おすすめ」として様々な商品を紹介してくれる。これが結構的を得た商品を紹介してくれるんだけど,今回送られてきたメールのこれはないだろーー。せめて手を抜かず立ってなさい!

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話かわってMacな話
 出張に便利なMacBook Air。ちょっとした書類並に薄いので学会などに持っていくとみんなの注目を浴びる事間違いなしです。但しその薄さ故にEthernetポートがないので,インターネット接続可のホテルなどに宿泊する際にはApple USB Ethernetアダプタなるものが必要です。Apple Storeで売ってますが間違って買わないように。付属品で付いてます(間違って買いかけた)。
 我が研究室で活躍しているMacBook Pro。現在2歳。残り2年間は使わないといけないので本日メモリを2GBから4GBに増設しました。これでより一層快適になるはず。。。ですが,バッテリーが死にかけで,電源アダプタを外すと充電100%なのに30分も使えません。もはやノートじゃない。けど今年度の研究費はもう終わりなので,来年度までは我慢。

 さ,昼休憩も終わりだし,仕事に戻ろう。

2010年2月24日水曜日

Wish Listその3


 Wish Listその2で欲しいと言っていたポメラを買ってしまった。上位機種DM20が出たためDM10が実勢価格15,000円位(メーカー希望小売価格27,300円)になったので。使い勝手は。。。うーん,まだそこまで使い倒していないのでわからないけど,ポータブルに持ち運ぶにはとても便利。最近では常に通勤バッグの中で眠っている(起きろ!)。このブログを書くためにポメラのホームページを見ていたら,2010年3月9日にDM5というフレンドリーモデルが発売されるらしい!メーカー希望小売価格が20,790円だから更に安く販売されるのでは!?個人的に好きな色じゃないけど買うなら今だね。

 携帯機器で言えば今話題のiPad。Mac好きの人たちはまだ発売もされていないこの機器についてニヤニヤしながら話す。iPadのページを見れば何が出来るかは一目瞭然。ポメラじゃないけど,常に持ち運ぶことのできる高機能なメモ帳といったところだろうか。でもiPadの英語のページを見てみると事情は異なる。そう,日本語版に無くて英語版にあるもの。それはiBooksというアプリ,そしてiBookstoreがあることだ。いわゆる流行の電子書籍。以前のWIsh Listにも書いたけど,amazonのkindleと競合することになる。個人的にはiPadの売りはこの電子書籍だと思うんだけどなぁ。日本版で実現するかどうかは日本の出版業界との交渉次第といった所か。。。

ということでiPadを一応Wish Listに入れておきたい。買うポイントは「電子書籍が充実するかどうか」かな。iTunes Storeもアメリカのものは映画やテレビ番組が手に入るのに,日本版は残念な感じ。。。

2010年2月16日火曜日

函館出張

 詳細は研究のブログを見てもらうとして,出張で函館に3泊4日で行ってきた。広島から羽田空港へ約1時間,羽田から函館まで約1時間。まさにはるばる来たって感じの北国。夏の北海道は経験済みなのだけど,冬の北海道は初めて。寒い,歩道が凍ってる,海鮮おいしい,チャリ普通に走る。本当はここに行って幕末に思いをはせたかったのだけれど,ここに行っちゃった。えらい違いじゃ。凡人だ,自分。数枚の写真はここからどうぞ。

2010年2月13日土曜日

MoodleMoot Japan 2010 - Hakodate覚え書き

 MoodleMoot Japan 2010が2月13(土曜日)~14日(日曜日)の日程で、公立はこだて未来大学(FUN)にて開催された。函館とは言え、函館市内から車で約30分はかかる場所。キャンパスは雪に埋もれて何だかとっても雪国。建物内は研究室や事務室といった部屋が無く、すべてパーティションで区切られているだけ(一応研究室はガラスの壁で囲まれていたけど)!!上からそして周りからも丸見えなので、片付け下手には辛い職場だなぁ。導入されているコンピュータはMacのみ!Mac好きには垂涎もの!そんなことはともかく覚え書き。Mootとは「未解決の問題を議論する」という意味か。敢えてConferenceではなくMootと名付けている所に、今回は特徴があるかもしれない。

<一日目>
Beginner Moodle Workshop 2
HIdeto HARASHIMA(前橋工業大学)


 前橋工業大学の原島先生が行われた初心者向けのワークショップ。簡単な概略説明の後、実際に原島先生作成のムードルサイト(Harahara Moodle)にログインし、ハンズオン的な形で様々な活動を作成してみる。いろいろな情報を入手することが有益だったが、対象が初級者なのか中級者なのかわかりにくい所があった。実際何度かムードルを触ったことがある程度の僕には物足りず、全くの初心者の人には何が何だかわからなかったらしい。


edutoolsxplanaOCETでは多様なLMS (Learning Management System)の比較ができる。
keytoschoolではフリーでムードルサイトを作成できる。


簡単!楽々eテスティング
Minoru AKIYAMA(株式会社eラーニングサービス)


 予想以上の人数がおしかけ、サーバーの反応が遅く残念だった。いろいろと教育関係者にとって有益なものを提供してくれているらしいのだけど。

→テストのフォーマット=GIFTフォーマットが使いやすい。マクロを使ったエクセルのワークシートの開発など。
https://e-learning.ac/moodle-resources/では教員に限り、ムードル関連のものを無料で提供している。
=大学の教員に無償提供

Utilizing the Moodle GraderReport
Kenlya FRIESEN: Sapporo Gakuin Daigaku

 ムードル付属の「評定」機能についての説明。使ったことが無いので、理解をするのが難しかった。使いこなすことができれば成績管理も楽だし、何より学生自身が自分の評価を常に振り返ることができるのは良いことだと思う。まさにこれこそ社会文化的アプローチ。

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面白いサインのスライド=istockphoto.com、eXe

<二日目>
Game-theory and Activities that Students Can’t Resist
Gordon BATESON
Robert, CUNNINGHAM: Kanazawa Gakuin University


 ゲーム理論に基づいたムードル活動について。QuizPortなどを利用してカスタマイズをし、退屈なものになりがちな活動を面白いものにした。今後のデータの検証等に期待したいが、非常に興味深い発表だった。

Fear No English(実際のデモサイト)
prettyPhoto opensource


KEYNOTE: Moodleを使って授業し続けるために何を帰るべきかー授業者の立場からー
濱岡美郎(広島国際大学)

 moodle関連の本を何冊か出版されている著名な先生による講演。「eラーニングのみで大学は機能しない」という当然の主張から、現在のeラーニングについて以下の3点を指摘した。

1)教員の介入無しには成立しない。
2)LLと似た状況。教員は参加できるかどうか瀬戸際にいる。
3)eラーニングは個々の学習者に対する個別の対応がポイントである。

一般的な話すぎたので、もう少し具体的なことについて知りたかった。

VIRTUAL KEYNOTE: Moodle 2 and some good ways to use it - Moodle 2の新機能
Martin DOUGIAMAS

 おそらく今回のmootで目玉の一つだったはずのmoodleの開発者のひとりであるDougiamas氏のネット経由の講演。。。だったはずだったのだけれど予想通りというか失敗に終わった。何のシステムを使ったのかは分からない。企画者によると、2度のリハーサルでは完璧に動いていたらしいのだけど、これぞまさに“technology”。最終的にはskypeを使った動画無しの講演となった。
 いろいろ新機能はあるのだけれど、その中でもportfolio(flickr, Alfresco, mahara)へのexport機能は興味深い。詳しくはわからなかったけれど、学生がアップロードしたものをSAVEボタンを押すことによってエクスポートできる模様。その他にはcommunity hubs機能とか?


Managing multiple-choice questions efficiently
山内真理(神戸海星女子学院大学)開発者:神谷健一


 Multiple-choice quiz generator (MCG)を用いて簡単に多肢選択問題を作成する。時間がなくて試せなかったけど、無償でソフトウェアを提供してくれるのは有り難い。時間をかけて試してみたい。しかし英語のタイトルで英語の概要だったのに、なぜか発表言語が日本語。。。

http://www.oit.ac.jp/ip/~kamiya/mcg/
http://www.maymeng.net/moodle/
https://docs.google.com/leaf?id=0B28jqCIsUYQgNGM2YjA3Y2MtMmI5Mi00YWMyLWJhODctZDJmMDI2OGU3M2Ez&hl=en

Facilitating Collaborative Learning with Groups and Groupings
PEter RUTHVEN-STUART (Future University-Hakodate)

groupsとgroupingsの使い方。

Mobile Phone Applications for Moodle
Akio OHNISHI (株式会社Version 2) & Geordie MCGARTY


コース上携帯メールに一斉に送信できるシステム。携帯世代の学生とのやりとりには良いかも。

http://ver2.jp/moodle/
webswami

Closing Panel Discussion: The Future of Moodle (Moots) in Japan
moodleコミュニティー、オープンソースLMSの抱える問題:
  1. 中央組織が無い
  2. 中核プログラム開発への寄付の少なさ
  3. セキュリティー対策訓練の欠如
  4. 新機能の開発の遅さ
  5. カリキュラムや教育コンテンツの流通が殆ど無い
  6. Moodle.orgにアクセスをためらう(言語が英語なので)
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ということで長い移動時間をかけて参加した2日間のMoodle Mootが終了した。良くも悪くも発展途上の会合。moodleを使っている・使ってみたい人たちが1つの関心に基づいて、いろんな技術や機能の情報などを共有する。今回参加したメリットは、多くの使えそうな機能やソフトウェアなどの情報(や実物)をもらえたこと。もう少し大規模なmoodle関連の会を発足し、これらの情報を幅広く共有することができるようになった時、このmootの役目は終わるのかもしれない。というかmootの役目が終わらない限りはmoodleがメジャーなLMSとしての地位を獲得できない。個人的にはもう少し込み入った話というか、教育効果の検証について知りたかった。結局は多くの話に共通するのは「いかにmoodleを継続して学生に使わせるか」ということだったように思うので。

参加者の多くは英語母語話者、そして多くの人がコンピュータ(しかもMac)を使いながら発表を聞くというとてもユニークな会合でした。





2010年2月8日月曜日

入学試験業務終了!

 2月1日の月曜日から6日の土曜日まで際限なく続いた入試業務終了!最終日に鼻風邪ひいたけど,何とか回復傾向。そう言えば去年も入試業務最終日に鼻風邪ひいた気がする。。。大学人たちは頑張ってお仕事しています!受験生の皆様,是非うちへどうぞ!(笑:って受験生は見てないか,このブログ)

 今回の一般入試とは別に,うちの大学でもAO入試(別名秋の入試)が導入されているけれど,この入試形態には賛否両論がある。詳しくはWikipediaのエントリーに結構面白くまとめてあるので参照して欲しい。AOとはいわゆる日本で言う入学センター的なもので欧米の大学にあるAdmissions Officeの略。欧米では入試が楽だと思われているけれど,実際には基礎学力を確認するためのテストの受験やエッセイの提出などを求められることが多い。しかも入学してから卒業するまでに様々なハードルがある。けれども日本の大学では受験生の囲い込みや偏差値の維持,など目的がずれてきてしまっている。AO=入りやすい入試なのだ。大学教育の質を向上させるためには,AO入試を始めとした秋の入試形態を見直す必要があるのではないだろうか。これは何もAO入試を止めろということではないのだけど。

 話は変わり,2,3月の春休みは自己研鑽をするための絶好の時期なので頑張らねばいけないのです。とりあえず今週末は函館に行ってきます。函館朝市!いやいや,きちんと勉強してきます。

2010年1月28日木曜日

第2回初年次教育セミナー

 2010年1月25日(月曜日)、広島修道大学にて学習支援センター主催の2回初年次セミナーが開催されました。講師は玉川大学の菊池重雄先生。以下、覚え書き(『』内は個人的な感想)。
 今回は「初年次教育を基盤とした学士課程教育の構築~FDを視野に入れて~」という題目で主に「学士課程教育における初年次教育の有用性」および「玉川大学の初年次教育」についてであった。

「学士課程教育における初年次教育の有用性」
この辺りの話はいわゆる高校から大学へのGapを埋めるという一般的な話(『ロンドンの地下鉄で用いられるMind the Gapという表現を初年次教育関連の話で聞く事が多いのだけど,流行なのだろうか?』。興味深かったのはアメリカと日本のアイデンティティの相違について触れられていたこと。日本型モデルとしては初年次教育のゴールとして「個人として自己を表現し,自己を肯定しながら集団に所属する方法を学ばせる。」,「学生を強い個人にする」という2つを提示されていた。

「玉川大学の初年次教育」
そして玉川大学で実践している「一年次セミナー」の話。原則として一クラス30名以下のクラスを編成。そのため担当教員数は60~65名にもおよぶ。授業においては「大学生活navi」をテキストとして用い,学習記録(webではなく紙媒体)を学生に提出させる。授業の手法はアクティブ・ラーニングを用いる(『授業手法,教材など最低限のものを準備し教員に提供する。大規模で初年次教育を行うにはこのようなことが重要』)。初年次教育においてはプロジェクト・リーダー制を導入し同僚教員への啓蒙や担当教員へのケアや初年次教育の研究をすることが要求される(『その見返りに手当てはつけるということらしい』)。

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初年次教育についの理論的なことではなく,実践的なことを聞くのが楽しい。その点に関しては時間の関係上,2番目の実践例についての話が短かったのが残念であった。今回の話の面白かった点は初年次教育がFDにつながるという点。どこの大学でも初年次教育に対する抵抗は大きいのだけれど,敢えてやることによってFDに対する意識が芽生えてくるというのは当然かもしれないけれど重要なことだと思う。夜は夜でまた懇親会と称してお話をさせていただいたのだが,やはり時間制限のある講演だけではなく,緩い感じでお話をさせていただくのは先方にとっては迷惑かもしれないが,こちらとしては非常にありがたい。

2010年1月20日水曜日

大学教員であること

教師:
学術・技芸を教授する人
公認された資格をもって児童・生徒・学生を教育する人。教員。

教員:
学校に勤務して教育を行う人。教師。教育職員。

学者:
学問にすぐれた人。
学問を研究する人

先生:
先に生まれた人。
学徳のすぐれた人。
学校の教師。
他人を,親しみまたはからかって呼ぶ称。

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先日,4年生から思いがけず素敵なプレゼントをもらって感激したのですが,自分って一体何なんだろうと思って教育者関連の定義を広辞苑で引いてみた次第。こう考えてみると,大学の教員って微妙。

1月ももうすぐ終わり。ということは授業も終わりな訳で,2,3月は学内関連業務が目白押し。そろそろ自分の大学教員としての立ち位置をしっかりしなければ。

2010年1月14日木曜日

ここはどこ?


誰だ!今年が暖冬だって言ったのは。。。「カメムシが多い年は雪も多い」という予報の方が結構あたります。秋に研究室の窓を開けていると迷い込んでくるカメムシの数,2009年>2008年。気象庁でも来年度からカメムシ予報を取り入れる事をお勧めします。


<写真は研究棟の屋上から見えるビッグアーチ(アジア大会が開催された競技場)>

2010年1月9日土曜日

お金持ちになりました

 プライベートで使っているhotmail(今はWindows Liveって言うのかな)の機能にプライベートメッセージというものがあるみたいで,先日そこに知らない人からメッセージが届きました。それによると,

「先日Ozawaという人が亡くなった。私は彼の弁護士だが,彼には身寄りが無く,南アフリカの銀行に720万米ドルの預金が残されている。そこでLast Nameが同じあなたに遺産を相続して欲しい」

マジっすか!?一般庶民の僕がいきなり約7億円の財産持ちですか!7億あったら家と別荘購入して,車も買い替えて,連日連夜飲み歩いて。。。うーーーん,夢が膨らむ!!でも,日本には僕と同じ名字の人はたくさんいるだろうし,そしたら早い者勝ちかなぁ,それとも人数割り??さ,続きを読もう。

「興味がある場合は早急に私のプライベートメールアドレスに連絡下さい。○○○@yahoo.com

って。。。yahooって。。。どんな弁護士やねん。

ネット上での当然の教訓:フリーのメールアカウントを使って送ってくるメールはかなりの確率でスパム。

2010年1月4日月曜日

新年明けましておめでとうございます

 昨日で冬季休暇も終わり,今日から授業が開始です。年が明けたなぁという余韻に浸っているとあっという間に月日が流れてしまうので,今日からまた気合いを入れて頑張ろうと思います。本年もよろしくお願いいたします。
 昨年は私生活も仕事も何だか慌ただしく,おまけに年度始めに体調を崩してしまうなど散々でした。今年のテーマは「進」。ゆっくりでも良いからとにかく後退することなく前に進んでいければと思います。年末年始は相変わらず暴飲暴食と帰省でゆっくりできたような慌ただしかったような日々だったのですが,親戚で飲んでいる時に2009年を振り返って1年を表す漢字を1文字で考えようという話になりました。それがまあ大人たちの漢字は惨憺たるもので。。。

「折」:心が折れた
「沈」:体調不良で心が沈んだ
「凡」:平凡だった
「忙」:とにかく忙しかった
「慌」:ドタバタした

何だか可笑しいやら悲しいやらだったのですが,その場に居合わせた小学生の甥っ子,姪っ子の言葉に救われました。

「楽」:1年間楽しかった
「嬉」:いろいろ嬉しかった

ちなみに僕の2009年の漢字は「慌」。今年を表す言葉が明るいものになるように頑張ります。皆さんの2009年はどんな漢字でしたか?