2011年10月14日金曜日

2011年度前期授業アンケート

前期末に行った授業アンケートの集計結果が返ってきた。ちょっと遅くなったけど,まとめておきます。設問は各5点満点(A=5,B=4,C=3,D=1の加重平均)。

「Reading & Writing I」履修者数28名(回答者数28名)

【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.7,受講者数平均4.7)

【教授方法・講義内容】
設問平均4.8(科目別平均4.5,受講者数平均4.5)

授業内でMoodleを利用した活動をメインに行っている授業。概ね4.8以上の高評価をいただきましたが,【教授方法・講義内容】における「授業を通して新しい知識や理論,考え方がわかるようになりましたか」が4.6(科目別平均4.4,受講者数別平均4.4),「課題(発表,レポート,小テスト等)は,勉学を深める上で役立ちましたか」が4.6(科目別平均4.5,受講者数別平均4.5)なのが気にかかる所。何人かの学生にインタビューした所,eラーニングをやっていると勉強をした実感がわきにくいとの声もあった。実際はそうでもないんだろうけど,そのような実感を高めるための授業にするための努力が必要。

【自由記述欄】
・「パソコンを使うと、打ちこむことにも慣れてくるのですごく良い。持ってくるものがすくなくてすむ。」
・「パソコンを使うとノートにとったり、手元に残らないのですこしよくない。」=この2つの記述がポイント。
・「授業の途中で見せるパワーポイントが教科書よりすごく分りやすくてためになった。内容がおもしろくてよかった。」
・「自分の好きなように英作文するという活動が多かったので楽しかったし、単語力や文法力の無さなどを実感できたのが良かったです。」


「英語研究III」履修者数85名(回答者数71名)

【授業の体系性】
設問平均4.8(科目別平均4.7,受講者数平均4.7)

【教授内容・講義内容】
設問平均4.9(科目別平均4.5,受講者数平均4.5)

気になるのは【授業の体系性】の所で,「授業のねらいや学習目標は明確でしたか」の設問に2名が「あまりそう思わない」と答えている所。扱う内容が広範囲に渡っているので,理解が浅くなってしまったのかもしれない。その他の設問は4.8以上の高評価をいただきました。

【自由記述欄】
・「授業中で取り扱ったスライドを修道のmoodleから入手できるシステムは非常にありがたいと思う。」=良かったです。
・「授業スピードがちょうどよい。学習を一歩一歩踏みしめていくような速度。」
・「先生の話がおもしろくて、寝たりすることがほとんどなかった。スライドもおもしろくて、良かった。」
・「日頃意識していなかったコミュニケーションの問題など非常に興味深かったです。日々の生活でも考えるようになりましたし、コミュニケーションに対して少し慎重になった気がします。」
・「ノートを書く時間がほしい。」=このようなコメントが複数ありました。そのためにスライドを常時閲覧できるようにしているのですが,スライドを多用しすぎると良くないという実例です。


「英語科教育法II」履修者数23名(回答者数22名)

【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.8,受講者数平均4.7)

【教授内容・講義内容】
設問平均4.9(科目別平均4.5,受講者数平均4.5)

概ね高評価をいただきました。


【自由記述欄】
・「模擬授業を実際にやってみて授業をくむ大変さを学ぶことができた。教師になりたいとさらに思うようになった。」
・「自分では出来ていたと思ってても辛口なコメントをもらえることで改善すればいいところを教えてもらえたこと。」
・「できたら先生にもまるまる1回分の中学生・高校生対象の授業をしてほしかったです。」=そうですね,一度は模範例を見せた方が良かったかも。

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毎年の改善の結果,少しずつは評価も好転しているように思います。昨年度からMoodleを利用した授業を複数行っています。Reading & Writingはその中でも授業のほぼすべてをMoodle上で行いますが,このスタイルにはやはり好き嫌いがわかれるようです。eラーニングありき,ではなくどのように効果的に使うかがポイントでしょうね。今後の改善のテーマとしたいと思います。

第4回FD・SD研修会

研修会は2部構成。1部は,Benesseによる自己発見レポートの結果をまとめたもの。2部はリクルートによる進学ブランド力調査について。以下簡単なまとめ。ちなみに広島修道大学を対象とした調査結果の報告なので,その点はご了承ください。

自己発見レポート結果報告

半数以上は大学第1志望ではなかった。特に入試形態別では一般・センター試験利用で合格した学生にその傾向が高い。入学した理由は「学びたい学問分野があったから」が最も高く,「入試難易度が合っていたから」が続く。大学選びに役立った情報上位は「高校の先生との面談や話」「オープンキャンパス」入学後学生が期待しているのは,カリキュラムにおける「講義形式」「基礎基本中心」,授業においては「専門知識の豊富さ」「説明の分かりやすさ」。入学時の意欲および学力が低い層も入試形態別でよく表れている。

当然と言えば当然の結果。カリキュラムや授業に対する要望は何だか矛盾しているような気もするが,簡単にまとめると「大学生らしい高度なことをやりたいけど,わかりやすくやってね」ということだろうか。オープンキャンパスが大学選びに役立っているかどうかは疑問だが,高校の先生への宣伝活動はもっとするべきだろう。結局高校での進路指導が「国公立偏重」である限り,地方私立大学の未来は暗い。

進学ブランド力調査

中国エリアの高校に通っている高校生1,117名を分析対象とした。進学希望地域としては中国地方内では広島県が高い(47.8%)ものの,関西(40.7%),首都圏(23.2%)への希望も高い。但し,首都圏ともなると男子学生は希望する(30.3%)ものの女子学生はそうでもない(14.7%)。

中四国エリア全体の知名度は1位広島修道大学,2位安田女子大学,3位ノートルダム清心女子大学と続く。中国エリアでも全体では1位だが,男子は1位にもかかわらず女子では2位(1位は安田女子大学)。全体の興味度は1位川崎医療福祉大学,2位広島修道大学,3位安田女子大学。男子では1位広島工業大学,2位広島修道大学,3位岡山理科大学。女子では1位安田女子大学,2位川崎医療福祉大学,3位ノートルダム清心女子大学。中四国エリア全体の志願度トップは1位広島修道大学,2位や川崎医療福祉大学,3位安田女子大学。男子では1位広島修道大学,2位広島工業大学,3位川崎医療福祉大学,女子では1位安田女子大学,2位ノートルダム清心女子大学,3位川崎医療福祉大学。広島県で見ると男子では知名度・志願度で広島修道大学が1位,興味度は広島工業大学が1位。女子では安田女子大学がすべての項目で1位

中四国エリア全体でイメージランキング(機能的イメージ)1位の項目は「教授・講師陣が魅力的である」「自宅から通える」「学生生活が楽しめる」「クラブ・サークルが盛んである」「入試方法が自分に合っている」「偏差値が自分に合っている」「活気がある感じがする」「有名である」。下位項目は「専門分野を深く学べる」「学費が高くない」「遊びに行くのに便利な立地である」「学校が発展していく可能性がある」。感性的イメージの上位項目は「明るい」「親しみやすい」「自由な」。下位項目では「先進的な」「おしゃれな」「力強い」。

まさに本学の現状を良く表している。以前は女子大学が苦戦しているイメージだったが,最近は盛り返している(一部の女子大学のみ)傾向にあるようだ。女子学生を獲得するというのは大学経営において重要なポイントであり,女子学生の比率が確実に下がっている本学においては,早急な対策が望まれる。

以下,広島修道大学が安田女子大学に負けている項目をまとめてみた。これらを見ればわかるように,ほとんどはイメージに基づく判断(ブランド性)であり,実情とは必ずしも一致していない。だからこそ,大学としての確固としたブランド向上のための戦略が必要となる。学会等に行くと大学案内をもらうことが多いが,どの大学案内を見たって内容や構成に目新しさは全くない。もしかして同じ会社が作ったんじゃないだろうかと思う位だ。大学としてもう少し方針を明確にし,それらを大学案内をはじめとしたメディアで宣伝すべきだと思う。

教育内容・制度
「学びたい学部・学科がある」「教育方針・カリキュラムが魅力的である」「教育内容のレベルが高い」「社会で役立つ力が身につく」「教養が身に付く」

構成要員
「先輩・卒業生が魅力的である」「学生の面倒見が良い」

卒業後
「就職に有利である」「卒業後に社会で活躍できる」

立地・環境
「勉強するのに良い環境である」

学生生活
「学習設備や環境が整っている」「キャンパスがきれいである」「寮や奨学金などが充実している」

ブランド性
「校風や雰囲気が良い」「学校が発展していく可能性がある」「周囲の人からの評判が良い」