2015年1月27日火曜日

2014年度担当授業の振り返りおよび2015年度の方針

2014年度が終わろうとしています。

 気付いてみれば早いもので、2015年度は大学で教え始めて14年目になります。この間一体何をしていたんだろうかという忸怩たる思いはさておき、これを機に2015年度担当予定の科目(複数担当のものおよびゼミ、大学院の科目は除く)についてまとめておこうと思います(〆切間近のシラバスを書く下準備というのもあったりして)。

英語科教育法II
(月1、 3年次、履修者20名前後)

 2004年度より担当。英語科教育法I〜IIIの真ん中(3年次前期)に位置付けられていて、この単位を落としてしまうと教育実習に行けなくなるので、担当者としては責任を最も感じる科目かもしれません。今までは4技能の指導と評価について解説し、マイクロ・ティーチングを行わせるという形式でしたが、英語科教育法I/III担当者と相談の上、2014年度より「英文法指導について考える」ことを中心に据えるようになりました。それと同時に教材研究のトレーニングおよび受講者の英語力向上もねらって、「感動する英語!」をリーディング教材として採用しています。
 2015年度も同様の方針で行う予定です。リーディング教材は毎年変えたいと思っているんだけど、1,512円でCDも付いてくるというこの本のコスト・パフォーマンスに敵うものになかなか出会えていません。

Reading & Writing I/II
(月3、 1年次、履修者30名弱)

 2011年度より担当。英語英文学科教員は週に3コマ(卒業研究指導を含む)のゼミがあるため、残念ながらその他の科目はあまり多く担当できないのですが、その中で唯一担当している英語スキル科目です(英語教員としてやはりこういう科目は担当していたいという強い思いがあります)。2011年度以前にも、いろいろな教材を利用していろいろなスキル科目を担当してきましたが、この科目は珍しく4年間ずっとテキストを変えていません。
 授業はCALL教室で活動のほぼすべてをオンライン(Moodle)で行います。この授業を担当するまでは、グループ活動もいろいろと取り入れていたのですが、この授業ではそういう場面はほとんどありません(Moodleを介しての活動は除く)。その分、休む暇もない位英語を使った活動を行わせたいと思っています。実際にはなかなかうまくいきませんが…。
 2015年度もおそらく同様の方針で行います(テキスト選定はちょっと悩み中)。検討したい点としては、

・毎回行っている小テストを授業開始と同時に開始する
・授業で行っているテキストの答え合わせを効率化する(Moodleの活用)
・文法説明に利用するスライドを全面改訂する

の3点です。できれば全部実現したい。

英語研究III
(月4、2〜4年次、履修者は多くて60名程度)

 2008年度より担当。扱うトピックは担当者に任されているので、現在は「英語コミュニケーション論」として、コミュニケーションに関わるトピックを浅く広く扱うことを目標にしています。この授業は僕の中ではエンターテイメントだと思っていて、15回の中で1回でも「楽しい!」とか「おもしろい!」と思ってもらえるような授業をしたいと思っています。
 スライドや視聴覚教材を多用する現在のスタイルに落ち着いたのは2010年度です。2012年度(からだったかな?)は、Moodleを利用して授業で利用するスライドや資料を掲示するとともに、課外でディスカッションを行わせています。ただ、スライドがPowerPointのままというのがどうも気に要らない…。テンションが上がらない…。ということで2015年度はスライドを全面改訂したいのです(あくまでも希望です)。

初等英語教育論(火4、3年次、履修者30名前後)

 2013年度より担当。教育学専攻の学生を対象として開講されている科目です。2013年度は言語習得にかかわる話をして、「言語習得の視点を取り入れた授業案を作成できるようになること」を最終目標とした授業を行いました。が、どうやらあまりにも理論に偏った話をしすぎたようであまり評判が良くありませんでした。ということで2014年度より、フォニックスやら意味順など、英語教育・学習法を紹介した上で、最終的に英語で1分間スピーチをしてもらうという形式に変えました。「自らの学習者としての経験を振り返りながら、教える際のヒントを見つけてもらいたい」と考えています。
 何より小学校教員を目指す学生の中には英語に対する苦手意識を払拭できていない人が多いので、「英語の勉強って楽しかったんだ」と思ってもらいたいのです。だって教える側が英語が苦手だとかつまらないと思っていたら、児童がかわいそうですし。2015年度も同様の方針で行う予定です。

英語の諸相II
(月4、2〜4年次、履修者30名程度)

 2008年度より担当。後期に担当する唯一の講義科目です。広島大学の柳瀬先生のサイト(ここだったかな?)を見て、真似をしながら始めた科目です。トピックは「英語の意味論・語用論」で、テキストはYuleのPragmaticsを採用しています。テキストだけで内容を理解するのはほぼ不可能なので、理解補助プリントとして毎回ハンドアウトを用意しています。前期に担当する「英語研究III」とは異なり、敢えて視聴覚教材は使いません。テキストとプリントをOHCを使って写しながら、大事なところに線を引いたりコメントを書き込んでいく授業スタイルです(面白みのないこのスタイルを極めたいと思っているのです)。そして学期の最後には映画を見て、登場人物の台詞を語用論的な視点から分析する作業をしてもらいます。ちなみに今年は「ラブソングができるまで」を見ました。2015年度も同様の方針で行う予定です(見る映画は未定)。できればMoodle上で課外の活動を行わせたいとここ数年思っているのですが、まだ実現できていません。

アドバンスト英語(Aspects of Japanese Language and Society)
(火1、1〜4年次、履修者10名程度)

 2011年度より担当。同僚のイギリス人教員と英語で行う授業です。毎年留学生と日本人学生(TOEICスコアによる履修制限あり)が受講し、僕がスライドを利用した講義を前半45分で行い、後半に同僚が活動を行うというスタイルで行っています。2014年度はようやくスライドをPowerPointからKeynoteに全面改訂したので、テンションがあがりました!2015年度も同様の方針で行う予定ですが、もう少しわかりやすい洗練された英語を使って授業ができるように準備をしたいです。

 これ以外の授業もいくつか担当していますが、今回は省略します。ゼミで利用するテキストは2〜3年ごとに変えていますが、2014年度にWiddowsonのDiscourse Analysisに変更したので、2015年度もおそらくこのテキストを継続して利用します。ゼミは基本的にグループごとにテキストの担当箇所を決めて発表するというスタイルで行ってきましたが、ちょっと行き詰っている感じもあるので、2015年度は少し工夫したいと考えています(アイデアはあるもののまとまっていませんが)。