2010年12月13日月曜日

The Third Joint Conference on English Vocabulary and Lexicography Program

2010年12月13日,早稲田大学にて開催されたJACET辞書研究会・語彙研究会合同研究大会に参加した。語彙や辞書学に関しては門外漢なため,少々緊張気味の参加であったこと,そして自分の発表準備がありあまりゆっくり発表を聞く事ができなかったが,以下覚書き。

語彙テスト分析セミナー Basic introduction to Rash analysis(John Shillaw 南山大学)

 南山大学のShillaw先生によるラッシュ分析の紹介。ラッシュ分析が項目応答理論(Item Response Theory)の1つであることや,その他の伝統的なテスト手法との違いなどについて紹介をされた。またWINSTEPとよばれるソフトを用いて分析ができるらしい。まだ内容に関しては消化しきれていないのだので,とりあえずメモのみ。

関山健治(沖縄大学) “成人式”を迎える振るコンテンツ電子辞書ーメーカーの視点・教員の視点・学習者の視点ー

 ここ20年間の電子辞書の変遷を振り返り,電子辞書が印刷辞書や利用者の変化に追いついていないということを指摘された。そこで印刷辞書からの呪縛の解放や,「索育」(辞書検索指導)の重要性についても指摘されていた。

小山敏子(大阪大谷大学)・薮越智子(日本大学) 電子辞書使用の方略指導への一考察

 「電子辞書使用の方略指導への一考察ーメタ認知活動を取り入れてー」(LET関西支部研究集録13号掲載予定)のものについてのまとめ。

Jim Ronald & Shinya Ozawa Electronic Dictionary Use and Metacognitive Development

 今回の研究会参加の目的はこの発表。学習者の電子辞書使用方略の発達を目指して,辞書検索に関するトレーニングを行った結果について報告した。題材は英字新聞の見出しを用いた。残念ながらpre,postテストとして用意したもののバランスが上手に取れていなかったため,発表の内容としては新聞の見出しを翻訳する際に学習者が困難だと感じているものは何かということについて探ることにした。その結果,学習者は自分自身である程度,見出しの難しさを適切に判断できているのだが,中には学習者の判断と実際の翻訳の間に整合性がない場合がいくつかあった。特に表面的には簡単そうに見える見出し,例えば”Farmer Bill Dies in a House.”のような見出しは,一見すると簡単そうだが実際に訳すのは非常に難しい。このような場合に学習者は「この見出しはとても簡単」という評価をするのだが,実際には適切に翻訳できていなかった。今後は,このような見出しの特徴について分析をしてく予定である。

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JACETのこのような研究会に参加したのははじめてだったのだけれど,参加者数も少なく通常の学会とはまた違ったアットホームな雰囲気であった。個人で研究を進めるだけではなく,このような共通の興味関心を抱く人たちが一堂に会して研究の成果を報告するというのはとても良いことだと思う。

ちなみに,一緒に発表をした同僚が懇親会に参加するというので,参加した。場所はキャンパスから近い早稲田蔵というお店。学生街らしく3000円で料理と飲み放題が楽しめた。店員さんたちはとてもユニーク(笑)。こういう学会や研究会などの懇親会は今まで避けて通ってきたのだけど,たまには自分の社交性をトレーニングするのも良いのかも。

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