2013年11月6日水曜日

SNSのススメ

 最近落ち着いてきた感はあるが、一時期SNS(特にTwitter)でのつぶやきを契機に、「炎上」が相次いだ。若者を守るためにSNSを止めろというのは簡単だが、特定のサービスの利用を禁止した所で類似したものはすぐに出てくるだろう。
 僕がインターネットの世界にはじめて出会ったのは23歳の時で、当時はまだ正体もわからず不気味な世界だった。でも小さな頃からインターネットが当然のように存在する世代にとっては、インターネットでの生活はそんなに怖くないし、身体の一部なんだろう。身体の一部を切り離すなんて無理な話だ。
 そこで、大学教員という立場から、SNSにかかわる以下の誤解を解くことで、SNSを禁止するのではなく、上手に使いこなすための方法を考えてみたい。

誤解その1:匿名でやっていればバレない
 確かに自分は匿名かもしれない。ただオンラインでのつぶやきやアップロードした写真、他人との絡みによってかなりの確率で本人を特定できる。それにTwitterは匿名でやっていたとしてもFacebookは本名でやっている人がほとんどだから、TwitterとFacebookのアカウントを結びつけられたらあっという間にバレる。

誤解その2:騒ぎになったら消せばいい
 ふとした拍子に不適切なつぶやきをしてしまったり写真をアップロードしてしまったとする。その後自分で気付いて削除、あるいは他人に指摘されて削除するとしよう。でもオンラインでやり取りをしているということは不特定多数の人が見ている可能性があるということ。一瞬であったとしてもどこかの誰かがその写真やつぶやきを保存している可能性がある。多くの場合はそんなに大きな問題にはならないが、一度注目されてしまうとその不適切なものは際限なく「拡散」していく。そして一旦「拡散」してしまえば、それをすべて削除するのは不可能だ。

誤解その3:誰も見ていないだろう
 通常であれば誰もあなたのことを気にするほど暇ではない。でも一度注目されてその情報が「拡散」し始めると止めようがない。つまらない比喩で言えば、自分がちょっとした芸能人だと思えばいい。最初はYouTubeで歌ったりしているだけかもしれないが、そのうちご当地アイドルになるかもしれない、そしてひょっとすると全国区の芸能人に!今は知名度が低いかもしれないけれど、人気が出るタイミングなんて誰にもわからない。一度人気が出てしまえば過去の発言や行動も掘り出されてしまう。芸能レポータの取材力を侮ってはいけない(我ながら意味のわかりにくい喩え)。

誤解その4:LINEだったら安全だろう
 確かにLINEはクローズドなやり取りなので、普通に考えれば安全にみえる。でもそこでのやり取りや写真をTwitterで「拡散」する友だちだっている。何より相手にスクリーンショットを撮られてしまえば、LINEであろうが全く関係なく「拡散」する(個人的なやり取りを許可なく晒すのは良くないと思うけど)。


 SNSの基本設定では、情報が自然に拡散するようになっている。SNSの使い方がわからないのであれば、鍵をかけたり公開の範囲を友人のみにするなど、まずはプライバシーの設定を見直すべきだと思う。ただオンラインでやり取りしている以上、情報が流出する可能性は常に意識しておく必要がある。正直な話、僕だってどこからがアウトなのかわからない。ただし、法律に触れる話や自分そして友だちのプライバシーにかかわる写真やつぶやきには十分注意をするべきだ。

 このようなことさえ気を付けておけば、SNSはいろんな人と出会える素晴らしいツールだと思う(とは言え、SNSを効果的に使っている人は少ないと思うので、この話はまた別の機会に)。フォロワーやフレンドじゃない人だってあなたのメッセージを読んでいるのだ。怖い気もするがそこが面白い。

2013年11月5日火曜日

メソドロジー研究部会ってどんな所?

 2013年10月26−27日に秋田で開催されたメソドロジー研究部会(通称:メソ研)に参加してきました。メソ研では、外国語教育研究手法を軸に様々なテーマで様々な分野の人が発表します。外国語教育メディア学会(LET)関西支部の部会でありながら、会員資格は関係なく全国各地で開催されるのも面白い所ですね。当日の模様は、

メソ研 in 秋田 Togetter
Ustream 

をご覧下さい。
 若手研究者を中心に大学院生も含め、様々な年代の研究者が発表し活発な議論を行います。会場の雰囲気はとても温かく、ふざけているような感じがするのですが、そこで行われる議論は恐いくらいに冷静なのも面白い所。私はメソ研で発表するというよりも勉強をさせてもらうつもりで、できるだけ参加するようにしています。
 発表者が口を揃えていうのは、「メソ研で発表するのは恐い」ということです。これはメンバーが恐いという訳ではなくて、研究手法に関する豊富な知識を持ったメンバーが会場にいるからであり、そのメンバーがこれまた穏やかな口調で質問をしてくるからでしょうね。下手な学会発表より緊張すること請け合いです。
 最近、英語教育研究においては「研究手法(所作)を整える」ことに関心が集まっていますが、まずはメソ研に参加する所からはじめてみても良いかもしれません。

悪い研究者はいねぇか?


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