2009年12月28日月曜日

イタチごっこ

1)二人互いに相手の手の甲をつねって自分の手をその上に載せ,「いたちごっこ,ねずみごっこ」と唱え,交互にくりかえす子供の遊戯。
2)転じて,双方が同じ事をくりかえすばかりで無益なこと。
(「広辞苑」より)

元の意味が1)だなんて。。。衝撃!それはともかく広島地元の中国新聞に記事が出ていたある件をネットで検索。

コピペ判定支援ソフトコピペルナー

もっとすごいもので複数言語対応(もちろん日本語も対応)の

Turnitin

なんてものもある。つまり学生がネットから「コピーアンドペースト(通称コピペ)」してレポートや論文を書くのに教員あるいは大学として対抗しましょうということ。でも敵(?)もさるもの。

AssignmentEXPERT

コピペなど全くないオリジナルなレポートを販売するサービス。こんなの利用すればお金で単位が買える時代ですね。まさにイタチごっこ。


 海外なんかではPlagerism(剽窃)を行うと即退学なんて厳しい大学もあるのだけど,日本ではまだそこまで厳しくはない。でも,単純にコピペをして楽をするということは,それだけリスクが高いものだということも認識する必要があると思う。何よりも社会に出るための準備段階の大学で「人をだまして単位を取る」という楽なことをした人は,それがバレなくても後々の人生で絶対に損をするはず。こんな日記を書いたのは別に理由がある訳ではなくて,よく教員間で「いやー,あの学生のレポートがコピペでねー」なんて会話をすることが増えてきてるので,何となく気になって調べてみたというだけですが。

2009年12月21日月曜日

最近の日常

 授業は今週の木曜日が最終日。水曜日は休みなので実質今日を入れて残り3日間。大学に出てくる最終日は12月28日の予定。卒業研究もラストスパート、ゼミ生の皆さん頑張りましょう!!!僕自身も、いろいろなプロジェクトや自分の研究が動き出しているので、年内にある程度目処を付けたいのだけど。。。うーん。
 土曜日はAO入試や推薦入試などで既に合格している入学予定者対象の第1回キャンパス学習を行いました。前夜からの冷え込みで冷や冷やしたけど、何とか無事に終了。夜はキャンパス学習を主催した学習支援センタースタッフで忘年会。1年間お疲れさまでした。日曜日は前日のお酒と戦いつつテレビを見ていると、某大手塾のCM、そしてその直後に流れた某ローカルテレビ局のCMに立て続けに過去のゼミ生が出演しているのを目撃した。地元に根付いて活躍している卒業生たちの姿を見ることができるのは、うちのような地方の大学に勤めているお陰でしょうね。元気をもらいました、ありがとう。

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ランディ・パウシュ+ジェフリー・ザスロー著
『最後の授業 ぼくの命があるうちに』(DVD付き)
ランダムハウス講談社 2,310円

癌を宣告された大学教員ランディ・パウシュが大学で行った最後の授業は、Youtubeなどで世界中の人々の感動を呼んだ。この本はその講義のこと、そしてその背景などが書いてあります。インターネット上でも映像を見ることが出来ますが、どうせならDVD付きがお得だと思います。本を買いたくない人はhttp://thelastlecture.comのホームページから様々な情報を入手できるし、講義も視聴できます。同じ大学教員として身の引き締まる思いをしました。そして家族を持つ身として涙も流しました。FDとか大げさなことをやるよりも、このような話に共感できるかどうかが大事じゃないかなぁ。

ちなみにGoogleビデオなんてのもあるんだね。知らなかった。

*とりあえず今年の予定は全部終了(何のことかはご想像にお任せします)。

2009年12月17日木曜日

初雪!

 ?だよね、多分。寒いけど、清々しい。あと1週間で大学も冬季休暇に突入。よい年を迎えられるように身辺整理をしましょう。

*2つ消化、1つキャンセル。残り2つ。

2009年12月8日火曜日

第1回初年次教育セミナー

 2009年12月4日(金曜日)、広島修道大学にて学習支援センター主催の第1回初年次セミナーが開催されました。講師は帝塚山大学の岩井洋先生。以下、覚え書き(『』内は個人的な感想)。
 話は「初年次教育とは何か」、「リメディアル教育の失敗に学ぶ」、「アクティブ・ラーニングの手法」、「アクティブ・ラーニングのデザイン」、「シームレスなプログラム策定にむけて」という5つの柱から構成されていた。

初年次教育とは何か
 大学への円滑な移行と大学生活への適応を促進する教育プログラムの総体であり、個別のプログラムというよりも哲学としかけが必要だと強調された。初年次教育の必要性については大学のユニバーサル化(高等教育進学率が50%をこえたときにおこる質的変化)など言うまでもないが、現在では文部科学省の調査(2008)によれば全国の71%の大学が行っている取り組みである。その内容としてはスキル型とモチベーション型の2つに分かれる。具体的な実戦例としては入学前教育の実施(人間関係づくりに重点)、フレッシュマン・ウィークの実施(入学式から1週間)、スキル・モチベーション型の複合型プログラム、アクティブ・ラーニングの導入、eポートフォリオの導入(関西国際大学で開発されたものが市販予定)、などが挙げられる。『フレッシュマン・ウィークという概念は非常に面白いし、本学でもやるべきだと感じた』

リメディアル教育とは
 いわゆる補習教育(Developmental Education)。文部科学省の見解では正課外の授業であり、初年次教育とイコールではない。これが失敗した原因は野放しにeラーニングを導入しメンタリングをしなかったこと、そして高校の英語、国語のやりなおしというスキームから脱却できなかったこと、だと指摘された。『リメディアル系の学会に行くとeラーニング教材が多数展示されていたりするのだが、確かに人的なサポートについてはあまり触れられていない気もする』

アクティブ・ラーニングの導入
 優れた授業実践のためには以下の7つが必要。

1.学生と教員とのコンタクトを促す
2.学生間の互恵と協力を促す
3.能動的な学習を促す
4.すみやかにフィードバックする
5.時間の大切さを強調する
6.学生に対する高い期待を伝える
7.多様な才能と学習方法を尊重する
(Chickering, A.W. & Gamson, Z.F. 1987. Seven Principals for Good Practice in Undergraduate Education, AAHE Bulletin.)

 実践例としてキーワード・ビンゴ、新聞記事を使ったジグゾー学習(ひとつのテーマにかかわる課題を複数に分割し、各自が1課題を担当)、図解ワーク、思考のモードチェンジ(難解な語を言い替えさせる)、検索の達人(Wikipediaのみでは検索できないようなものを与える)などを提示された。『岩井先生が実際に授業で用いられている手法のようで、すぐにでも授業に応用可能な手法の宝庫だった。先生も言われていたが、初・中等教育で用いられているテクニックを応用するのも非常に有効である』

アクティブ・ラーニングのデザイン
 
デザインする時には全体と部分の関係を意識しなければならない。つまり科目の到達目標の設定から身に付けさせたい知識・技能の設定を行った上でワークをデザインしないといけない。単純なことではあるが、グループワークをいきなりやるとさぼる学生がいるので、個人ワークをやった上でグループワークを導入するという流れも重要である。具体的なデザイン法としては抽出、変換、連結、再構成、分解、などが考えられる。手法と素材は同一でもどちらかを変えれば全く新しい活動になるのである。『仕込みが8割という言葉には共感した。またワークシートには枠をつけた方が良い、など単純な提案も興味深かった』

シームレスなプログラム策定にむけて
 最後に時間が不足してしまったのだが、初年次から始まり2年次にある落ち込みの時期と3年次に入ってから就職活動がスタートする時期の間をどのようにブリッジするかが重要だということを指摘されてセミナーは終了した。

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 今まで複数の講演を聞いてきたけれど、今回のセミナーは3本の指に入る面白さであった。今までアクティブ・ラーニングと言うと、海外から輸入された手法をそのまま紹介しているような感じがして何か馴染めなかったのだが、今回は岩井先生ご自身が使われている手法をたくさん紹介して下さったので、非常に現実味あふれるお話だったと思う。アクティブ・ラーニング=授業の素材をどのように調理するか、ということなのかもしれない。このような新しい概念が入ってくると毛嫌いする大学教員の方が多いのだが(私も含む)、学生の満足度を向上させるために少しぐらいの努力は必要である。とは言いつつ個人的な理想は「90分間、板書もせずPowerPointなどの道具も使わず、喋りっぱなしの授業なのに、学生は誰も寝ない」である。でもこれができない内は小細工と言われようとアクティブ・ラーニングの導入などの努力は教員の義務だろう。セミナーの合間に「道具へのこだわりが重要」とおっしゃられていたが、裏写りしないペン、大型のポストイット、そして何よりセミナーで使われたPowerPointのスライドを見れば、いかに先生ご自身がこだわりを持っているかが理解できた。

 セミナーではないのだけれど、セミナー終了後、学習支援センタースタッフで先生を囲んで行った懇親会での話はこれまた刺激的で飲み過ぎてしまったことを追記しておこう。学会でもそうだが、真剣な話は実は夜に行われていたりする。

3月にバンクーバー行き


なので、検索してみたら。。。


意外と近いんだね。

2009年12月7日月曜日

最近の日常

最近のつぶやき

*図書館に導入されたSFX(リンクをクリックするとPDFが開きます)は便利!図書館のホームページの「データベース検索」から。google scholarとも連携しています。昔は文献複写を頼むときはタイプライター使ってたのにねぇ。詳細については時間がある時にまとめたい(ほんまかいな)。

*google日本語入力(まだベータなので使用は自己責任で)いよいよ登場!!まだ使ってないけど便利そう、無料だし。特にMacユーザーは「ことえり」と言う使い勝手の悪い日本語入力(でも愛着がわく)からスイッチしても良いかもね。ちなみに僕は今「かわせみ」と呼ばれるものを試用中。こちらも購入するにしても1,995円とお買い得です。

*本学で初年次セミナーが開催される。懇親会も内輪で開催。セミナーの内容については後日「研究」のブログにまとめる予定。セミナー自体も面白かったのだけど、懇親会は非常に勉強になりました。お酒を飲みながらまじめな話をすると言うのは面白くなさそうで非常に面白い。

*飲みに行って歩いて帰れるって最高!!!

*SHARPから発売されたNetwalker。実勢価格は3万円ぐらい?Microsoftの呪縛から離れるといろんなことができます。

*とりあえず2つ消化。年内に残り3つ?ガンバリマショウ。

2009年12月2日水曜日

iPhone買ったよ!

 と大声で叫んでみたいけど買ってない。自分の中では携帯電話のプライオリティーが異常に低く、いちいち携帯電話会社を変えたり面倒臭いことをしてまでiPhoneを買う意欲がないのです。と言うと「iPhoneは携帯じゃないよ!」とiPhoneユーザーたちは言うけどね。携帯電話のアドレス@マークの後に“i(小文字のアイ)”が付いている人はiPhoneユーザー。それを見る度、何だか切ない気持ち。この気持ちって、あの忘れかけていた気持ち!?(最近、駄洒落がマイブームだけど、自粛しておく)

 話は変わり、研究室のマウスがご臨終されました。ということで仕事にかかわることなので早速注文。注文したのは以前から気になっていたmagic mouse(http://www.apple.com/jp/magicmouse/)。指でさっとマウスの表面をなぞるとスクロールするところなんかはまさにiPhone(実物知らないけど)!!!しばらくこれで我慢。

12/8追記:MagicPrefをインストールするとmagic mouseの操作性が向上します。。。が、*potentially hard to useと書いてある操作を追加すると、笑える程操作性が悪化します。あしからず。

2009年12月1日火曜日

最近の日常

その1)学習支援センターで「ドキュメンタリーアワー」開催中。
次回の詳細はこちら。教職員,学生の垣根を問わず良質なドキュメンタリーを見て意見交換しましょうという発想から始まったこの企画。第2回目に参加しましたが,面白いですよ。このブログを観た人は次回お会いしましょう(学習支援センター関係者だから言うのではなく,特に若い人たちはこういった企画に参加するべきだと思う)。

その2)今年最後の出張
になるのかな。週末に行ってきました。あとは年が明けて1~2回勉強がてら何かの学会に行ければ良いかなぁ。でも春休みは既に予定がぎゅうぎゅう。今回の出張では陸上の朝原宣治さんを見かけた。テレビで見るよりは小柄な印象(とは言え180センチ近くある)だったけど,スーツをびしっと着て格好良かった。新大阪駅でたこ焼き買ってたよ。

その3)師走突入!
え!マジで!今年は既に忘年会の予定が複数入っていて嬉しいのだけど,し,し,しごとが。。。

学会創立30周年記念 大学教育学会

 大学教育学会2009年度課題研究集会が11月28日(土曜日)、29日(日曜日)の日程で行われた。統一テーマとして設定されていたのは「学士課程における教養教育再考」。1日目の会場は御堂会館、2日目の会場は大阪市立大学杉本キャンパス学術情報総合センターであった。以下、覚え書き。

一日目
鷲田清一(大阪大学総長)
「教育への問いかけ」
 
 教育における倒錯を幾つか具体的に述べ、大学教育として身につけるべき能力は「分からないものに分からないまま対応する」タフな知性が必要と結論付けた。具体的には、大阪大学では大学院においても教養教育を始めたということである。具体例を多く交え、聴衆を意識した話し方でとても興味深かった。

シンポジウム
「学士課程における教養教育のあり方」
後藤邦夫(学術研究ネット)
「教養教育」の再定義とカリキュラムの設計、運営、評価
藤田英典(国際基督教大学) 「
グローカル化」時代の学士課程教育と教養教育
奥野武俊(大阪府立大学)
「学修成果」目標の策定とそれに基づく教養教育のあり方」

盛りだくさん過ぎて消化に時間がかかりそうなのだけれど、カリキュラムの構造として挙げられた2つ、  「統合型」:ヨーロッパの古典的大学。プログラム完結時の統合的評価。  「モデュール型」:アメリカ、日本の4年生大学。コースごとの達成を積み上げる。

 日本は両者が混在しているという問題の指摘が面白かった。その他、興味を持ったことは以下のとおり。

フンボルトの理念 教師は研究者、講義は知識の伝達だけではなく真理を探求する姿を見せる、知的な興味を持たせる、学生は一人の真理の探究者、自ら学習する。

島田博司「大学授業の生態誌」近年の学生についての本

二日目
シンポジウム
「学士課程教育」はどうあるべきなのか?

杉谷祐美子(青山学院大学)
「学士課程教育」というコンセプトはどのようにして生まれてきたのか~歴史から現状へ~
山田礼子(同志社大学)
「学士課程教育の現状と課題」
濱名篤(関西国際大学)
「学士課程教育」のこれからの行方~課題から解決(策)へ~

 1980年代半ば、米国における大学教育改革論の盛り上がりからundergraduate教育が導入され、現在の「学士課程教育」と言う言葉が生み出された。その歴史的背景から現在の課題およびその解決法までを概観したシンポジウム。知らないことが多かったので非常に興味深かった。また指定討論者として登壇された羽田貴史氏(東北大学)のコメントは刺激的かつユーモアに富んでいて面白かった。アメリカで採用されているようなCLA (Collegiate Learning Assessment)を用い、大学卒業時の能力を共通で測定すべきか、学外有識者を参画させ、評価をより客観的なものにするべきか、などの視点が取り上げられた。決してそうではないのだろうけれど、「アメリカの大学教育がベストだ」という前提があるような気がしてしまう。近年大学現場においてはいろいろな意味で締め付けが厳しくなってきているけれど、それが悪い意味ではなく良い意味であれば問題ないのだろうけれど。。。

シンポジウム
「大学人」能力開発―学生を視野に入れて考えるー

佐々木一也(立教大学)
これまでのまとめと展望
本郷優紀子(桜美林大学)
学生を視野に入れた職員企画の教職協働
秦敬治(愛媛大学)
学生目線からのFDとSD

教員研修(FD)と職員研修(SD)から「大学人」としてのスタッフ・ディベロップメントへという発想の転換。および学生を視野に入れることの重要性を指摘したシンポジウム。

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最近「学士課程教育」という言葉をよく聞くが、その背景などを聞くといろいろな思想が含まれているものだということが良く分かった。大学教育に携わっているという意味では関係者ではあるものの、こういった話は門外漢なので、難解な話だと思ったと同時に勉強になることも多かった。この学会での話が国の大学教育における政策決定にも影響力を及ぼすことが多いということであったが、だからこそこういった問題に様々な分野から様々な人が参加し慎重に議論をしていくべきだろう。毎回のように同じ人が話をするといったことになってしまうと、話の流れが議論の前に決定されてしまい、それが学会の総意として国の政策に反映されてしまうのではないかという危機感も感じた2日間だった。

2009年11月24日火曜日

最近の日常

 最近気付いたこと:「営業」の型にはまりきった営業の人はどうも好きになれない。ごり押しで営業する人よりも、人柄がにじみでるような営業の人に魅かれる。まあ実はそれもその人の営業テクニックだったりする訳ですが。。。っていうか年末は保険勧誘のシーズン??いろんな営業(外交員って言った方が良いのか)の人に会って何だか既にたくさん保険に加入した気分になった。ご馳走さまでした。
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 それはともかく、ここ1ヶ月ほど来客続きで何かと楽しくも忙しい週末が続いた。その間行った場所や思ったことをメモ。

あ)小豆島は案外でかい。紅葉はキレイだし猿もいる。
  「島=夏に遊びに行く」という勝手なイメージを持ってたけど。。。
い)お互いの家庭環境が変わっていっても、
  ずっと気の置けない友達でいたい。
う)秋のバーベキュー。。。。。。寒い。
え)今後増えるであろう土曜日振替え授業。学生来ませんよ。
  ある意味想定内。
お)東広島の奥にあるCafe SPROUTS。ドライブがてらに行って
  幸せな気分になれます。カーナビ必須。

 今週末は学会出張。12月に入ると忘年会シーズン、仕事納め、年賀状作成などなど。何だかまたもや訳のわからないまま年が明けそうな予感。最近お気に入りの言葉“down-to-earth”で頑張りたい。

2009年11月18日水曜日

言語習得は生まれる前に始まる

 Current Biologyに投稿された研究結果によると赤ちゃんは子宮にいる時から言語を認識し,生まれた時から母語に近い泣き方(crying melody)をすることができるらしい。研究成果の概要は以下の通り。
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ドイツ語を話す家庭に生まれた赤ちゃん30人,フランス語を話す家庭に生まれた赤ちゃん30人を調査した所,それぞれ母語に近い泣き方をすることが明らかになった。フランス語の家庭に生まれた赤ちゃんは低いピッチから始まり高いピッチで終わる上昇調の泣き方,ドイツ語の家庭に生まれた赤ちゃんは下降調の泣き方をする。
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この研究結果には賛否両論あるようだけれど,面白い。ということは妊娠期間中に英語圏にいた赤ちゃんは生まれた時には英語訛りの泣き方をするの??科学的根拠の検証はさておき,子は子宮の中で既に親の声を認識して親との絆を作り上げているというのは何とも良い話だねぇ。


以下,原文。
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Times Onlineより(2009.11.6)
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/science/biology_evolution/article6905544.ece


Newborn babies mimic the intonation of their native tongue when they cry, indicating that they begin to pick up the first elements of language in the womb, a study suggests.
Scientists were already aware that babies are able to recognise certain sounds from birth, such as their parents’ voices, but they believed that infants were only able to imitate them from the age of about 12 weeks.
Now research carried out in Germany suggests that babies develop a capacity for language much earlier than was previously thought. “Our study shows the importance of crying for seeding language development,” said Professor Kathleen Wermke, who led the research at the University of Würzburg.
The study, which is
published today in the journal Current Biology , recorded and analysed the cries of 60 healthy babies: 30 born into French-speaking families and 30 from German-speaking families. The recordings were made in maternity wards when the babies were 3 to 5 days old. Analysis revealed clear differences in the shape of the babies’ “cry melodies”, which appeared to accord with their mother tongue.
French newborns tended to cry with a rising melody contour, starting at a low pitch and ending on a high note, whereas German babies preferred a falling melody.
While the average volume of crying was the same, the French babies started more quietly and built up to a crescendo, while the German babies did the opposite. These patterns are consistent with characteristic differences between the two languages, according the researchers.
“When you say the word ‘Papa’ in German, for instance, you stress the first syllable, whereas in French it is the other way round,” explained Professor Angela Friederici, of the Max Planck Institute for Human Cognitive and Brain Sciences, Leipzig. The same pattern is typical for longer phrases, she said.
Volker Dellwo, a hearing and phonetics scientist at University College London, said melody contour was one of the most basic characteristics of language and one that he could imagine babies mimicking.
However, other academics were unconvinced by the findings. “Biologists and medical people are always talking rubbish about language because they don’t understand it,” said Professor John Wells, a linguistics specialist at University College London. “Both German and French use rises and falls, as does English. It’s easy to compare syntax and word order but this just sounds too vague.”
Earlier studies of vocal imitation had shown that infants were able to match vowel sounds spoken to them by adults, but only from 12 weeks onwards. That skill depends on more sophisticated vocal control that is not physically possible much earlier.
“Imitation of melody contour is something that they can do immediately after birth,” said Professor Wermke. She said that from an evolutionary perspective, newborn babies were probably highly motivated to imitate their mother’s behaviour in order to foster bonding.
Speech is also one of the few human stimuli that penetrates the womb, where the foetus is otherwise insulated from light, smell and touch. “In the womb, you hear voices as though someone were speaking next door, so rhythm and melody contour are the two things you’d be able to perceive,” added Dr Dellwo.
Professor Wermke said that the research supported the idea that unborn babies could be soothed by music or a parent’s voice. “We’ve shown that the brain is mature to process basic aspects of language and music, and speech probably is stimulating for the foetus. I wouldn’t go as far as to say that it would be harmful if you were too busy to play them Mozart CDs, though,” she said.

2009年11月9日月曜日

あるといいな

 本学には様々な留学制度があるのだけれど,その中に国内留学というものがある。これはその名の通り学生が国内(具体的には北星学園大学(北海道)と沖縄大学)に留学できるというもの。。。

★あるといいな
 学生だけではなく教員も交流する制度。それぞれの大学で毎年教員交流人事希望者を募集し,認められれば北海道あるいは沖縄で1~2年限定で授業を担当する。もちろん本学にもそれぞれの大学から教員がやってくる。私立大学でも是非このような柔軟な制度があればいいと思うんだけどなぁ。。。決して沖縄に今まで行ったこと無いから行ってみたい,とか北海道の冬を体験したことが無いから体験してみたい,とかそんな邪な気持ちではない。。。はず。。。。。。自信は無い。。。I love Hiroshima.

2009年10月26日月曜日

広島イベント情報


 ここ数年10月の第4週(?)に行なわれる広島フードフェスティバル。毎年行っている恒例のイベント。今年も10月24,25日に行なわれました。各地の物産,広島ならではの牡蠣料理など,食べ歩くだけでも楽しい。個人的なお勧めは会場マップの1番あたり。ここは比較的場所が広く,しかも広島の一流ホテルが屋台を出しているので,普段食べることが出来ないような高級料理の縮小版を1000円以下で食べることが出来ます。

行くときの心得
1)お堀の外側を歩くときは道幅が狭く,しかも土埃が舞うので,汚れても良い格好で行くこと。
2)多くの人が来場する(今年は2日間で82万人!!!)ので人に酔う人は注意。特に道路も渋滞し,公共交通機関も混雑するので覚悟しておくこと。
3)安いと思って食べまくると案外高い。

 似たようなもので2009年の1月に宮島競艇場でもフードフェスティバルが開催されました。2010年は開催されるかどうかわからないけど,こちらもお勧めです。
 

2009年10月15日木曜日

Wish Listその2〜気になるけど買わないもの編〜

 Wish Listその2。今回は気になってるけど買わないもの編。「欲しい!でも買っても使わないだろうなぁ」とずっと自分に言い聞かせているものたち。

ポメラ
King Jim社から発売されているもの。最近テレビでこんなCMが流れるようになった。実はちょっと前からチェックしていたけど,ここまできたね。税込み価格27,300円で,amazonなんかでは16,000円前後で買えます。学会出張に行ってメモを取る時なんかは良いよねと思うんだけど。。。

こうだったら買うかなぁポイント
1)自分が売れっ子作家だったら
2)10,000円位だったら

Flexible Keyboard
検索してみると,いろんな会社から出てるみたい。意味が無いけど欲しい。

こうなったら買うかなぁポイント
1)自分が潔癖性だったら(出先のコンピュータにマイキーボードを接続して使う)
2)自分がキーボードフェチだったら

番外編:思わず買ってしまったもの
これ。予約までして買うものじゃない気がするけど。。。なぜか衝動買い。何に使おう。。。授業でのつかみ?(笑)

2009年10月14日水曜日

Microsoftの陰謀

 今までメールを受け取った際,添付ファイルにwinmail.datというものが付いていることが多々あった。でも,先方は添付メールを付けたなんてメールの本文に書いていないし,知らないものは開けない(というかこのファイルは開けられない)のが基本なので無視していた。先日,「資料を添付しました」というメールが届く。添付ファイルにはwinmail.dat。添付ファイルが届いていない旨を会議で話題にすると,Aさん(Mac使い)「私のには付いていましたよ」,Bさん(Windows使い)「私も付いていませんでした」とのこと。???ということで調べてみた。すると何とこのwinmail.datが問題だということが判明。

Microsoftの説明
Appleの説明

 どうやらメールの送り主がMicrosoft Outlookを使用して「リッチテキスト形式」でメールを送付した際,添付ファイルがwinmail.datに飲み込まれてしまうという現象があるらしい。一番の原則は昔から言われているようにメールの送り主は「テキスト形式」でメールを送ること!!しかしMicrosoftよ,問題を認識しているなら解決しなさい。対処法は以下の3つ。

対処法その1)メールを転送する
GmailあるいはYahooメールに転送する。しかし何故かHotmailでは開けないらしい。。。そうすると添付ファイルのタイトルは文字化けするけど,開けます。

対処法その2)フリーソフトをインストールする
以下のソフトは無料なのでインストールしておくと開けます(「wimnail.dat」,「開く」などのキーワードで検索すると幾つかのソフトが出てきます)。

TNEF’s enough
(Mac用,Snow Leopardにしている人は指示に従ってRosettaのインストールが必要)
Winmail Opener(Windows用)

対処法その3)アドオンを入れシームレスに開く
メーラーにソフトウェアをインストールし,winmail.datをきちんと認識できるようにする。

LookOut(Thunderbird用)
(このAdd-Onsをインストールしておけば完璧ではないものの,読めるようになります)
Letter Opener(Mac Mail用)
(残念ながら有料)

 対処法その1が一番簡単。いちいち添付ファイルがあるかどうかを確認せずにすむためには対処法その3が良いと思われます。しかし,面倒くさい。まさにMicrosoftの陰謀。あっMicrosoft好みで言えば,メーラーはOutlookを使うと大丈夫(どうやらOutlook同士でも読めない場合があるらしい。どういうこっちゃ?12:33追記)。
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ちなみに僕はメーラーはMac付属のMailではなくThunderbirdを使っています。Mailは自動的に本文を折り返してしまって,メールを受け取る側が読みにくいことがあるらしいので(StopFoldというソフトをインストールすると解決するらしい)。でもやっぱり今の所Thunderbirdが好き(Mozilla参照)。オープンソースと言うことで無料だし,自分好みにカスタマイズできるのが良い。しかもMac,Windowsなどのプラットフォームにかかわらずアップデートの頻度も高いので安心。ブラウザのFirefoxはSafariと比較するとちょっともたつくし読めないサイトもたまにあるので,Safariと併用しましょう。

2009年10月10日土曜日

Wish List

 最近欲しいものリスト。あまり物欲は無い方だと思うけど,欲しいと思うと衝動的に買ってしまう傾向にあり。購入したものには「済」を付けていく予定。

1)エコバッグ(済:10月12日,500円で購入)
  広島では10月1日からレジ袋が有料化された。それに伴い仕事鞄に入れておくことのできるエコバッグが欲しい。1袋3円だとか5円なのだけど,何だか惜しい気がするので。レジ袋有料化に伴い,スーパーでは幾つかの変化が見られる。

その1:レジの前にエコバッグ→商売上手
その2:「レジ袋3円いります」カード→「レジ袋いります」って言えばいいじゃん。
その3:店員の台詞「大小どちらも3円なので,大きいのにしときましょうか?」→それは非エコじゃ。

何だかエコなんだかエゴなんだか。。。

2)折り畳み傘(済:10月14日, ネットで購入)
  とある雨の日,格好付けて(決して格好良くないが)腕を上から下に振って折り畳み傘をのばそうとした途端,先端が飛んだ。打ち上げロケットならぬ打ち上げ傘。雨が降るかどうか判断に迷う日はできることなら傘を持ち歩きたくない。万が一雨が降ったら鞄の中から余裕綽々で折り畳み傘を,というのが出来る男(勝手な妄想)。

3)スーツ
  とあるお店で一目惚れ。服には無頓着な方なのだけど,1年に1度無性にスーツ購買欲が高まる。でも今年はスーツを購入しないでおこうと思っているので我慢,ガマン。

4)Kindle
  amazonで発売され,ちょっと前から気になっていた携帯型電子書籍端末。アメリカのamazonから購入しなければいけないこと,書籍のダウンロードの仕方がいまいち理解できないこと(こういうのに詳しい人はすぐわかるのかも)などから,今の所誰かが購入して体験談を書いてくれるのを待つが吉。これは電子辞書にも言えることだけど,こういった端末はどのようにして視認性を高めるか,そして紙の書籍にはできない検索をどれだけ使い勝手の良いものに出来るかが重要ですね。英語の書籍は充実しているので,英語を生業とする人は試しに買っても良いのかも。
 そう言えばamazonと言えば今は誰もが知る企業だけど,僕が使い始めた頃(10年ちょっと前)はamazonはアメリカにしかなくて,しかも日本ではネットでショッピングなんてしない時代だった。ネットに詳しい人に「amazonという洋書が安いネットの本屋があるんですけど,あやしくないですかねぇ。」なんて聞いて,その人もamazonなんて知らないもんだから「うーん,多分大丈夫だと思いますよ」と言われ,恐る恐るした初めての注文。懐かしいねぇとこんな昔話をし始めたら歳をとった証拠です。

Kindle (Oxford English Dictionaryより)
verb: set on fire
arouse or inspire (an emotion or feeling)

どちらかと言えば後者の比喩的な意味から名付けたのかな。

2009年10月8日木曜日

良い病院・悪い病院

■体調不良の原因が不明の時=親身になって相談に乗ってくれ,必要に応じて検査を行なってくれる病院。
■体調不良の原因が明らかな時(持病など)=診察する気が無く薬を即座に出してくれる病院。

 前者は当然のごとく流行るので待ち時間が長くなる。後者の病院は診察時間が短い=待ち時間が無い。時と場合に応じて使い分けるべし。今までの最短診察時間はとある皮膚科。

医者「どうしましたー?」
大澤「これこれで。」
医者「じゃこの薬出しときましょー」
<計10秒>

 座る暇もありゃしない。これだったら椅子いらないじゃん。あっ思いついた!!忙しいサラリーマンにお勧め!その名も「立ち飲み居酒屋」ならぬ「立ち診察病院」。椅子が無く診察時間も短く料金も低価格。どうだろう。流行ると思うけどね。
 そんなことより,新型インフルエンザが流行っているので気を付けましょう。季節性インフルエンザの予防接種はお早めに。今年はどこの病院も予約でいっぱいみたいですよ。

2009年10月5日月曜日

ググれ

英語表現:“Google it.”「インターネットで調べてみれば」

 日本語でも「ググる」。“Yahoo it!”とか「ヤフる」とかは言わない。残念Yahoo(残念なのに楽しそうな響きなのがまた残念)。インターネットが当たり前のように普及して、わざわざ図書館に行って本を探すよりも机の前に座ってググった方が早い。そうすると今までは情報理解力が大事だったのが、星の数ほどある情報の中から重要なものを探す情報検索力が必要になる。ググれば即座に分かるようなことを聞いてくる学生には「ググりんさい」と言いたいが、おそらく情報の検索力をまだ身に付けてないのだろう。
 但し、過度に情報検索する技術だけを身につけると思考が退化してしまう。調べものをしていて本を借りて、返却期限があるから必死にコピーをして記憶して。。。なんて作業をインターネット上でする必要はない。必要な情報をググって必要に応じてブックマークして後で見返せば良いだけの話。携帯電話が普及し始めた頃、電話番号を覚えなくなるし脳が退化するんじゃないか、なんて多くの人が言っていたけれど、確かに今や人の電話番号、いや自分のメールアドレスさえ覚えることのできない人が増えてきた。かく言う自分も文章を書くのはほぼ100%ワープロ上のため、板書をするときに漢字、そして送り仮名が年々怪しくなってきている。年齢のせいもあるけど。
 思考は人との対話を通して深まる。知っていると思い込んでいることを相手に分かりやすく話す。相手の話を非言語情報などをふまえて全神経を集中させて理解しようとする。こんな当然のことを今だからこそやらないといけないのではないだろうか。手に入れた情報を自分の力で深化させる「情報発展力」、そして相手に効果的に伝える「情報コミュニケーション力」。ぜひ身につけたいものです。特に言語を勉強している人は単語がわからないからググる、電子辞書とにらめっこする、なんてことを安易にしないようにしましょうね。

 そう言えば何かの調査によると、無くして困るものは1位:携帯電話、2位:財布らしい。財布よりも無くして困る携帯って。。。今年大学で流行らせたいゲーム。

ゲーム名:“Find me”「私を見つけて」
1)事前に知り合いに「私は1週間携帯電話を携帯しません、探してね」と一斉送信する。
2)何があっても携帯電話に触らない。
3)キャンパス内で自分の友達を見つけたら3点、見つけられたらマイナス1点。携帯電話に触ってしまったらマイナス100点。
4)一週間ごとに役割を交代し点数を競い合う。
5)誰にも見つけられなかったら“Not Found”というメールを一斉送信する。

どう?こんなゲーム?一昔前だったら何の面白みも無かっただろうけど、今やったら面白いと思うけどなぁ。でも1日携帯電話を触らないと禁断症状で手が震える人とかいたりして。

2009年10月1日木曜日

出前その2


 またもや出前に行った(9月20日の日記参照)。しかもまたもや山口県、しかし今度は萩市。広島駅から新幹線で新山口駅まで約40分。そこから連絡バスで約1時間30分で萩市に到着。到着したのは12時ちょうど。高校には午後1時までに到着しなければいけない。さてどうやって行こう。タクシーか、徒歩か。。。観光案内所で聞くと高校までは約2.5キロ。近くのバス停からバスに乗れば約8分で着くが、12時8分のバスには間に合わず次は30分後とのこと。もしバスから降りて迷ってしまったら遅刻してしまう。うーんと悩んでいる時に視界に飛び込んできた「レンタサイクル」の文字。これだ!!!残暑厳しい日ではあったのだけれど、スーツ来て仕事用鞄を前かごに入れてバランス悪い中チャリチャリ高校まで。萩市まで来てしかもスーツでチャリという状況に思わずウケる(写真:白壁に映えるレンタサイクル)。いやー、いいねー、萩。さすが小京都だね。チャリ正解、チャリ楽しい。でも通常なら10分位で着きそうな距離を50分近くかかってしまい、結局集合時間ギリギリになってしまった。楽しみ過ぎだ、自分。

 出張講義自体は何度となくやっている内容なのでそつなく終了。まあみんな良い子たちで、終わった後生徒代表からお礼の言葉をいただいた。しかしこういう状況は苦手で、相手が何も言う前から涙ぐむ。何か、教育実習以来だね、こういう形でお礼を言ってもらうなんて。有り難うございました。

 高校から駅まではまたチャリチャリ。城下町で写真を撮ったり、明倫館(明倫小学校)で写真を撮ったり、昔暮らした家の写真を撮ったり。。。そう、実は今をさかのぼること◯十年前、小学生のとき2年間ほど萩市で暮らしていたのです。そして歴史ある明倫小学校で学んでいました。その当時は低学年は体育のとき男女問わず上半身裸、裸足。休憩時間に乾布摩擦、遠方凝視。朝の会では吉田松陰先生のお言葉をみんなで読み上げる、等などユニークなことをたくさんしていました。今はどうなのかなぁ。行っていた当時は「このおんぼろ校舎!」なんて思っていたけど、今となってはあんな貴重な建物の中で勉強できたことに感謝。そして今現在あの校舎で勉強している小学生たちが羨ましい。何だか清々しいやら懐かしいやらで、にやにやしながらまたもやバスの時刻ギリギリになって駅に到着したら、、何とそこにはスーツ姿の見覚えのある人たちが。なんと今日の出前のアレンジをしてくれた業者の人たちでした。恥ずかしい、こんな姿を見られて。


自分「すみませんね、自転車なんかで登場して」

業者

A:「(笑)面白いですね、先生」

B:「ほんとですよ、許しませんよ。」

C:「いえいえ、私も大島に行った時には自転車乗りましてねー」


あなただったら、どの返しが良いですか?個人的にはBが好み。


おまけ:萩で撮った何枚かの写真

2009年9月28日月曜日

ブックマークを共有するために

 職場で家庭で複数台のコンピュータを使うことが多い時代において問題になるのが,必要不可欠なブックマーク情報をどのように持ち歩くかということ。一番手っ取り早いのはブックマーク共有サービスを使うこと。ブラウザにアドオンを入れた方が便利だけど入れなくてもネット接続さえ出来ればどこからでも自分のブックマークにアクセスできる。今まではGoogleブックマークを使ってたけど,今日からXmarksにすることにしました。その理由1)ウェブサイトがgoogleよりも洗練されている,2)自動的にコンピューターとウェブ上のブックマークを同期してくれる,3)いろんなことができそう(やる気は無いけど)。参考までに幾つかのブックマーク共有サービスを。

Xmarks(foxmarksから改名)
Del.icio.us(deliciousに改名)
Google Bookmark

しかし無意味に増殖していくブックマークのリンク切れなどを自動でチェックできないもんかねと思っていたら,CheckPlacesと呼ばれるFirefox用のアドオンがありました。ブラウザごとに似たようなもんがあるみたいです。「リンク切れ チェック」などで検索すると幾つか出てきます。

と訳の分からない人には全く分けの分からない自分用の覚え書き。

2009年9月25日金曜日

シルバーウィーク

シルバウィーク前には東京から友人が来て、連夜飲み明かし、シルバーウィーク中には同僚にお呼ばれしてバーベキュー、そしてまたまた東京から別の友人家族が来て野球観戦(東京の友人がなぜか大のカープファンだということで)、宮島観光(別名食べ歩き)と楽しくも忙しい毎日だった。仕事しろ、自分。でもこういう楽しみがなきゃ人生つまんない。

東京でバリバリと仕事をしている人たちと話をするのはすごく刺激的だし楽しい。今回来てくれた人たちがとても気さくな人たちだったのもあるけど。そりゃお酒も進むし、食べ過ぎる。日頃の行いが良いのか初めて行ったMAZDAスタジアムでは天候に恵まれ、しかも9回裏逆転勝ちという観戦冥利に尽きる試合だった(しかし最近カープの試合観ていないので選手名がわからない)。その次の日に行った宮島ではあいにくの天気だったけど、まあ土砂降りにならなかったので◯。しかし宮島って観光地ね。普通の週末に食べ歩きを兼ねて宮島に遊びにいくことがあるんだけど、その時とは比較にならない人の数だった。酔った。。。人に。。。

連休明けで仕事!と思ったら発熱そして咽頭痛。「も!もしや!!」と病院に行くがその時脳裏をよぎったのは「インフルエンザ→どうしても休めない仕事がある(休むと休講などで後々しんどい)→インフルエンザであっても知らんぷりして通勤→バレて怒られる」何とも悲しい思考回路。何だかインフルエンザに過敏になってるね。最近のよくある会話:

A「昨日病院に行ったんですよ」B「インフルエンザ?」
A「ゴホゴホ(咳き込む)、あっいやインフルエンザじゃないですから」

人ごみでむやみに咳やくしゃみをすると睨まれてしまう今日この頃、注意しましょう。ちなみにインフルエンザじゃなかったです(遊びすぎて疲れて咽頭痛になったなんて恥ずかしくて誰にも言えない)。

そう言えば広島では有名なアイリッシュバーMolly Malone's。夜開いてるのは知っていたんだけど、何と土日祝日は昼間も開いている。人も少ないので、家族連れでも行けてとても楽しい。昼間っからお酒を飲むというのもとても素敵。

2009年9月20日日曜日

出前

金曜日は大学(うちの大学だけ?)業界用語で言うところの出前で山口まで行ってきた。いわゆる高校で行う出張講義なのだけれど、高校生を対象に一発勝負で授業をするというのはある意味力試し的なところがあって面白い。そして今回の出張ではEX-ICデビュー!JRのカードを持っていると自動的に送られてくるカードで、8月末から西日本でようやく使えるようになった。本来ならこんな感じですっといけるはずなのに、山口ではICOCAが使えず結局紙の切符を買わないといけなかった。意味がない、というかある意味不便。使うのは楽しいけどね。
 そしてシルバーウィーク突入。シルバーというネーミングがどうも腑に落ちないけど、学期が始まる前の最後の連休を楽しみましょう。

追記:(09.10.2)何とEX-ICで購入すると通常の切符より高くなってしまう場合があるらしい。その際には「EX-IC運賃ナビ」が便利らしいよ。って何のこっちゃ。

 

2009年9月17日木曜日

ALC NetAcademy 2ワークショップ

 ALCの方からご紹介頂いたワークショップの覚え書き(行くかどうかはまだ未定)。

日時:10月24日(土曜日)13:00~16:30
会場:未定(アルク教育社福岡支店周辺)
参加費:無料
申し込み〆切:10月9日(金曜日)

タイトル:e-learningで仕掛ける英語教育改革とサポート体制の構築

講演内容:
「東海大学九州キャンパスにおける英語教育とe-learning
 -ALC NetAcademy2の習熟度別必修科目への導入と活用事例-」
 磯田隆啓(東海大学 外国語教育センター第一類 熊本教養教育センター)
「語彙力・文法力の向上をめざして
 ~目標設定,学習状況管理,評価システム,学習支援体制の構築~」
 武方壮一(宮崎大学 教育研究・地域連携センター)
 櫛山桐加(アルク教育社 英語学習アドバイザー)
「新潟県立大学におけるeラーニングの最新事例
 ~ペアワークを利用したPowerWordsコース プラスの有効活用~」
 茅野潤一郎(新潟県立大学 国際地域学部)

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NetAcademyは高いというイメージがあったのだけれど,確かに初期導入費用(1コース350万円)はとても高い。が,買い取り方式ということでユーザー無制限しかも買い取った後はずっと使い続けられるという意味では初期導入費用,そしてサーバーの設置(学内)の問題を解決さえ出来れば価値があるのかもしれない。そして最近では教員との棲み分けで英語学習アドバイザーなるものの派遣もあるらしい。こちらも値段的には安いとは言えないのだけれど,導入している大学がどのように感じているかは興味津々。eラーニングとは言え,結局は費用対効果。どれだけの費用をかけてどれだけの効果が生まれているのだろうか。

2009年9月16日水曜日

TIMEに見られる日本

 TIMEに見られる日本観の覚え書き。TIMEに限らず何か気になったものがあれば追加していきたい。

1983年No.31,Special Issueとして日本特集が組まれている。時代が時代だけど,非常に面白い。その中の記事,“The Language: The Devil’s Tongue”は日本語について書かれた有名な記事。

1962年にも第2次世界大戦についての記事が出ているらしいのだけど,探せていないけどとりあえずメモ。

インターネット上ではこれも見ることができます。日本の常識,世界の非常識。逆もまた然り。

2009年9月15日火曜日

最近気になるものの覚え書き〜Gadgetやら何やら〜

Gadget
 携帯型で動画が撮れるSALとかiPod nanoとか。我が家のビデオカメラがおんぼろででかいのでちょっと気になる。携帯型で2万円以内という価格を考えると画質は期待できないんだろうけど,ちょっとした記録媒体には良いかな。欲しい,欲しすぎる。でも写真が撮れないので保留。

無料で使えるMacのウィルス対策ソフト
 ClamXavとかiAntiVirusとか。

オンラインで使える無料アプリケーション
 
mindmeister
 最近日本語対応になった思考マップ作成アプリ。無料版だと機能は限られるけど,ちょっとした思考の整理には便利かも。
 Evernote
 わざわざブックマークするほどではないものはここに投げ込む。無料なのに検索機能も優れている。

ちなみにブログの記事はMacJournalというソフトで書いています。そうするとブログ上だけでなく自分のコンピュータ上にも記録が残せる(しかも双方向に同期可)ので便利。但し相性の良い/悪いブログがあるので要注意。

2009年9月14日月曜日

夏休みの宿題

 予想はしていたけれど2ヶ月弱の夏休みがあっという間に終わろうとしている。8月はオープンキャンパスで週末出勤,学会出張で神戸,鳥取などへ行った。それが終わってお盆休みをゆっくりと過ごしたと思ったら,北海道で2つの学会に参加する7泊8日の旅。一週間も一カ所に滞在すると1)ホテルの朝食に飽きる,2)観光する気が無くなる,3)地元人っぽく見えるのか知らない人に道を聞かれる,ということが分かった。以前北海道に行ったのも夏だった。その時は嬉しくて出張の後有給休暇を取って,みんなで「北の国から」ごっこをして遊んだのだが,今回はそんな元気もなく,繁華街すすきのに近いホテルに滞在しながらすすきのにほとんど行かない毎日だった。でも北海道は良い。空気が良い,道が広い,自然が多い,ご飯がおいしい。あっ,ドリカムの元キーボードの人も見たよ。北海道の人なんだね。昔だったらキャーキャー言われていたのだろうけれど,お祭り会場でひっそり紹介されてひっそり会釈してました。
 後期は担当授業科目が減る分,何かと他の仕事量が増えていきます。カレンダーは年末に向けて着々と埋まっております。自分のやりたいことが出来るのは夏休みしかないはずなのに!!夏休みが始まる前にはあれだけ目標掲げてたのに!!何だか夏休み終了前に慌てふためく小学生の気分。そう言えば小学校の時に絵日記毎日書かされてましたけど,天気だけはいつも最後に適当に記入してたなぁ。っていうか小学校の先生もそんな所までチェックしないよね。今となっては「あっ!夏休みの絵日記書いてない!天気はどうだったかなー。ネットでチェックしてみよ。」なんてことができる時代。そんなことで時の流れを感じます。
 さっ!話はまとまらないけど後期も頑張りましょう!!

2009年9月6日日曜日

第48回JACET全国大会覚え書き

JACET全国大会が2009年9月4~6日に北海学園大学にて開催された。札幌すすきのから地下鉄で一駅、しかも駅とキャンパスが直結しているという何ともうらやましい大学。都市の中心部にある大学はうらやましいと思う反面、学生は勉強しないだろうなぁ。。。それはともかく覚え書き。

Mark Warschauer, Teaching for Global Literacy
 この分野においては超有名人のWarschauer氏がカリフォルニア大学アーバイン校からの遠隔中継で講演された。日立のテクノロジーすごい。ここまでストレス無く映像および音声が送れるのはすごい。おそらく日立の威信をかけていたのではないだろうか。けれどもいつも思うのはこういったテクノロジーはまだまだ発展途上だということ。学会発表でパワーポイントを使うのでさえ未だ100%問題が起きないとは誰も保障できない。今回もスタッフが数多く張り付いてトラブルを未然に防ぐべく待機していた。もしかすると直接講師に来てもらったほうが安かったりして。
 それはともかく非常に話の上手な人でした。日本人が聴衆ということで日本のことについても多く触れられていた。話をあまりにも簡潔に要約するとICTを用いることによって英語学習が促進されるということ。
Simple English Wikipediaなんてあるの知らなかった。

Shin’ichi INOI(猪井新一・茨城大学). A discourse analysis of JEFLLs’ English narrative texts in terms of referential distance.
JEFLLと英語母語話者の指示詞およびその距離の関連を探る研究(Wash and core six cooking apples. Put them into a fire proof dish. Halliday & Hasan, 1976より)。Givonのtopic continuity scaleによれば、more continuous / accessible topicsからmore discontinuous / inaccessible topicsの順にzero anaphora, unstressed/bound pronouns, stressed/independent pronouns, full NP’sがある。英語母語話者は距離によって使い分けることが出来ているのに、日本人英語学習者はできていないということが明らかになった。
こういう研究は個人的に好みです。
Chiho KOBAYASHI(小林千穂・天理大学). Comparing electronic and printed dictionaries in word retention.
 過去の先行研究をもとに、電子辞書と紙媒体の辞書を使った場合の語の記憶保持(word retention)の差異について調査したもの。Word retentionについてはVocabulary Knowledge Scale (VKS) (Paribakht & Wesche, 1993; 1997)を採用した。被験者は大学生37名。英語専攻でTOEFL平均348.75。そして上位(413.89)、下位(279.41)グループに分けた。リーディングのテキストはGrade Level 8程度の週間STの記事2つ。13語のターゲットワードが選択された。また自由記述式の読解テストおよび2つのタイプ(多肢選択、自由記述)の語彙テストを作成した。1週目にターゲットワードと幾つかのダミーを提示。4週目に30分ずつ2種類のテキストをそれぞれ2つのグループが紙、電子辞書を用いて、わからない単語に印をつけ読解テストを受けた。そして5週目に2種類の語彙テストを受けた。結果、EDの方が辞書をよく引く、電子辞書と紙媒体の辞書には語の記憶保持に違いが無かったこと、EDの方が読解テストにおいてスコアが良かったこと、EDは語の意味理解を手助けしたかもしれないが、記憶保持には役立たなかった、などの結果が得られた。これらの理由としてはテキストが難しかったこと、floor effectなどが考えられる。その他、下位グループにおいてのみ電子辞書のほうが、紙よりもテキストをよく理解したこと、上位グループにおいては知らない単語が少なかったため、コンテクストから推測できたと考えられる。
 単語の記憶を成績評価の一部に加えたのか、あるいは実験の目的のみであると伝えたのか。テキストが難しすぎたのではないか、などの点が気になった。
Paribakkht, T.S., & Wesche, M. (1993). The relationship between reading comprehension and second language development in a comprehension-based ESL programme. TESL Canada Journal, 11(1), 9-27.
Paribakkht, T.S., & Wesche, M. (1997). Vocabulary enhancement activities and reading for meaning in second language vocabulary acquisition. In J. Coady & T. Huckin (eds), Second language vocabulary acquisition: A rational for pedagogy (pp. 174-200). Cambridge University Press.
Anthony, Green (University of Bedfordshire). The Common European Framework in the Language Curriculum: Practices and Issues.
 ヨーロッパで採用されているCEFR (Common European Framework of Reference)についての概要説明。内容については実物を見ればわかるので省略するが、従来の4技能という考えではなく5技能という概念を導入していることは興味深い。具体的にはスピーキングをspoken interactionとspoken productionに分けているらしい。きれいなイギリス英語を久々に聞けて何だか嬉しかった(違うか)。
小山由紀江(名古屋工業大学)「Moodleを用いた英語授業の活性化」
 社会構造主義の教育理念のもとに開発されているMoodleソフトウェアの紹介。名古屋工業大学では2007年より教務システムと連動し全コース(2008年度1735コース)をMoodleにのせた。またICカードとシングルサインオンによる認証によって教員や学生は学内外からアクセスできる。が現状としては利用している教員は全教員の1/4に過ぎないらしい。こうした大学全体の現状とともに英語の授業にMoodleを取り入れた実践について報告された。何よりもこのように大学をあげてMoodleを利用する環境を整えていることが素晴らしいし羨ましい。
大澤真也・岡田あずさ「広島修道大学における「e-learning英語」科目改善の試み」
 今回はこれがメイン。2007年度から本学で導入した「e-learning英語」科目改善の試みを経年で紹介した。教室内でeラーニングを行うという形態からどのようにブレンディッドな形態に持っていくのか。元来リサーチやデータ収集目的で始めた実践ではないので、一言で言うと「泥臭い」もので、綺麗な(データの提示および綿密な検証)実践報告ではなかったと思う。その分、現状を話せる範囲でありのままに話したことによって共感してもらえた部分があるのか、フロアからは複数の質問が出て非常に有難かった。主には1)eラーニング部分の成績評価方法、2)成績評価におけるTOEICスコアの割合、3)eラーニングを完全自習型にすることの問題点、4)英語ピア制度に関すること、などの質問が出た。発表としては様々な問題点を率直にフロアと共有できたという意味で○。実践報告としては△。もしもこれが研究発表だったら×。フロアの反応は良かったように思うが、共感してもらえたのか、それとも笑われただけだったりして。。。
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 JACETの全国大会に出たのは初めてだったのだけれど、大学英語教員が一堂に会して行われる学会であり非常に面白かった。今回は市民フォーラム「変わる大学英語」ということで特別企画が行われたのだけれど(とは言え市民はいなかったような)、全国各地の大学が英語教育改革に真摯に取り組んでいることは特筆されるべきであろう。その証拠に多くのポスターセッションが行われ、聴衆も多く盛況であった。
 今年度からの特徴としては発表言語をなるべく英語にするということであったらしい。今後国際学会にしたいという思惑があるとのことであったが、その甲斐があってか他の学会に比べると各国から研究者・教育者が集まっていたと思う。けれども自戒の念を込めて言えば、日本人の英語力はたとえ教員であったとしても高いとは言えない。特にこういった発表能力には慣れが必要であり、残念ながら英語で発表することによって内容がわかりにくくなってしまっているものもあったのではないだろうか。個人的にはやはり母語で発表した方が議論が深まるので好きなのだけれど、海外にメッセージを発信していくためにはやはり英語での発表能力は必要かなぁ。

2009年9月3日木曜日

2009日本リメディアル教育学会第5回全国大会覚え書き

 日本リメディアル教育学会第5回全国大会が2009年9月1、2日に千歳科学技術大学にて行われた。千歳科学技術大学は札幌市内から少し離れた場所にあるが、多くの自然に囲まれた非常に美しいキャンパスであった。空港(千歳空港、自衛隊)も近いので飛行機好きにはお勧め。以下幾つかの発表のまとめ。

Boylan, H.R. Techniques for developing college student literacy

 学生のliteracyを高めるためにはどうすれば良いのかについて、Appalachian State UniversityNational Center for Developmental EducationでディレクターをしているBoylan氏が講演を行った。

 リサーチに基づいた結果から言えば、1)できるだけ頻繁に学生の理解度を試すためのテストを行うこと(平均して1セメスターに10回!!)、2)学ぶためのスキル(キーワードを探すなど)を教えること、3)アクティブ・ラーニングを用いること、4)learning communitiesを作ること、が有効であると考えられる。4)に関しては2つのコースを有機的に結びつけること(例えばリーディングとライティングのクラス)である。

 質疑応答では日本においてこれらの考えが実現可能かなどの議論が行われた。興味深い公演ではあったのだけれど、リメディアル教育が広範囲の科目にわたることの難しさを感じた。内容としてはリメディアル教育における基礎的な概念の紹介であり、アメリカの権威を呼ばなくても、日本の研究者でもできたかもしれない。リメデイァル教育(Developmental Education)黎明期においてはしょうがないのかもしれないけれど。

UPO-NETシステムの開発について

杉山秀則(放送大学)、梅崎卓哉(佐賀大学)、穂屋下茂(佐賀大学)、小野博(メディア教育開発センター)/古賀崇朗(佐賀大学)、酒井志延(千葉商科大学)、久村研(田園調布学園大学)、清田洋一(明星大学)、大崎さつき(千葉商科大学)、中山夏恵(共愛学園、前橋国際大学)、臼井芳子(獨協大学)、小野博(放送大学)、穂屋下茂(佐賀大学)

最近ことばを聴くことの多くなってきたUPO-NETについて複数の発表が行われていた。とにかく発表者が多い。

奥田雅信、中島彰子、合田美子(大手前大学)「多様な学び方と個に応じた初年次必修英語教育」

TOEIC300点以下の学生も多く在籍する学生数800名、教員13名、クラス数48(1クラス20名以下)という環境下での英語教育の試みの紹介。大手前大学では初年次教育システムとして必修4科目(「日本語表現」、「英語表現」、「情報活用」、「フレッシュマンセミナー」)が連携して構築、実践されている。そこにおける特徴は以下のとおり。

1)ターム制の導入

  5週間で1つのまとまりとして学習する1学期3ターム制を導入し、「学習(1~3週)→診断・評価(4)→発展学習・補充学習(5)」の学習サイクルを確立している。

2)到達目標別コース編成

  目標達成に向けて学生自身がクラスを選べ、タームごとにクラス変更が可能である。

3)スタンプ制

  独自開発した携帯電話対応LMS「確認くん」を利用し、学生はここの学習状況を確認できる。

またアナログ的な手法として「学習記録ノート」を作成し、学習事項の理解度を学生自身が判断、またeラーニングのドリルや小テストの結果の達成度も確認した。

 以上の実践の結果、G-TELPの全体平均スコアが半年で26.4点上昇するなどの成果が見られた。結果がどうのこうのというよりも、ここまで綿密に考えられた形で必修の英語教育を行っているのは素晴らしいと思う。とても参考になりました。

大澤佑至(千歳科学技術大学大学院光科学研究科)、高岡詠子(上智大学理工学部情報工学科)、吉田淳一、深町賢一、小田久哉(千歳科学技術大学総合光科学部)「ブレンド型e-Learning講義におけるデータ解析およびドロップアウト早期発見チェックシートの提案」

 15回のうち3回の授業のみ対面式の授業においてドロップアウトする学生の傾向を分析し、チェックシート化する試み。英語の授業ではないのだけれど、このような試みは興味深い。

藤井俊子(佐賀大学eラーニングスタジオ)、早瀬博範(佐賀大学文化教育学部)、草葉千穂子(広島大学文学研究科)、齋藤夕希子(佐賀大学教育学研究科)、穂屋下茂(佐賀大学こうとう教育開発センター)「eラーニングを用いた英語教育での音声提出課題とフィードバック」

 1クラス50人前後の授業を2つに分け少人数教育を実現し、2週間に1度対面授業を行う。また音声課題をmoodleおよびウィンドウズ付属のサウンドレコーダーを利用して提出させ、それに教員も音声でフィードバックするという試みも紹介されていた。このような形でeラーニングの少人数教育を達成するというのは考えたことが無かったのが参考になった。しかし佐賀大学恐るべし。。。

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その他のキーワード

「産学連携のeラーニング、リメディアル教育」

「入学前学習におけるeラーニングの活用」

 とにかくどの発表も発表者が多い!!ことにびっくりしたのだけれど参考になることも多々ありました。しかし教育が絡んでくると英語教育は結構勢力を持つようで、この学会でも数多く英語教育関連の研究発表が行われていました。

2009年9月1日火曜日

最近ふと思ったしょうもないこと

最近ふと思ったしょうもないこと。

1)アルコール消毒は風邪の予防に有効=お酒を毎日飲む人はやはり風邪をひきにくいのだろうか。

2)バスの中で見た掲示「窓からみだりに物を捨てないこと」

みだりに(妄り、濫り、猥り)
秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。<広辞苑より>

ということは、秩序あるポイ捨ては許されるということか。。。というか「みだりに」って最近聞かないけどよい言葉だなぁ。いつも初回の授業時に「履修上の注意」ということでA4用紙1枚の授業中のマナーを書き綴ったものを配布するのだけど、長々と書くより「授業中はみだりに話さないこと」で簡潔にまとまるね。

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現在北海道。しばらく北海道。詳細は後日。もちろん仕事なのだけれど北海道って言うと「いいねー。」とまるでリゾート地に行くみたいに言われるのはなぜだ?!まぁ、しかしやっぱり北海道はでっかいどう(古典的な駄洒落で決して僕が考えたものじゃないので、この日記を読んで寒い気分になっても責任は取らない)。

2009年8月22日土曜日

世間の常識・非常識

 しょうもないけどいまだに気になること。それは美容院、歯医者で上を向いているときに目を開けるか閉じるかということ。僕の中では美容院=目を閉じる、歯医者=目を開ける、が常識だったのだけれど、どうやら歯医者では目を閉じるという人も多いらしい。歯医者で目を閉じると何だか負けた気がするのか、意地でも目を閉じたくない自分がいたりして。これって世間の常識?非常識?
 そういやこの前、親知らずを抜いたときに目隠し用の布をかけられた。これってやっぱり目を開けたままの人が多いってことじゃないのかなぁ。。。

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ちなみに親知らずを抜いたその日は頭痛、咽頭痛、発熱のトリプルでダウンし、次の日は飴玉を舐めているように頬がふくらんでましたとさ。残る親知らずあと一本。とりあえずは、はえているのを知らないことにしておこう。

ちなみに親知らずを英語で言うとwisdom teeth (tooth)らしい。文化の違いって面白い。最後に親不知とは新潟県糸魚川市外波(となみ)から市振までの海岸。間違えないように。って話がずれた。。。

2009年8月21日金曜日

最近の研究業績:Perspectives in Lexicography: Asia and beyond

Ooi, V.B.Y, Pakir, A., Talib, I. S., and Tan, P.K.W. eds. Perspectives in Lexicography: Asia and beyond. Kdictionaries.

2005年にシンガポールで行なわれたASIALEX国際学会で発表されたものの中から幾つかのものをピックアップし出版したもの。“Electronic dictionaries in the classroom” (p. 129-137)というタイトルでJ.M. Ronald先生との共著論文が掲載されています。

出版までに時間はかかりましたが,何はともあれ海外の出版社から本が出るというのは嬉しいもの。おそらくこれが最初で最後でしょう(笑)。お近くの図書館に1冊どうぞ。

2009年8月12日水曜日

エスカレーターの乗り方


http://ja.wikipedia.org/wiki/エスカレーターより

 ロンドン・ワシントン市・香港・ソウル・モスクワなどの地下鉄では右に立ち左を歩行者に空けており、シンガポール・オーストラリア・ニュージーランドなどでは左側に立ち右側を歩行者に空けている。必ずしも各国の道路通行の左右とは一致しない。(ソースは2007/10/28時点のwikipedia英語版)日本では関東、福岡及び北海道、長野、岡山、京都、滋賀、東海では乗り込む際に左側に立ち右側を空け、京都・滋賀を除く近畿及び仙台では右側に立ち左空けとなっている。 ただ、単に前に居る人に合わせる等、左右のどちらかを空けるという習慣そのものがない地方も多い。
 
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 今回出張続きで改めて感じた不思議。それはエスカレーターの乗り方。近畿地方の多くの県でエスカレーターの右側に立つのは何故か。近畿特有の地域性かと思えばなぜか仙台でも右側とは!!!出張先で新幹線やJRの駅でエスカレーターに乗ると,必ず混乱に巻き込まれる。特に広島では左側立ちなので,関西に行く時には要注意。


全国英語教育学会2009覚え書き

 2009年8月8日(土曜日)~8月9日(日曜日)に鳥取大学湖山キャンパスで開催された全国英語教育学会に参加した。大学院修士課程から現在に至るまでの自分の研究の礎になっている学会なので、知っている顔もあり参加するたびにホームに帰ってきた気がする。発表者も中、高から大学の教員、そして大学院の学生まで幅広く、同じ時間帯に20室近い教室で発表が行われるという、おそらく英語教育の分野では1、2を争う規模の学会であろう。長かった梅雨も終わり、汗ばむ夏の日差しの中で行われた研究大会、幾つかの感想を(関係ないけど、鳥取ほっこり(日本語か?)してて良い。けど都会と田舎の格差がここまであると日本の将来は危ういな)。

木村恵・杉森直樹 「E-learningによる継続的エッセイ・ライティングの効果検証」

 オンラインによるピアフィードバック活動を取り入れた新しいエッセイライティングのためのE-learningシステムを作る『「エッセイ・ライティング用e-learning教材+学習者間評価システム」の構築』プロジェクトの一環。
 対象は英語学科でE-learning: Short Essayの授業を受講した1年生50名(TOEIC750点以上)。春は対面式、秋学期は非対面式で週1回エッセイを提出した。ステップとしては、1)ETSのCriterionを用いてエッセイを提出、2)パートナーとのエッセイ交換、添削、評価、3)エッセイを受け取る、というもの。2)、3)については開発中で、今後はこの作文データを用い学習者コーパスを作成し、ICLEとの比較も視野に入れている。収集されたエッセイは951.総語数は約38万語、トピックは24、トピックあたりの語数は398.7語。平均スコアは4.8(4~5.5)。L2ライティング及びコーパス言語学にかかわる先行研究(Wolfe-Quintero, K., Inagaki, S., & Kim, H.-Y. (1998). Second Language Development in Writing: Measures of Fluency, Accuracy, and Complexity (Technical Report #17). University of Hawai'i: Second Language Teaching and Curriculum Center.、Brown, 2000など)を参考に以下の指標を採用した。

流暢さ:
総語数
統語的複雑さ:
平均文長、接続詞の正規化頻度、前置詞の正規化頻度、to不定詞の正規化頻度(CLAWSを用いる)
語彙的複雑さ:
語彙の豊富さ、語彙密度、語彙の洗練度(JACET8000を用いてLexical Frequency Profileを作成)
内容の複雑さ:
一般的・抽象的語彙の正規化頻度(USASを用いて付与された意味タグのうち、general and abstract termsと判定された語)、心的行動・状態・過程にかかわる語彙の正規化頻度(意味タグのうちpsychological actions, states and processesと判定された語)
談話構造の複雑さ:
談話標識(プログラムによって付与された接続詞タグとそのほか同標識を数え、その頻度を正規化)

 通年の授業を4つの期間に分け、それぞれの平均値を分散分析した。結果、総語数のみ有意差がみられた。またJACETのレベル2の語彙使用数に関しては微増がみられた。
 自分が現在興味を持っていることもあり、非常に有益な情報を得られた発表であった。発表者も述べていたが、内容の指標に関してどのような指標を用いるかについては今後も検討が必要であろう。気になったのはこの分析を行うことによって何を見たかったのかということ。もしも1年間の授業を通しての英語ライティング力の伸びを見たいということであれば、総語数しか有意差無いという結果には疑問が残る。

平井愛・堀智子・磯部ゆかり・泉惠美子・里井久輝・薮内智
「絵描写課題における統語構造の質的分析」
杉浦香織・門田修平・斉藤倫子・中西弘・中野陽子・森下美和
「日本人英語学習者の統語産出傾向―絵描写課題における量的分析から」
 
 第一印象。発表者が多い。。。若手が多い。。。羨ましい(このような研究環境があることが)。2番目の発表はマックのKeynoteを使っていた。かっちょいい。それはさておき。。。
 絵描写課題を用い文産出について調査した結果の報告。ターゲットとした構造は二重目的語構造、受動態、接続詞、心理動詞を含む文。対象となったのは450名の大学生。40名の大学生を対象に行ったプリテストの結果選ばれた絵30枚とフィラーの絵6枚。順序効果の出ないように3種類のパターンを作成し、問題パターンは6種類となった。幾つかの具体的な絵も提示されたが、被験者は絵を提示され下の余白に1文の英語を書くというタスク。今後行う予定の統語プライミングの基準データとなるもの(?恥ずかしながらプライミングの意味が良く分からない。辞書によると先行する事柄が後続する事柄に影響を与えること)
 様々なデータが提示されたのだけれど、学習者の統語構造の選好性を見るために絵を利用したが、これは発表者自身も認めていたように思ったほどターゲットとした統語構造が産出されないという結果が表れていた。そしてこれはフロアからも意見が出されていたが、選好性というよりも絵の選択に難があったのではないか、あるいはこのような実験で用いる統計的手法に問題があるのではないか。学習者はどこまで考えて統語構造を使い分けているのか。例えば受動態と能動態なんて単純に書き換え可能であるとか、どちらを好んで使う、とか言うのではなくきちんと状況に応じて使い分けすることが出来ているのだろうか。この辺りのポイントを今後の研究発表で聞いてみたいと思う。また結果の解釈をJEFLLコーパスに求めていたりしたけれど、タスクが異なるのだから、無理に先行研究に解釈を求めない方が良いのではないかと感じた。いずれにせよ、たくさんの批判的意見も出たけれど、それだけ分かりやすいそして興味深い発表だったのだろう。

久留友紀子・正木美和子・金志佳代子・山西博之
「授業で使えるライティング・ルーブリックの開発―具体的な解釈例の提示の試み」

 JACET関西支部ライティング指導研究会第8次プロジェクトにより開発されたルーブリック(Nishijima, H., Hayashi, K., Masaki, M., Kinshi, K., & Kuru, Y. 2007. Developing a Writing Rubric for Classroom Use in Japanese Higher Education. JACET Journal, 45, 109-116.)を検証する試み。ルーブリックは分析的評価で内容・展開、構成、文法、語彙、綴り・句読点の5つの評価項目が4つのレベルにおいて規定されている。今までの研究結果に基づき、本研究では1)descriptorの困難な点、判断に食い違いが起こりやすい点を明らかにする、2)descriptorに変更を加え解決を図る、3)評価を行う際に必要となる具体的な解釈の例を作成する、を目的とした。大学生が書いた自由英作文をメンバー5人がそれぞれ分析した結果の報告。分析手法は一般化可能性理論の分散成分推定値を利用した。その結果を基に各項目における下位項目の特定、下位項目ごとにスタンダードを示す必要性、グループやコースの目的に合わせて相対的に評価できるようにレベルを設定する、などの改善が行われた。
非常に興味深い研究でした。しかし日本の英語学習者向けの評価基準という割にはあまり独自性が感じられなかったのが残念。

長橋雅俊
「日本人英語学習者におけるライティング・プロセスの研究―作文行為の量的観測と作文結果の関係―」

 SasakiやHiroseらはビデオ録画やプロトコルを利用し、書き手の行為を観察してきた。本研究はビデオ録画及びプロトコルを用いてサンプル数を高めた量的分析の可能性を探るもの。リサーチクエスチョンは1)草稿(planning)、推敲(drafting)、修正(revising)の過程においてどのような違いが見られるか、2)書き手の熟達度によって、作文過程にどのような違いが見られるか、3)個々の作文の運用は、プロセスにおけるどのような行為の違いが関係するか、の3点。参加者は大学生45名、大学院生11名(多様な専攻)の計56名。熟達度テストとして英検準2~準1級の語彙・熟語、文法、英検準2および2級の構文整序、TOEFL Practiceの文法性判断から計20問(信頼性 Cronbach’s α=.81)、TWEにならったタスクをCriterionで6段階で採点した。手法としては参加者の手元の様子をビデオ撮影した。そこでえられたデータを以下のように変量化し、クラスター分析に投入した。

Planning (1)下書き時間(秒)、(2)L2下書き文字数、(3)L1下書き文字数
Drafting(4)実質的なDrafting時間、(5)drafting開始後6分間の文字産出量
Monitoring & Revising(6)終了6分前の文字産出量、(7)消しゴム/訂正線で削除された文字数

RQ1:
Cluster 1:下書きの量は最少、総語数において最も流暢、実質的なDrafting時間最長
2:1に次いで流暢、違いはポーズの頻度・長さ
    3:Planningがやや長く、下書き量が最も多い
   4:Planning最長、総語数・削除量が最少→推敲せず下書きから清書へ転記したものが大部分。
   5:Planning時間が短く、下書きの量が1に次いで最少、ポーズが多い→実質的なdrafting時間が短い。

RQ2,3:
 流暢な書き手は、産出する言語量だけでなく、削除の量も多い。流暢さの面で、見熟達者は削除量も少ない。

RQ3:
 下書き時間は長いほど良いとはいえない。メモにとどめ適量で推敲にうつるべきl。

その他:
序盤と終盤の言語産出量に統計的な有意差なし、熟達者に特徴的とされる見直し行為が量的に確認されなかった。理由として考えられるのは、1)見直し、校正を慣行とする書き手が少数だった、2)より短時間で行われていた、3)推敲の途中で繰り返されていた、など・
 近年この発表者の研究を聞くことが何度かあったのだけれど、深い統計の知識を持った緻密な研究を行う方だと思う。ライティングのプロセスを量的に分析しようとという試みは面白いけれど、単純な量ではなく、質的な要素をカテゴリーしたうえで量的分析を行うなどしないと面白い結果がでないのかもしれない(言ってることが的外れかも)。プロトコルも取っているらしいので、今後の研究発表にも期待したい。

山西博之
「日本人英語学習者のライティングにおける方略使用、熟達度、複雑さの関係」

 ライティングのプロセス、プロダクト、熟達度の関連を探る研究。具体的には、それぞれ作文方略、統語的な複雑さ、英語運用能力テストGTECのライティングパートの点数の関連。対象者は国立大学の1年生179名。GTEC for STUDNETSの平均スコアは485(800点満点)。
 とても緻密な研究だと思いますが、結果は当然といえば当然の結果(発表者本人も言っていたけれど)。

石川智仁.2005.「EFLライティングにおける構造的複雑さの発達指標と熟達度の関係の検証:タスクに基づくアプローチ」.JACET Bulletin, 41, 51-60.
水本篤・竹内理.2008.「研究論文における効果量の報告のためにー基礎的概念と注意点―」.Studies in English Language Teaching, 31, 57-66.
Yamanishi, H. 2009a. Developing a questionnaire to assess Japanese high school students’ writing strategies for expository compositions: A pilot study. Studies in English Language Teaching, 32, 33-42.
Yamanishi, H. 2009b. Japanese EFL learners’ use of writing strategies: A questionnaire survey. 『JACEAT関西支部ライティング指導研究会紀要』8, 53-64.

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すごく綿密な研究が数多く行われているのだけれど、数字や統計手法を扱った研究が盛り沢山。時折英語教育研究の発表を聞きに来ているのか、数学の勉強をしているのか分からなくなることもある。それはさておき、たくさんの刺激を受けました。

外国語教育メディア学会(LET)2009覚え書き

 外国語教育メディア学会(LET)の第49回大会が「外国語教育のパラダイム:認知、脳、社会文化の統合に向けて」というテーマで、神戸市の流通科学大学で行われた(8月4~6日)。大会期間中に停電(?)がおき、空調が効かないなどというトラブルもあったが、その分熱い研究発表が数多く行われた。以下、幾つかの発表のまとめ。

小栗成子・柳朋宏・伊藤嘉奈子
「使える英文法習得のために優先すべきことーEFLライティングにみられる誤用傾向からの再確認―」

 2004年度から行ってきたオンラインでの添削指導で得られたデータに句読法、冠詞、前置詞、語彙選択、時制、態、不要語、必要な語の欠落、分割、統合、表現など20種類のエラーをタグ付けした。その結果、語彙選択上の誤りなど、動詞に関する誤りが多いことがわかった。そこで、動詞を中心に分析した結果、(1)名詞との不適合、(2)be動詞・一般動詞の混乱、(3)日本語の影響を受けたもの、(4)アクションイメージの欠如、に分類できた。
 本研究では和文英訳の質問紙を用いた調査(高校生650名、中学生300名、大学生1450名)の結果が報告された。質問紙は穴埋め形式で以下のようなものである。

[和文]朝食は何を食べますか?ふつうごはんを食べます。
[英文]What do you have (eat) for breakfast? I usually have (eat) rice.

 自由英作文のデータではなく、質問紙を用いて短文レベルの英語を分析するという手法は大規模調査において有効であり参考になった。このような研究に共通することだが、エラーのタグ付けをする際に何を参考にしたのか、及びその信頼性はどの程度のものか、またエラーの分類を行う際にはどうしても研究者の主観が入り込んでしまうが、分類が重複すると思われる際にはどのように解決したのか、について詳しく知りたいと思った。

西本有逸・新城岩夫・佐藤雄大・水野邦太郎
シンポジウム「認知・脳・社会文化を統合する視座と実践」

 大会のテーマにもなっている3つの視点を統合する試み(認知や脳についてはあまり触れられていなかったけれど)。その中で,水野邦太郎先生が実践されるIRC (Interactive Reading Community) http://ilc.eknowhow.jp/ の紹介を社会部中的な枠組みで説明された。社会文化的アプローチを取り入れるとどうも議論が哲学的になったり抽象的になったりしてしまいがちなのだけれど,実際にこのような試みとして行なわれているのは注目に値すると思う。

 
青木千加子
「プランニング活動としてのCMC (Computer-Mediated Communication)がもたらす第二言語習得への可能性」
 
 プランニング時に用いるチャットと,後のスピーキングタスクにおける意味交渉の分析。非英語専攻の大学2年生14名を対象とした。チャットのログとICレコーダーを用いて録音したグループディスカッションログデータはCOLTを用いて分析した。うーん,いろいろ思った気がするけど記憶が無い。

Spada, N., & Frohlich, M. 1995. COLT Observation Scheme. National Center for English Language Teaching and Research.

竹井光子・岡田あずさ・大澤真也
「効果的なブレンディングを目指して:第二言語習得研究からの示唆」

 広島修道大学で2007年度から導入された「修道スタンダード」と呼ばれる科目群の中に位置する「e-learning英語」をどのように改善してきたかということに関する実践報告。2007、8年の反省から授業外におけるeラーニングと授業内における対面学習をどのようにブレンディングさせるかについて、2009年度から行った授業についての報告を行った。キーワードは第二言語習得におけるinput, attention, noticing, focus on meaning, focus on form, explicit grammar instruction, outputなど。発表においてはTOEIC Bridgeのスコアの伸びなどの提示しながら説明を行った。
 このような実践報告にはつきものであるが、スコアの伸びがどの要因に起因するものかは明らかではない。このあたりの評価法については今後検討していく必要があると思われる。けれどもこのような場で問題意識を共有し、今後のeラーニングの発展について考えていくことは非常に重要だと思われる。

宮添輝美・神田明延
「LMSを用いたEFLブレンド型授業設計: BBSディスカション、Blog、Wikiを用いて」
LMS(Learning Management System)、moodleに展開したブレンド型の英語ライティングの実践例についての報告。moodleを使った実践はやはり面白そうだ。

小山敏子 「電子辞書使用の方略指導」

 以前に行った実践で暗示的に方略指導を行った場合にはあまり効果がみられなかったので、今回は明示的な方略指導を行った。対象は人文学部2年生14名で読解力を養成するクラス。事前に実施したクローズテスト(45語)の結果から、習熟度は初中級レベルと考えられる。テキストのユニットごとにジャンプ機能を用いて英英辞典で調べて記述する自宅学習用のプリントを用意した。このプリントの活用を動機付けるため、ユニット終了後に行う復習テストには語彙の定義を選択肢から選ぶ問題も設け、学習者はテスト時にプリントを用いることができた。
 このタスクを8週間実施し、実施期間の最初と最後に英文読解問題を配布し、電子辞書を用いて解答させた。またこのときに各自がとった辞書検索行動をたずねる質問紙を配布した。質問紙の内容としては

「辞書を引く前に、調べたい単語の意味を推測した」
「目的の単語を見つけてから、発音記号をチェックして、実際に発音してみた」

など。結果、明示的な方略指導は十分に定着していないことが示唆された。

 継続的な調査に基づき、実践をされているということで非常に参考になる。けれども、調査研究という意味では幾つかの疑問も残った。

1)        明示的、暗示的指導という言葉を用いているが、言語習得で用いられる明示的・暗示的という言葉との齟齬があり、誤解が生じるのではないか。
2)        学習者は賢いので、プリントを行う際に「テストで点数を取れる」ための辞書検索方略を身につけたのではないか。テストにおける語彙を問う問題が選択肢であることから、電子辞書を活用しなかった可能性も考えられるのではないか。
3)        電子辞書を利用する最終的な目標は何なのだろうか。方略を効果的に用いて語彙の習得、あるいは英語力を向上させることだと考えると、指導前後における使用法略数の増減だけでは理解できない側面もあるのではないか。

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 最近恒例になりつつある学会出張ウィークの第1弾。外国語教育メディア学会にはあまり知り合いがいないのだけれど,業者さんの展示という意味ではこの学会が一番だと思われます。

2009年8月7日金曜日

人と土地

 旅行先に行って良い印象を持つか悪い印象を持つか、それはその土地の風景や食べ物によるところも大きいけれど、何よりもその場所で出会った人の印象が大きい。一人でも嫌な人に会えば嫌な思い出しか残らないし、一人でも素敵な人に出会うととても良い印象を持つ。
 仕事の関係で出張をすることがあるけれど、その土地に行き、その土地に自分とゆかりのある人がいると何だか楽しい。今は鳥取。誰も知っている人がいない土地だなぁと思っていたけれど、ふと卒業生でアナウンサーをしている子がいる土地だということに気が付いた。それだけで鳥取に対するイメージが変わってくるから不思議。

話は代わり・・・
 今日出張先に向かう新幹線で通り過ぎた土地に住む卒業生から、8月6日に無事子どもが生まれたという連絡がきました。Y岡(旧姓)さん、おめでとう。素敵なお母さんになってね。

2009年8月4日火曜日

そういえば7月22日は・・・

 皆既日食(Total Eclipse)が地域によっては見られる日でしたね。学内でもみんな騒いでいたけれど,結局特別な眼鏡等の装備品が無いと直接太陽を見ることができないし,天気も曇り空だったことも合って,何だか感慨が薄かったような。。。「1998年にイギリスにいた頃に見た皆既日食の方がすごかったよなぁ」なんて思ってその時の日記を読み返してみた。

====以下1998年8月11日の日記からの抜粋====
(略)
 皆既日食の方はどうだったかというとやっぱり天気が災いしました。時折思い付いたように綺麗に顔をのぞかせてはくれるものの、殆どは雲の間に隠れてしまって綺麗には見えませんでした。でも一番太陽と月が重なる時間帯にはあたりが少し暗くなって幻想的な雰囲気でした。これで晴れてさえいればねえ...残念です。

今回の皆既日食、もう大騒ぎで中にはその為にわざわざツアーで皆既日食がよく見える土地へ出かけていく人もいました。自分の家に帰ってテレビでその光景を見たのですが、コーンウォールなんかはもう人が沢山!!でもせっかくなのにこれだけ曇ってしまっていたら、感動も薄れてしまうでしょうね。ただ驚いたことには、やっぱりテレビで見ると綺麗にダイアモンドリングが出来ていたし、コーンウォールなんかは綺麗に太陽と月が重なるので、まさに夜と見間違えるくらいに辺りが真っ暗になっていました。やっぱり自然の力って凄いと同時に美しいですね。これからはこういう◯◯年に1度!!という大切な時はきちんと見るようにしようと痛感した日でした。でも個人的には何かにつけて大騒ぎするイギリス人の方が面白かったです。だって、よく日本人は何でもかんでも大騒ぎしてお祭りにしたがるって言いますけど、そんな事言ってたらイギリスはどうなるんだろう。今回の皆既日食も80年に1度って騒いでいたけど、実は再来年にはどこか他の地域で見られるそうですし..。何かイギリス人って大袈裟です。
====ここまで====

 ん,何か冷めてる。今と似たようなこと書いてる。ってことは10年以上進歩無しか,自分。。。ちなみにこの時は1998年で,「ノストラムダムスの大予言」だの「世紀末」だの大騒ぎしていた時代でした。

 なぜ,こんな日記を書いたかというと明日から行く神戸出張でその時一緒に皆既日食を見た友人に久々に出会うからなのです。イギリス以来なので10年ぶり!!!楽しみです。

2009年7月21日火曜日

生きています

 前回の日記以降。。。山口の大島(遊び)行ったり,新潟行ったり(仕事),山口市行ったり(仕事),週末出勤してみたり。とドタバタしていて気付いたら学期末。これから7月末までは授業数が減っていくのでペースダウンできる一方,恒例の試験及び採点業務に突入します。そしてそれが終わったらまたもや恒例の学会出張ウィークに突入。ということでお盆休みまで週末はほぼありません。お盆が終わったら仕事のような遊びのような,ちょっと大変すぎて笑ってしまいそうな仕事も待ち構えていますが,この詳細はまた後日。
 5月末に体調を崩してしまい,まだ本調子とは言えないまでもほぼ回復。精神が悲鳴をあげなくても肉体は悲鳴をあげるんだなぁと痛感。四捨五入すれば○○歳ということで,若者ぶって無茶遊びせず節制しなさいというお告げでしょう。

 しかし広島は未だ梅雨明けせず,人間自体も湿気気味。嗚呼,太陽がさんさんと降り注ぐ南国へ現実逃避したい。。。

 

2009年7月14日火曜日

第39回日本コミュニケーション学会

 2009年6月27日(土曜日)~6月28日(日曜日)に新潟青陵短期大学部にて行なわれた日本コミュニーション学会に参加した。参考までに以下幾つかのタイトルを。

「初年次教育とコミュニケーション教育の接点を探る」
司会:吉武正樹(福岡教育大学)
発言者:川島啓二(国立教育政策研究所高等教育研究部)
討論者:松本茂(立教大学)

なかなか面白いメンバーなので活発な議論を期待した。実際理路整然と議論は行なわれた訳だけれども,どうもお互いの主張が平行線をたどっているような気がしてしまったのは気のせいか。お互いが未知の分野との接点を探るというのがテーマな訳で,今後お互いの理解が深まっていくにつれて議論が成熟していくのだろうか。

「アジアからのカルチュアル・スタディーズー他者=表象としての「アメリカ」と戦後日本ー」
吉見俊哉(東京大学大学院教授)

若々しく情熱的な喋りをする方で期待したのだけれど,カルチュラル・スタディーズは何ぞやという話に時間を費やしすぎて,表象としての「アメリカ」という話があまり聞けなかったのが残念。パワーポイントのスライドを見る限り貴重な資料を沢山有しており面白そうだったのだけれど。。。

 その他にもいろいろ発表を聞いたのだけれどここでは割愛。実はこの学会に所属しようと思った理由は「コミュニケーション」を幅広い視点から捉え直すという学会の趣旨,そして特定の分野に限定しがちな学会が多い中でこのようなある種雑多な雰囲気がある学会が好きだったからなのです。最近は特定の分野との関連性を探ることがテーマとなっているようで,今年はカルチュアル・スタディーズとの関わりがテーマだった訳だけれども,何だかそのテーマが上滑りしてしまっている気がする。ちょっと前までの野性味あふれる訳のわからない位雑多な雰囲気が失われつつあるのはちょっと残念かなぁ。。。

 そしてこの学会に参加した時は体調不良だったため,お酒等全く飲めなかったというのも敗因の1つか。

2009年6月4日木曜日

猿も木から落ちる

 朝,いつものようにバス通勤,始発に乗って大学へ。この4月からのダイヤ改訂で,この始発バスは以前とは違う場所に停まるようになったのだけれど。。。

 なぜか今日に限って運転手さん,間違って旧ダイヤ時のバス停に停まって平然とお客を降ろしている。新ダイヤで停まるべきバス停に停まると思い込んでいた学生たち,慌てて降りる。しかも無言で。運転手さんもこういう間違いするのね,と何だか嬉しくなって降り際に「今日はいつも停まるバス停に停まらないんですか?」と聞いてみる。運転手さん,怪訝な顔をしながら停留所の一覧が書いた紙を見ながらはっと気付いた!!

運転手さん「す,すみません!!すぐそのバス停に行きますので!!」
僕「(いや,もう歩いてバス停に向かった方が早いし)いや,今日は良いですよ」

 という会話をして停まるべきだったバス停に歩いて向かう。すると,そのバス停に着くか着かないかのタイミングでさっきまで自分が乗っていたバスが猛スピードで本来のバス停に到着。余程焦ってたんでしょうねぇ。いや,何だか悪いことしちゃったかなぁ。。。

毎回のように間違えられるのは嫌だけど,たまーにこういう間違いに遭遇すると何だかラッキーな気がするのは僕だけだろうか。ちなみにそんな状況に遭遇しても文句一つ言わず降りていく若者たち。一方で一言言わなきゃ気が済まない大人(=自分)。

ある意味ジェネレーションギャップ。

2009年6月1日月曜日

日帰り東京出張

 5月29日(金曜日)公務により東京日帰り出張。できることなら飛行機を使いたくない2名で新幹線を使って東京出張。

*始発の新幹線朝6時発
 グリーンプログラムで,丁度グリーン席に乗れたので生まれてはじめてグリーン車に乗る。人少ない,席広い,乗務員(?)来過ぎ,おしぼり高級(たくさんもらえるので,お土産に最適)。

*午前10時東京着,11時目的地着
 何度来ても東京は都会だべ。
*午前11時~12時目的地にてお仕事
 結構待たされた。
*午後12時~午後2時緊急事態発生にて急遽缶詰になりお仕事
 予想外の展開。まあそれはそれで楽しい。
*午後3時過ぎ 帰りの新幹線
 新幹線内で瀕死。
午後7時過ぎ 広島着

~      その後飲み会

朝4時30分起床で始まった長~~~い一日が終わった。移動時間8時間以上,東京滞在時間4時間。というとっても素敵な一日。

東京での収穫:東京駅で高見山(現東関親方)に出会った。でかかった。

2009年5月19日火曜日

携帯電話中毒(依存症)チェック

 今や一人一台の携帯電話。生活の一部というより体の一部と感じている人も多いのでは?以下某テレビ局で紹介された携帯電話中毒のチェックについて。

1)一人の時は必ず携帯電話を見ている


2)食事をするとき、必ず携帯電話を見ている


3)朝起きると必ず携帯電話を見る


4)家の中でも、携帯電話を持ち歩く。さらに風呂やトイレにも持って行く


5)いろいろな震動にすぐ反応する


6)圏外の場所には居たく(行きたく)ない


7)メールを送信してすぐ返事が来ないとイライラする。返事が来るまでずっ待っている


8)通話料金が月5万円を超える


9)通話料金が払えなくて携帯電話が使えなくなったことが何回もある


10)メモリーに電話番号やアドレスが200人以上保存してある



5つ以上当てはまると中毒の可能性あり,らしい。



「中毒,依存症」という言葉が毒々しいのだけれど,携帯電話を触っていないと落ち着かない人が増えている時代において,携帯電話との付き合い方を考え直す時期がきているのかもしれない。とは言え携帯電話のマナーを知らない中年の人や,携帯電話を携帯しないような僕にも問題はありかな。

携帯電話中毒(依存症)チェック

 今や一人一台の携帯電話。生活の一部というより体の一部と感じている人も多いのでは?以下某テレビ局で紹介された携帯電話中毒のチェックについて。

1)一人の時は必ず携帯電話を見ている


2)食事をするとき、必ず携帯電話を見ている


3)朝起きると必ず携帯電話を見る


4)家の中でも、携帯電話を持ち歩く。さらに風呂やトイレにも持って行く


5)いろいろな震動にすぐ反応する


6)圏外の場所には居たく(行きたく)ない


7)メールを送信してすぐ返事が来ないとイライラする。返事が来るまでずっ待っている


8)通話料金が月5万円を超える


9)通話料金が払えなくて携帯電話が使えなくなったことが何回もある


10)メモリーに電話番号やアドレスが200人以上保存してある



5つ以上当てはまると中毒の可能性あり,らしい。



「中毒,依存症」という言葉が毒々しいのだけれど,携帯電話を触っていないと落ち着かない人が増えている時代において,携帯電話との付き合い方を考え直す時期がきているのかもしれない。とは言え携帯電話のマナーを知らない中年の人や,携帯電話を携帯しないような僕にも問題はありかな。

2009年5月11日月曜日

年齢チェック(!!音量に注意!!)

 若者には聞こえて,年齢を重ねるにしたがって聞こえなくなる高周波の音があるらしい。この特性を利用して,夜中にたむろする若者を撃退する装置として開発されたのがイギリス発祥“Mosquito”。今後日本の幾つかの公園にも設置されるようですね。でも,一方で大人に聞こえないのを良いことに,授業中に携帯電話やメールの着信音として利用する人たちもイギリスではいるようです。おそらく日本でもそう遠くない日にそういう現実が訪れることでしょう。ちなみにその音を聞けないのかなぁと思ったらさすがYouTube。“Mosquito Sound”というキーワードで検索すると幾つか出てくるので,興味のある人はご自分で探してみて下さい(!注意!!「若い」人たちはスピーカーの音量を小さめにして聞いて下さい。若くない人たちも念のため小さめでお願いします)

?僕は聞こえたかって?いや,もちろん自称若者ですからねぇ~(ご想像にお任せします)。

年齢チェック(!!音量に注意!!)

 若者には聞こえて,年齢を重ねるにしたがって聞こえなくなる高周波の音があるらしい。この特性を利用して,夜中にたむろする若者を撃退する装置として開発されたのがイギリス発祥“Mosquito”。今後日本の幾つかの公園にも設置されるようですね。でも,一方で大人に聞こえないのを良いことに,授業中に携帯電話やメールの着信音として利用する人たちもイギリスではいるようです。おそらく日本でもそう遠くない日にそういう現実が訪れることでしょう。ちなみにその音を聞けないのかなぁと思ったらさすがYouTube。“Mosquito Sound”というキーワードで検索すると幾つか出てくるので,興味のある人はご自分で探してみて下さい(!注意!!「若い」人たちはスピーカーの音量を小さめにして聞いて下さい。若くない人たちも念のため小さめでお願いします)

?僕は聞こえたかって?いや,もちろん自称若者ですからねぇ~(ご想像にお任せします)。

2009年5月10日日曜日

人間の単語認知能力

 つい先日2ch発でmixiニュースにも取り上げられた人間の単語認知能力について。

Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn't mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. The rset can be a toatl mses and you can sitll raed it wouthit porbelm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.

こちにんは みさなん おんげき ですか?  わしたは げんき です。 この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか にんんげは たごんを にしんき する ときに その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。 どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?

以上の英語,日本語の文章を読めちゃうのは何でかということ。何となーく理由はわかっちゃいるけど,実際やってみると驚き。

このような情報が出回った経緯(日本語版)。


2009年4月27日月曜日

学士課程教育の構築に向けて

 「学士課程教育の構築に向けて」という答申が大学業界を揺るがしている。先日それにともない本学においてもFD研修会が行なわれた。
 詳細は文部科学省のホームページに記載されてあるので省略。今回は本学の2名の教員が答申を批判的に検討する形で説明をされたのだが,一人の方が言われた「黒船」という言葉が心に残った。まさに大学教員にとってこの答申は黒船,寝耳に水であり,今後焦らず落ち着いて対応をしていくことが求められる。しかし一体大学教育はどこへ向かおうとしているのだろうか。社会への説明責任という観点から,一定のルールづくりをしていくことは理解できる。但しもともとそういう人材を大学教員として採用していないというのが問題ではないのか。最近大学教育では,アドミッションポリシー,カリキュラムポリシー,ディプロマポリシーという3つを考慮に入れなければいけないと言われている。乱暴にまとめてしまえば,入学試験で問う能力,大学4年間で教育する内容,卒業する時に要求する能力が一致しなければいけないのだ。それは学生に限らず教員にも言えるのではないだろうか。一部の大学や分野では既に模擬授業なんぞが大学教員採用の際に課されることもでてきたけれど,現段階では多くの教員がそんな教育手法を知らない,あるいは興味が無いというのが実情ではないのだろうか。
 大学教員の仕事には教育,研究,大学運営業務の主に3つがあるが,全ての仕事に長けている人は非常に稀である。程度の差こそあれ,得意不得意がある。だから各教員の特性に応じたルールづくりをしていかないと今後大学教育自体が行き詰まってしまうのではないだろうか。例えば研究は得意だけれど教育は苦手だという人には少し甘めのルールを適用するとか。。。
 この答申をそのまま受け入れれば社会の説明責任を果たすと同時に,面白みの無い大学が増えるかもしれない。今後あり得なさそうでもしかしたらあり得そうな大学教育改革。

1)大学教員免許制
  中,高校と同様,免許を取得するための課程を修了しなければならない。
2)大学教員免許更新制
  3~5年ごとに免許更新講習を受講しなければならない。
3)大学教員教授法研修会
  新任大学教員(あるいは不適格大学教員)は教授法の講習を受けなければならない。

営業電話

 4月6日の日記にも書いたけど,「個人情報保護法案」が全く役に立っていないということは理解したつもりです。営業電話をしなきゃいけない業種があるのも理解しているつもりです。ですが,営業電話のかけ方にも一定のルールがあるはずでは?それも知らないで営業電話をしているとその業種全体のイメージが悪くなるので止めた方がよろしいのではないかと思います。

その1)会社を名乗る
 以前自宅にかかってきた電話は「田中ですけど,奥様いらっしゃいますか?」とお名乗りになられる。?どこの田中さん?奥様の知り合いだといけないので受話器を渡すと,単なる営業電話。男性には話す気は無いのですかね?それとも「奥様=楽勝」だとお思いなのでしょうか?全国の奥様方を敵に回すその戦略は止めた方がよろしいのではないでしょうか。せめて会社名を言って下さい。

その2)電話をきちんと切る
 脈無しと思えばいさぎよく「それでは,またの機会に」なんて言われるとこちらも良い気分で電話が切れるもんです。脈無しと思った瞬間にプチっと無言で電話を切るのは止めた方が良いのではないでしょうか。相当腹立たしいです。というかその業種全体に不信感を抱き,今後一切かかわりを持たないでおこうと思います。せめて上手に電話を切る方法を勉強して下さい。

 こんな日記を書いているのはつい先程その2の電話がかかってきたから。その後至る所で電話の着信音が鳴っているから,おそらくうちの大学の電話番号に片っ端からかけていると思われます。大学教員として学生に社会人としてのマナーを教えているつもりですが,こんなマナーを知らない会社があるのでは意味が無いと思った今日の出来事。

営業電話

 4月6日の日記にも書いたけど,「個人情報保護法案」が全く役に立っていないということは理解したつもりです。営業電話をしなきゃいけない業種があるのも理解しているつもりです。ですが,営業電話のかけ方にも一定のルールがあるはずでは?それも知らないで営業電話をしているとその業種全体のイメージが悪くなるので止めた方がよろしいのではないかと思います。

その1)会社を名乗る
 以前自宅にかかってきた電話は「田中ですけど,奥様いらっしゃいますか?」とお名乗りになられる。?どこの田中さん?奥様の知り合いだといけないので受話器を渡すと,単なる営業電話。男性には話す気は無いのですかね?それとも「奥様=楽勝」だとお思いなのでしょうか?全国の奥様方を敵に回すその戦略は止めた方がよろしいのではないでしょうか。せめて会社名を言って下さい。

その2)電話をきちんと切る
 脈無しと思えばいさぎよく「それでは,またの機会に」なんて言われるとこちらも良い気分で電話が切れるもんです。脈無しと思った瞬間にプチっと無言で電話を切るのは止めた方が良いのではないでしょうか。相当腹立たしいです。というかその業種全体に不信感を抱き,今後一切かかわりを持たないでおこうと思います。せめて上手に電話を切る方法を勉強して下さい。

 こんな日記を書いているのはつい先程その2の電話がかかってきたから。その後至る所で電話の着信音が鳴っているから,おそらくうちの大学の電話番号に片っ端からかけていると思われます。大学教員として学生に社会人としてのマナーを教えているつもりですが,こんなマナーを知らない会社があるのでは意味が無いと思った今日の出来事。

2009年4月23日木曜日

無料で使えるオンラインストレージ

無料で使えるオンラインストレージ。確か2GBまで使えるはず。既に使用している人からの紹介だと3GBまで。個人のフォルダとして,そして他の人との共有フォルダとして,使い方様々。アップロードしたドキュメントを加工したらすぐに反映されるし,万が一間違えてドキュメントを消してしまったりしてしまっても,履歴をさかのぼって以前のものを復活できる。
 基本は機種を問わずそれぞれのコンピュータにソフトウェアをダウンロードして使用するのだけれど,ブラウザ経由でもファイルのアップロードなどは可。
 “Dropbox”というキーワードで検索すれば「使い方」を書いたウェブサイトは沢山見つかるので省略するけれど,Mac使いの人,複数のコンピュータを使っている人にとってはまさに素晴らしすぎるストレージ。お勧め!!現在同僚の人たちと試験的に利用中。さすがに個人情報をアップロードなんかはできないけどね。

http://www.getdropbox.com/ ←ここから(3GB欲しい人は言って下さい。紹介しますので(笑))。

 このDropboxとGoogleドキュメントさえあれば場所を問わずUSBを持ち運ばす仕事が出来るね(Googleドキュメントのインターフェイスは洗練されていないからあまり好きじゃない)。ま,実際するかしないかは別にして。

 以前から薄々気付いていたのだけれど,ガジェットとかコンピュータで使えるソフトウェア系に興味があるらしい。。。こういうの見つけるのって趣味の欄に書けるかなぁ。オタクっぽいけど。最近は機種に依存しないブラウザベースのソフトに興味があるので,いつかまた紹介したい。

10月14日追記
SugarSyncも無料で2GBまで使えます。一長一短みたいですけど。

2009年4月22日水曜日

広島路面電車事情

 どこかの情報によれば広島の路面電車の路線網は日本最大なのだとか。ということで,広島の路面電車は安いし結構広範囲移動できるのですが,いざ自分が通勤に使うようになるといろいろと問題点あり。

1)人多すぎ
  とにかく人が多い。特に通勤/通学ラッシュ時。宮島線で良く走るグリーンムーバー(?)は変にオシャレに椅子を配列して椅子の数が少ないので,立たなきゃいけない乗客多数。そこで,以下解決策。

解決策
a)畳電車
 立たざるをえない,ではなく座らざるをえない。そこかしこで団らんの花が咲く。
b)移動式ビアガーデン
 夏限定。屋根の上に「屋外シート」作って酒飲みながら帰れるとか。キャッチフレーズは「え?酒飲んでたら家に着いちゃった!」なんてどうですかね。
c)驚異の20連結車両
 人が多いなら車両連結しまくっちゃえ!ただそうするとホームからはみでて乗客の乗り降りができなくなるので,ホームを「動く歩道」みたいにして,電車と同じ速度で移動させる。電車はホームに近づくと停止するのではなく,超低速運転になり,みんな順次降りていく。イメージわかりにくいかなぁ。。。

2)夜は酒臭すぎ
  広島市内中心部から乗ってくる人がいるので,ある時間帯以降一気に酒臭くなる。自分が酔っぱらいの時は気にしないくせに,仕事帰りにしらふで乗ると堪え難い。ま,人間不思議なもんで慣れてきて気にならなくなるんだけど。

解決策
リセッ○ュ,とかファブリー○とかを車掌が常備する。酒臭い人がいたら,「失礼しまーす」と言ってシュッする。シュッは5回までオッケー。

3)ぶつかられすぎ
  路面電車は押しボタンが無く,降りる時には運転手あるいは車掌がいる出口に移動しなければならないので,無言でぶつかられることが多い。日本人は公の場でのパーソナルスペースが異常に小さいことで知られているけど,何だか最近無言でぶつかられると無性に腹立たしいのは僕だけか。。。「最近の若者は」なんて言うけど,実はそういうマナー知らずは中年に多かったりする。

解決策
せめて「すみません」とか言えばいいのに。あるいは降りるっていう意思が表示されていれば良い訳で。ウルトラクイズ(まだやってるの?)みたいに頭に帽子被って,降りたい時には手元の押しボタンを押す。そうすると,「ピコーン!」と音が鳴って,帽子の上から「降ります!」という札が立ち上がるとかどうかな。そしてみんな譲り合って移動するとか。でも早押しなので,一番最後に押した人は降りれないという罰ゲーム。

2009年4月15日水曜日

トランペット

 小学校,中学校,高校,大学と部活やサークルを続け,そして大学院時代も不定期に続けてきたトランペット。社会人になってからは,仕事が忙しく練習をする時間が取れないため,押し入れの中に思い出とともにしまい込んでしまっていたトランペット。広島でバンドを組んでいる人たちに一緒に演奏しようと誘われてもなかなか気乗りしなかったこの10年間。だって一度再開してしまうと毎日のように練習しないと実力をキープできず,ストレスがたまるから。

 今の気持ち。。。あくまでも現時点での気持ち。再開したいなと思い中。ちっちゃな頃からお風呂に入れたり,一緒にお風呂に入ったりして親戚というか友だちみたいに付き合って来た姪っ子が,転校を機に楽器を始めたのですよ。しかもトランペット!昨日電話で嬉しそうにトランペットを吹いたことを話する姪っ子に,思わず「じゃ,今度一緒に演奏しよう!」と言ってしまったのです。勢いで。すると電話を切る間際に「じゃ,またねトランペット先生。」と言われました(笑)。小学校4年の子に。

 何だかその言葉がむず痒いような嬉しいような気がして,これを機に楽器を再開するのも良いかなと思った次第。しかし,10年も押し入れにしまっていた楽器はどうなってるんだろう。開けるのがちと怖い。そして次に姪っ子に会うのはゴールデンウィーク。1ヶ月も無いのに間に合うかどうか。。。

2009年4月14日火曜日

広島おすすめスポット

 週末久々に遠出をして広島市庄原市にある国営備北丘陵公園 に行ってきた。週末ETCを利用すれば1000円ということで,高速から降りる時にゲートの表示を確認してささやかに喜んだりしつつ。都会の方では混雑しているようだけど,広島レベルの地方都市だと少し交通量が増えたとは感じるものの渋滞が生じるほどではない(時間帯によるのかもしれないけど)。けど,グリーンディール政策なんて言っている今の世の中,わざわざ交通量を増やすような政策を実施するのは時代に逆行している気がするのは気のせいかなぁ。。。
 それはともかく駐車場代を除けばお一人様400円とお手頃な価格で広大な敷地内を散策できるこの公園はなかなか良い。今は5月6日まで春まつり開催中で花満開。この期間中には無料入場日なんてのもあるので行ったことが無い人は是非どうぞ。さすが某亀井さんの肝いりで作ったとあり,なかなか立派です。天気の良い日に車で一時間位車で飛ばし公園に着いた後は,自転車をレンタルして公園内を走りまくるというのもまた一興。マスコミが不安感を煽るようなワイドショー的なニュースを垂れ流している中,こういう所に来るとまだまだ日本は平和だと感じることができてほっとします。花を愛でる老夫婦。初デート(?)で花の前で初々しく携帯で写メを取る恋人同士。公園の遊具で嬌声を挙げる子どもたち。一方でテントを張り,その下でビールを飲みつつくつろぐ大人たち。。。などなど。この公園はクリスマスイルミネーションなど1年中何かしらのイベントをやっているので,これからの季節楽しめる場所のはず。

その他,ここ やらこんなイベント なんかもこの季節良いですな。もう既に終わりつつある短い春を満喫しましょう。

2009年4月13日月曜日

あれは・・・

 今日大学に来て早朝に目があったあの人は・・・これ だと思う。違うかな。。。

2009年4月8日水曜日

最近感動したこと

 オフィス用品通販会社のアスクル(Askul) 。注文した次の日に来るから「明日来る」。会社に勤めている人は知っている人が多く,僕も名前だけは聞いていたのだけど,法人対象ということで使ったことがなかった。今回個人用の「ぽちっとアスクル」があることを知り,連続で注文。

感想:ほんとに次の日来る。。。

 年度始め授業の準備でドタバタの中ちょっと感動したことでした。しかし,何でも買えるな,ネット上で。

2009年4月6日月曜日

個人情報保護法案?

 ってのが数年前に成立しましたっけね。一応個人情報というのは保護されているんでしたっけね?本学ではこの法案が成立した時に「個人情報の保護」についてeラーニング形式で勉強をさせられまして,個人情報の大切さについて考えました。おそらく,多くの会社がそうでしょう。でもどこの大学(友人の会社でもそうらしい)でもそうだと思うんですが,大学しかも個人研究室あてにかかってくる営業電話の多いこと!!!

特徴
1)非通知でかかってくる
2)営業タイム?なのか電話の向こうでは複数の人が営業電話をかけているらしき声がする
3)基本的にはお金儲けの話
4)個人情報入手の方法について聞いても「問題ありません」と言う

 こんな地方のちっぽけな私立大学の名簿も入手しているのだから,名簿の流出ネットワークはすごいと思う。だったらそのネットワークを利用して是非「こいつは営業しても脈無し」という情報も各会社で共有してほしい。毎回のように同じ系統の違う会社から電話がかかってくるのは疲れるので。。。

今まで実際に経験した失礼な営業(訪問も含む)。

その1)
「その気は無いですから」とやんわり断っているのに,「でもですね,先生!先生!先生!」と「先生」を連呼しながらにじり寄って来る営業マン。

その2)
年末の忙しい時期にやって来て「ね,今決めないとね。もしかすると年末年始の忙しい時に何かあるかもしれませんから」と不吉なことを言う保険営業マン。

その3)
あまりにもしつこく電話をしてくる営業マン中田さん(仮名)。こちらは勤務時間内にもかかわらずあまりにもしつく電話してくるので,ある日電話を取った時に「あのね,中田さん。中田さんでしょ?」と問いかけると,「いえ,中田は会社を辞めました」という営業マン(どう考えても同じ声)。

 中には話が面白く,ついつい話を聞いてしまう営業マンもいることはいるのだけれど,それはごく一部。営業する人もお仕事でしょうが,こちらもお仕事中なのです。

拝啓 営業マン様。お仕事お疲れさまです。お金儲けの話の件ですが,残念ながらそういったことに時間を割く余裕がありません。というかその前に資金がありません。よろしくご配慮のほどお願い致します。 敬具

2009年4月2日木曜日

Mac(Leopard)について学んだこと:覚え書き

その1:(複数の)文書を開かずに一気に印刷してしまいたい時
→「システム環境設定」→「プリントとファックス」→「プリンタリスト」の中のアイコンをデスクトップにドラッグ&ドロップしてエイリアスを作る

あとは,印刷したい(複数の)文書を選択して,プリンターのエイリアスにドラッグ&ドロップするだけ。

その2:バックアップを簡単に取る
iBackup を使う。無料なのにとっても便利。

何でもかんでも便利なソフトウェアを探して金を出して買うという癖がついていたのだけど,頑張って調べてみれば無料でもいろいろ出来ることを今更発見した。というか,その1なんて知ってて当然?!今までわざわざマイクロソフトワード立ち上げてメニューからプリント選んで。。。なんて非効率な作業を毎回やっていたことに愕然とした。

2009年4月1日水曜日

寒い4月1日

 4月1日本学体育館で肌寒い中入学式。初々しい学生たちを見るという意味では入学式に参加するのは良いのだけれど,体育館寒すぎた。。。そして毎年感じることだけれども,大学の学年暦が飽和状態になり,研究に集中できる夏休み/春休みはどんどん短縮傾向。どうやら来年度はもっと休みが短くなるらしい。気持ちが寒い。そして初日から会議連続。夕方から歓送迎会。数年前からアルコール禁止になった歓送迎会。お酒を飲む機会が好きな身としてはこれまた寒い。もしも大学内禁酒の理由が「教職員の飲酒運転などを未然に防ぐ」ということなのであれば,歓送迎会に参加する前に「私は飲酒した場合運転しません。万が一飲酒運転した場合は一切の責任を私個人が負います」という誓約書を書かせてでもアルコールを提供してほしいと思うのは僕だけか??
 お酒の席というのは人間関係を築く上でとても重要だと思う。アルコールの入った人たちがどのように振る舞うかを見ることで,その人の人間性がわかると言っても過言ではない。お酒が入ってしまったが故のちょっとした失敗を軽蔑したり責めるのではなくお互いに笑い合えるようになると,その組織は健全だと思う。もちろん「お酒は友好関係を築く」と同時に犯罪につながりかねない諸刃の刃ではあるのだけれど。

 そんなことはともかく4月1日。全てのスタート。今年も良い年度になりますように。新入生の皆さん,今の志を忘れずに。在学生の皆さん,大学に入学したときの新鮮な気持ちを思い出して頑張りましょう。

2009年3月31日火曜日

学生ピア養成合宿

 2009年3月27日(金)~28日(土曜日)にかけて、広島修道大学学習支援センターの分室として2008年後期に設立されたピアカウンターを中心にして、学生ピア養成合宿(研修会)が開催された。これは全国的に広まりつつあるピア(SAやTAとも異なり仲間として受講生に接する立場)活用の試みで、2009年度から実際に授業に参加し下級生に接するピアたちを対象にした研修会として1泊2日で行われた。

今回の研修のねらいと達成目標は以下の3点。

1)下級生に対するとき必要な対人コミュニケーションのあり方を研修する
2)グループワークにおけるリーダーシップの取り方を研修する
3)教材実習を通じて初年次授業のねらいや授業内容を理解し、自信をつける

1日目:ピアの形成、2日目:学習内容の理解というテーマで行われた。ちなみに1日目のスケジュールは以下のとおり。

14:00~14:30 「学生ピアとピアカウンター」、「1年生のクラスで注意したいこと」
14:45~15:45 「対人関係の築き方」
16:00~17:30 「仲間を知ろう」、「マナー研修」
19:30~21:00 「仲間を知ろう」

「対人関係の築き方」では実際に臨床心理士として活動していらっしゃった本学の先生に講演をしていただいた。

 よりよい人間関係のためには理論として、「尊敬」、「共感」、「理性的」、「主張的」というキーワードが必要。それを元に実践として、1)傾聴すること、2)勇気づけの3原則、3)「私」メッセージを使う、4)感謝の言葉を伝える、が重要であるという話であった。1)、3)、4)に関してはよく聞くことであるし、3)のように"I"つまり「私」を使ったメッセージを使うと命令口調になりにくいなどは聞いたことがある話だった。けれども2)の勇気づけの原則は興味深かった。それは「叱らない」、「ほめない」、「励まさない」ということである。単純に考えれば勇気づけるために逆の行為を行ってしまいそうなのだけれど、臨床心理学の立場から言えばそれらの3つはタブーなのだと言う。教育現場では単純に応用できないかもしれないけれど、非常に考えさせられる話であった。

 よく企業などで研修と称した合宿を行い、一種の宗教的団結力を培う場合があるけれど、正直こういった試みには懐疑的であった。けれども今回参加してみて、時間が経過するにつれぐんぐんと成長し、些細なことにも「有難う」ということばを素直に言えるようになっていく学生たちを見て、多くのことを学ぶことができた。ピアだの何だのというけれども、何よりもそういう学生が成長する場面に居合わせることができたことに幸せを感じた2日間であった。

2009年3月27日金曜日

公共機関って何ぞや?

 4月1日の年度始めを前に,バスの時刻表の改変が行なわれた。私が通勤に使っているバスの便数は。。。激減。行きのバスなんか,始発に乗り遅れたら乗り継いで大学まで来なきゃいけない!今まで大学から帰る便の最終は午後8時前だったのに,何と今後は午後6時20分台になる!それを過ぎてしまうと,乗り継ぎで帰らないといけない。おそらくこの4月からも土,日出勤は多いはずだけど,な,なんと土,日はバス無し!!!

 うむ,これは仕事をするな,という神のお告げだな,なんて呑気なことも言えず。公共機関でしょうよ,公の乗り物でしょうよ。時刻表改変の理由はありきたりの「利用者の少ない時間帯の便数は減らし。。。」って何人以下が少なくて,何人以上が多いのよ?ぎゅうぎゅうにお客を詰め込んで,みんな不快な思いをしている乗客を載せて走っているバス路線が健全で,ゆったりと座って読書なんかしている乗客が多い路線は不健全だと??うちの大学を経由する路線の中には売り上げに大幅に貢献しているものもあるのだから,少し位学生のことも(もちろん私のことも)考えて,不採算路線に優しくしてほしい。

 ということでこの4月1日からの私の行動
1)「いやー,バスが無いんですよー」と仕事を断りまくる。
2)借金を抱えて,もう少し通勤が便利な場所に引っ越す。
3)バス会社に優しく抗議する。
4)チャリ通勤

さ,どれにしよう。

2009年3月26日木曜日

広島市立大学の英語教育改革-「訓練科目」としての「CALL英語集中」と「指導科目」としての「英語応用演習」- 

2009年3月25日に本学において第3回初年次教育セミナー が行われた。

 講師は広島市立大学の青木信之、渡辺智恵両先生。講演題目は「広島市立大学の英語教育改革-「訓練科目」としての「CALL英語集中」と「指導科目」としての「英語応用演習」-」であった。広島市立大学では2003年に文部科学省のGPの補助金を獲得し、オンライン英語システムおよびカリキュラムの開発に力を注いできた。GPを獲得した時点でも本学にお招きし講演をしていただいたのだが、今回はいわゆるそのフォローアップという形。

 まずは青木先生が指摘する大学英語教育における3つの根幹的問題として,1)学習時間の絶対的不足、2)集中的な学習の不足、3)実践的に英語を使う機会の不足の3点を挙げた。

 それを元にコンピュータを用いた学習を導入し(400名もの履修者のクラスを一人の教員が担当)、その余力で少人数教育を実現した。具体的には2年間のカリキュラムで、

1年次:
TOEIC 前期:CALL英語集中・英語応用演習I,TOEIC、後期:II、TOEIC
2年次
III, IV

という形で2つの授業科目をペアにして実施し,前期末,後期末のTOEICの受験で点数の伸びを測定する。

 外国語学習はスポーツ・楽器の習得とほぼ同じと考える。訓練をコンピュータで行い集中的かつ大量の学習を行わせると同時に、指導科目において実践的に英語を使用させる。少人数クラスである「英語応用演習」では、15名程度でスピーキングとライティングをALL in ENGLISHで行う。そしてCALL英語集中は完全自習、初、中、上級に分け、能力別のクラス編成。2週間ごとに消化期限を設け駆け込みの学習を防止する。評価は消化率とTOEICの伸び率で行う。

伸び得点はTOEIC伸び(事後スコア-事前スコア)÷伸び余地(990-事前スコア)×100の計算式。

 約1時間の講演後、30分間の質疑応答を行ったが、熱のこもった講演にふさわしく、時間が不足するほど多くの熱のこもった質疑応答が行われた。

個人的な感想:
 e ラーニングを利用するメリットはその余力で少人数教育を実現できる所である。そういう意味でこのような「訓練科目」と「指導科目」の両輪を用いて英語教育を推進しようという考えは間違っていないし、今後の主流になるのではないかと思われる。最近eラーニング関連の研修会などに参加させていただいて思うのは、「eラーニングはあくまでもツールであり、適切な目的で適切な場面で用いなければいけない」ということ。eラーニングだから何でもできるのではなくて、eラーニングだからできることとできないことがあるのである。このような流れは非常に健全なものだと思う。その一方でいくつかの疑問も残った。今回の講演ではオフレコでTOEICの点数の伸び率なども見せていただが、どうも上級者にはeラーニングの効果が見られるが、下位者にはあまり見られないということである。それに関していくつかの説明もされていた(例えばeラーニングを行う際の集中力の欠如など)が、何よりもやはり下位者には昔ながらの手取り足取りの指導のほうが好ましいのではないかと感じる。自分ひとりできちんと勉強できれば学力の差なんか生まれないわけで、今後は全学統一のプログラムということを謳うよりも、レベルに応じたプログラムを考えていく必要があるのではないだろうか。それと今回の講演ではTOEICの伸び=訓練科目の成果と結び付けられているような印象を受けたが、2つの授業科目を実施しているのだから、指導科目における相乗効果もあるだろう。そう考えたときに指導科目ではスピーキングとライティングしか行わないのではなく、その他の技能も教えるとより効果が高まるのではないだろうか。

 何はともあれeラーニングを用いた先進的な取り組みから学ぶことが数多くある。今後は1)カリキュラムの中でのeラーニングの位置づけ、2)eラーニングで用いるコンテンツの開発、などを考えていく必要があるように思う。

2009年3月24日火曜日

終わりそして始まり

 3月20日卒業式。今年はゼミ生を持っていないので,直接指導した卒業生はいないのだけれど,着飾った学生たちを見ていると何だか感慨深いものがありますね。4年間をかけて成長していく若者たちを見ることができるのは,まさに教員冥利に尽きます。と感慨にばかり浸ってはおれず,始まりがくるわけで,明日から在学生が成績発表やら何やらで大学に戻ってき始め,新年度への準備が一気に加速します。カレンダーを見たり予定を立てていて「4月」という文字が目に入ってくると,この春休みに何も出来ていない自分を責めたくなったりして。
 そう言う時に限って学期中はひかない風邪をまとめてひいて,頭痛,関節痛,喉痛,胃もたれという全身総攻撃をくらってダウンして,やらなければいけない仕事が遅々として進まず。

2009年3月19日木曜日

1月は・・・

 1月は「行く」,2月は「逃げる」,「3月」は「猿」!!うきっ!

そういう駄洒落を言いたくなる今年度。大学教員の1年を語呂合わせで考えてみるとどうなるんだろうと,ふと思いつきでまとめてみる。

 4月「にかけ」
   年度始めで何もかもがドタバタ。
 5月「ールデンウィーク休憩」
   教員も小休止,学生も小休止。成立しかけた授業が崩壊する。
 6月「ろくでもない」
   あんまりイベントは無いが,その分お仕事満載。
 7月「転八倒」
   オープンキャンパスあり,学期末試験あり,の盛り沢山。
 8月「しご」
   教育関連の学会シーズン到来。1~2週間出張祭り。大学もお休みだったりするので,いろいろはしご。
 9月「悩」
   夏休みボケからのリハビリ。
10月「んでもない」
   いわゆる秋の入試シーズン。秋なのでなぜかみんな頑張る。会議だらけ。
11月「遠い年明け」
   秋の入試シーズン及び第2の学会シーズン。年明けが待ち遠しい。
12月「師走でごわす」
   だじゃれでも言いたくなる月。授業のまとめ,卒業研究など。クリスマスイブ?その日が授業日になってからというものそんなイベントは心の中から抹消した。
 1月「きおい勝負」
   学期末試験。風邪なんてひいて勢いに乗り遅れたら,とんでもないことに。
 2月「げたい」
   春の入試シーズン。逃げたい。でも受験生よ,逃げてはいけない。
 3月「る」
   学生が去る,年度も去る。でもやらなきゃいけない仕事は去ってくれない。

大学で教員を始めてからというものの,「お休み」(=実質のお休み+研究に費やす時間)が確実に減っているなぁ。

2009年3月18日水曜日

卒業生来学

 2002年に入学し,卒業した学生が研究室に遊びに来てくれた。どうやら同級生が結婚するようで,結婚する彼女にメッセージを書いてほしいとのこと。ママになっていたのは知っていたし,娘の写真も年賀状で見てはいたのだけれど,今回は生娘(なま・むすめ)と一緒に来てくれた。7ヶ月(?だったっけ)で小さくてとっても可愛い赤ちゃんでした。
 2002年。僕が大学で勤め始めた年。妙に張り切り妙にハイテンションで,そういう初な所を学生からも見抜かれ,その分学生からも可愛がってもらい。。。カラオケもまだ何とかお互いの時代が重なっている部分があったし,勝手ながら少し歳の離れた先輩,後輩という感覚で接していた時代。たくさんの学生が研究室を訪れて来たくれたけれど,彼女はその中でも4年間ずっとコンスタントに来てくれた子でした。すごく真面目ですごく優秀ですごく人当たりが良くて,でも僕には何故かぶっきらぼうで(笑)。そういうバランスの取り方をする彼女でした。久々に会って,娘が同級生同士(!)ということもあり子どもの話をしたり近況を話したり,1時間ほど話した後,「○○部の○○さんに挨拶に行きたい」という彼女。一緒にいろいろな部局を回り,人当たりよく笑顔で挨拶をしている彼女を見て何だかとても温かい気分になれました。
 2002年。僕にとって遅ればせながらの社会人1年生スタートの年。その年に偶然うちの大学に入って来た学生たち。しばらく音沙汰はなかったのだけれど,なぜか今年度は大学の英語セミナーのチケット手配をしてくれた旅行会社の人が2002年入学組だったり,廊下でばったり出くわした子が2002年組の証券会社キャリアウーマンだったり,と不思議な縁がありました。そういう嬉しい縁が来年度もあると良いなぁ。
 万が一このブログを見ている卒業生がいたら,懐かしがって僕にメールをするように!

2009年3月3日火曜日

広島工業大学moodle研修会

 3月9日(月曜日)広島工業大学で行なわれた教職員向けの研修会に参加した。広島工業大学でmoodleの利用を促進していこうということなのだろうけれど,学外者である私たちも快く受け入れて頂いたことに感謝。内容は,

〈第1部〉 入門編
13:40~14:40         LMS導入の意義、Moodleの特性等(携帯電話の利用等含む)。
〈第2部〉 応用編
14:50~16:20         Moodleのコンテンツ開発(オンラインドリル等)、授業設計・運営への活用方法、国内外の優れた導入事例等。

ということだったのだけれど,大学側が参加者ごとにmoodleを用意してくれていたようで,第1部にトークを集中し,第2部は実際にmoodleを利用してハンズオン的な形で様々な機能について学習していくという形であった。講師は柳沼 良知先生(独立行政法人 メディア教育開発センター 准教授),葉田 善章先生(独立行政法人 メディア教育開発センター 准教授)のお二人。

ネット上で公開されている教育用コンテンツなど。

NIMEglad (大学等が配信している教育用コンテンツを検索できる)
The Open University , UK(イギリスの通信教育用コンテンツ)
オンライン学習大学ネットワーク (moodleを用いた教育用コンテンツ)
MIT OpenCourseWare (MITが提供する教育用コンテンツ)

また金城学院大学,三重大学などではmoodleを積極的に利用している。
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いろいろな情報が入手できて良かった。moodleを使いたいと思いつつ実際に触ったことが無かったので,実際に触らせてもらえたのが嬉しい。感想としては用語(ブロックやラベルなど)に多少癖があるけれど(あと日本語訳にも慣れが必要かな),あれだけの操作でいろんなことが出来るのは,しかも無料で出来るのは素晴らしい。うちの大学でも積極的に導入してくれたらなぁ,と思った一日だった。

第14回FDフォーラム(大学コンソーシアム京都)

 京都の大学が連合を組んで開催するフォーラム。今回は第14回目で「学生が身につけるべき力とは何かー個性ある学士課程教育の創造ー」というテーマで龍谷大学において2月28日~3月1日の2日間行なわれた。参加者は100名!!!2月28日には別のワークショップに参加したので第2日目についての簡潔なまとめ。
 2日目は8つの分科会及び4つのミニ・シンポジウムが開催された。参加したのは第4ミニ・シンポジウム「大学教育におけるeラーニングシステムの可能性」午前10時から2時間各担当者からの発表,午後1時から2時間質疑応答が行なわれた。

その1)京都産業大学情報センター坪内氏
 京都産業大学情報センター職員さんのお話。京都産業大学が代表校となって進める「戦略的連携支援事業」での取り組みの紹介。

2004年 LMS (Learning Management System)としてmoodleの採用決定
2005年 moodle利用開始

2009年1月時点で利用教員数275名(28.7%),利用科目数597科目(11.7%),利用学生数11,012名(87.8%)に達した。活用実態としては資料提供や教材が約半数(50.1),その他はフォーラム(16.5),課題(15.7),小テスト(14.6)などであった。
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その後は大学間連携のためのシステム構築の話。印象的だったのは情報センターが全ての科目及び履修者を登録し,「ご自由に使用してください」と教員に投げかけたこと。単に説明会を開催し,教員の自主的な参画を促すだけではない部局の積極的かかわりが素晴らしい。

その2)佐賀大学穗屋下茂氏
 リメディアル教材としてのeラーニング教材の可能性,コンテンツの欠如の問題,コンテンツ及び成績の管理をmoodleを用いて行なうという3点が印象に残った。またこのような試みは制度作りが重要であることを思い知らされる。佐賀大学では教務課の下にe-learningワーキンググループ,そしてその下にSE, creator, mentor(TAや学生バイと)総計約30名のスタッフを配置し,教員以外のサポートを強化している。原則として授業はブレンディッドとし,ネットと対面授業を1セットとして捉える。
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とにかくGPなどの学外資金を取り続けて潤沢な資金の基でeラーニングを推進している印象。大学のホームページのここ なんかを見れば現状を少し垣間見ることができるかも。

その3)日本福祉大学副学長加藤幸雄氏
 eラーニングを用いて地域の枠をこえたコンソーシアムを形成する取り組み。
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個人的な興味から少し外れた話ではあったのだけれど,とても情熱的な話をされる方であった。教育に対する熱い情熱を持っていらっしゃるようで,「生きた化石(?という言葉だったかな)」みたいな教員はダメだという話をされていたのが印象的。おそらく通信教育部 でeラーニングを活用していらっしゃると言うことだと思うのだけど(詳細は知りません)。


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 どの発表にも共通しているのは1)eラーニングは万能ではない(=ブレンディッドが理想的),2)コンテンツ作成には潤沢な資金が必要(GPなどの学外資金獲得の重要性,少なくとも人件費を除いて1コンテンツ(15週の授業)作成に100万円はかかる!!),などなど。潤沢な資金の基で組織を再編成する位の勢いでなければ魅力あるeラーニング環境を作るのは難しいのかもしれない。けれども発表者の方々も言われていたが,いざ学外資金が亡くなった時にはどうやって運営すれば良いのだろうか。学外資金が無いような大学でも魅力有るコンテンツ作りはできないのだろうか。費用対効果ということで考えれば数億円規模の投資をするだけの価値があるのかどうか各大学で意見が分かれる所だろう。そして何よりもキーワードになっていたのがID(Instructional Design)ということからもわかるが,技術は技術であり,それを利用したものを作るためには様々な工夫が必要である。

「学習者コーパスで広がる言語習得分析の可能性」ワークショップ

 2009年2月28日(土曜日)に京都外国語大学で行なわれた応用コーパス言語学研究会 第2回ワークショップに参加した。講師は「日本人1200人の英語スピーキングコーパス」著書の一人である独立行政法人情報通信研究機構(NICT)言語基盤グループの一員である和泉絵美氏。著名人ということもあり,定員40名はすぐに一杯になり,遠くは沖縄から関東に至るまで全国各地から参加者が集まった。午後1時からの開催であったが,迷って到着した時には12時58分(焦)。座った席の前には大学時代のサークルの先輩であり同業者である広島の大学の先生方がいて,偶然に驚く(笑)。
 4時間という長時間のワークショップはPart 1学習者コーパスの応用可能性,Part 2学習者コーパスにおけるアノテーション,Part 3「ネタの宝庫」学習者コーパス,という構成で行なわれた。以下それぞれのパートごとに簡潔なまとめを。

Part 1学習者コーパスの応用可能性
 英語教育への応用としては1)学習者言語の記述,2)学習者支援教材/システムの開発(LDOCE, CALDなど学習者用辞書,CUPの教材など,NICTではNICT’s Edenと呼ばれるerror detectionシステムを開発中であり,NICTのコーパスを使ったMicrosoft ESL Assistant などもある),3)学習者による直接参照(これに関してはあまり事例無し)が考えられる。
 その中の1)に関してはContrastive Interlanguage Analysis (CIA),Computer-aided Error Analysis (CEA)がある。CIAでは英語母語話者との比較あるいは非母語話者同士の比較などで,学習者の高頻度使用語彙,モダリティ,コロケーション/連語など,その他あらゆる個別の言語項目をトピックとする(文献リスト)。CEAはまだ数が少ないが,多くは文法,語彙レベルで行なわれている。

Part 2学習者コーパスにおけるあのテーション
 NICT JLE Corpus Analysis Took, TagEditor, Antconcなどを利用して実際にアノテーションをしてみる。error annotationとしては母語話者による訂正文の付与,母語話者によるコメントの付与,母語話者による評価の付与,エラーの分類及びタグ化,などがある。エラータグ付与補助ツールとして紹介されたのはUniversite Catholique de Louvain Error Editor (UCLEE)やNICTが開発したTagEditor,University of Jaenが開発中のものなど。

Part 3「ネタの宝庫」学習者コーパス
 この辺りは駆け足だったのだけれど,Antconcなどを利用した分析についての紹介。
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 具体的な言葉は忘れたけれど,和泉氏が言っていたように商業ベースなのは強い。豊富な(?)資金力及び組織としての力を感じさせるワークショップだった。情報収集力もさすがなもので,開発中のものも含め世界における学習者コーパス関連の情報を得ることができただけでも有意義なワークショップだったと思う。ただ,大規模な学習者コーパスにどのようにエラーのタグを付けるかについては参加者の中からも質問があったように今後改善の余地があるようだ。どこまで主観/客観を分けることができるのか,また自動化/マニュアルの使い分けをどうすれば良いのか,などなど。これは和泉氏というよりも,学習者コーパスにおけるエラーというテーマにかかわるものではあるのだけれど。。。

2009年2月24日火曜日

あら,その人知ってる!

 2007年1月17日にとあるブログに書いたもの。

========以下当時の日記をそのまま引用===========

Record complaints for Big Brother (Independent, 16, January, 07)

何でもCelebrity Big Brotherへの抗議が殺到しているらしい。メディアを規制する組織Ofcomへの抗議は既に10000件。どうやらインドの映画界のスター Shilpaがいじめられているんだとか(インドの映画界はHollowoodをもじってBollywoodと言います)。「犬」と呼ばれたり、英語のアクセントを真似されたり(僕からすると非常に可愛いアクセントなので好きなのですが)。。。まぁ、こういう人種差別的な意識を普通に持っていたり、あるいは低俗なジョークを悪気なしに言うのがイギリス人らしいと言えばイギリス人らしい。抗議をしている人はおそらくイギリスで差別を受けている有色人種の人たちでしょう。

そういえば、X FactorでLeonaが番組史上初黒人、女性で優勝した時、応援団は9割位黒人だったな。。。

★要約(引用)
Complaints about alleged racism on Channel 4's Celebrity Big Brother have hit nearly 10,000, making it one of the most complained-about shows of all time.

The mood of anger at the alleged bullying inflicted on housemate Shilpa Shetty by Danielle Lloyd, Jo O'Meara and Jade Goody spread to parliament today, when Labour MP Keith Vaz tabled an early day motion condemning the Bollywood star's treatment.

The complaints were prompted after Jade, Jo and Danielle made a series of derogatory comments about Shilpa, including calling her a "dog" and impersonating her accent.

Jade Goody's mother, Jackiey Budden, also repeatedly referred to Shilpa as "the Indian" while she was on the show and refused to pronounce her name.

However, Channel 4 has confirmed that fellow housemate Jack Tweed did not call Shilpa a "Paki" as had been reported on many websites.

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イギリスに在外研究に行かせてもらった2006~2007年の間,イギリスで流行っていたテレビ番組“Celebrity Big Brother”。テレビ番組で言うとReality TVというジャンルに入るようで,至る所にカメラを付けて他人の生活を24時間テレビで垂れ流しにしちゃおうというもの。この時に差別発言で話題になった人がJade Goodyという人。

それから月日は流れ。。。つい最近Yahooか何かのニュースで「余命わずかのイギリス人女性が結婚」という見出しを見て素敵な話だと思っていた。

以下SANSPOより

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英タレント、ジェイド・グッディ(27)が21日、がんで余命数カ月と宣告される中で22日(現地時間)に婚約者の男性(21)と挙式することが英国内で話題となっている。

 昨年8月に子宮頸がんと診断され、肝臓などにも転移。今月、余命数カ月と宣告された。化学療法の副作用で髪も抜け落ちている。未婚の2児の母だが、07年から交際中の男性と婚約。挙式は、高額のギャラを出したテレビ局が独占中継する。グッディは、07年にテレビ番組でインド人女優に差別的発言をして批判を浴びたことで知られる。

http://www.sanspo.com/geino/news/090222/gnj0902220504010-n1.htm
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ジェイド・グッディ?Jade Goody?ありゃ同一人物じゃないの!!あの当時は相当イギリス国内で批判を浴びていた彼女が,今回は別の意味で注目を集めていることを知り驚きました。

若くして命を失うのは辛い。つい最近後輩が亡くなったとき,あまりにも衝撃的で現実を受け止めようとしない自分がいた。彼のブログはまだインターネット上に残っている。。。一生を終えた時に,自分で確かめることはできないけれど,「自分の証」みたいなものが残れば良いなと思う今日この頃。しかしこんなブログじゃダメじゃの。。。