2013年1月16日水曜日

私の英語学習歴

 以前英語教育2.0というブログで「私の英語学習歴」企画があったのですが乗り遅れてしまいました。ただいつかはまとめてみたいと思っていたので,時期外れではありますが,自分の英語学習歴についてまとめてみようと思います。

  小学生時代
 英語を勉強した訳ではないのですが,なぜか「モクモク村のケンちゃん」のことは覚えています(最近アプリにもなったようです!)。内容は覚えていませんが,いくつかのフレーズを子ども心に暗記したようで,”What’s your name?”と”How are you?”は言えるようになりました。小学校低学年の遠足のときだったと思うのですが,たまたま観光に来たと思われる外国人がタクシーから降りてきました。そこで興味半分で暗記していた2つの表現を利用し,見事に相手から答えが返ってきたので友だちに自慢した覚えがあります。ですが,表現は覚えていたものの自分が聞かれたときの返し方は覚えていなかったので,外国人に同伴していた日本人に「自分のこともちゃんと答えなきゃ。」と言われました。

  中学生時代
 中学校1年生のときの英語教員はおじいちゃん先生でした。「おい,お前らこれ覚えとけ。」と動詞の活用表を渡され,それさえ覚えていたらテストでは高得点を取れたものです。惰性で英語を勉強していたのですが,高校受験を意識し始めた中学校3年生の頃,いきなり英語の点数が伸び悩むようになりました。そこで友だちも通っていた近所の学習塾に行き始めました。そこの英語担当教員は極端なぐらいシンプルに英語を教える人(現在某学習塾のトップ!)で,今でも覚えているのは「不定詞,動名詞,両方取る動詞はそれぞれ3つずつ覚えておけ!」と言うような人でした。ですが英語の知識が体系化されておらず困っていた私にとっては,彼の指導が本当に役立ちました。

  高校時代
 高校時代に出会ったのは若い英語の先生で,当時にしては珍しく授業をほとんどすべて英語で行う先生でした(現在も広島県内の高校で活躍されています)。彼の授業はとても刺激的で,英語に対する興味が高まりました。その他にも受験対策としていわゆる単語集や即戦ゼミ,通信講座なども受講しましたし,ラジオ番組の「百万人の英語」を聞くために早起きしたり(でも寝ぼけていたのでほぼ睡眠学習),大手予備校の集中講座のようなものも受けました。センター試験では幸い高得点を取ることができましたが,明示的な英語知識はほとんどなく,感覚的なものでした。

  大学時代
 「英語=英語英文学科」という安易な考えで,大学の英語英文学科に進学しました。最初の頃のオリエンテーションで先輩に「大澤君は何で英語英文学科に来たの?」と聞かれ「英語が話せるようになりたかったからです。」と意気揚々と答えました。すると即座に「そんなの無理よ。」と一笑に付されたのを覚えています。学部時代の授業は文学作品を丁寧に訳読していくというスタイルの授業がほとんどでした。不真面目な大学生活を送っていて2年生になった頃,女子学生の多くが夏期休暇期間中に語学留学をするということを知りました。そこでその流れに乗り,イギリスに1ヶ月間語学留学することにしました(イギリスを選んだのは文学はやはりイギリスだろうというプレッシャーがあったから)。この1ヶ月は楽しいことばかりでした。ヨーロッパやアジアの国の人たちと多く知り合うことができたし,後に大学院進学を決意したときにお世話になった高校の先生にも出会うことができました。1ヶ月はあっという間に過ぎ去り,「いつか今度は1年以上英語圏で勉強してみたい!」という思いを強く持つようになりました。当時は学部生が留学をするというのは珍しかったので,某教官に「イギリスに1年間留学したいんですけど。」と聞いたら「学部生ではちょっとね…。」と渋い顔をされたものです。

 そう言えばこの頃某Y○C○Aにも通っていました。思いつきだったので入れるクラスが少なく最初に入ったのが同時通訳コース(すぐに飽きた),次にTOEFL試験対策コース(試験対策ばかりで面白くなくなった)を受講しましたが,長続きはしませんでした。

  大学も2年次になってくると専門的な授業が増えてきます。その中で興味を持ったのが,文体論の視点から文学作品を読んでいく授業でした。そこで文体論を専門とする先生のゼミナールを希望し,卒業論文ではディケンズの『大いなる遺産』を文体論的な視点から分析しました。当時は喫煙に対する意識も低かったので,ゼミ教室では先生は灰皿を目の前に置きタバコを吸いながら授業をしていたものです。何とも言えずその姿が格好良かった(関係ない話ですが)。4年生になり周りの学生が就職活動を始め続々と就職先を決めていく中で,私だけは迷っていました。当時の志望は中・高等学校の教員だったのですが,教員になるにはあまりにも英語力が足りない。そこでいきなり大学院に進学することを決意しました。それも専攻をかえて英語教育に!当時はアメリカ文学史やイギリス文学史を勉強すると共に,A.J.トムソン, A.V.マーティネット著『実例英文法』という文法書も読み込みました。

  大学院修士課程時代
 進学したのは大学院大学とよばれる大学で,同級生には現職の中・高等学校の教員がたくさんいました(彼らとの出会いはとても貴重で今でも交流があります)。同級生に現職の先生がいることで,「教育現場」に関する問題意識を持つことにとても役立ちましたし,英語力をはじめとして様々な面で劣っていたので,授業でおいていかれないように必死で2年間勉強しました。TOEICは今ほど利用されている試験ではありませんでしたが,大学院入学直後に受験したTOEICのスコアは730程度(同時期に受験した英検準1級は合格)。英語教員を目指す学生としては大して英語のできる学生ではありませんでした。そこから必死に英語教育関連の文献を毎日のように読み進めました(自分のノルマとして毎日20-30ページの論文を1本読むということを課していました)。そこで感じたのは「英語教育関連の文献ってなんて簡単な英語で書いてあるんだろう!」ということでした。大学時代は毎ページのように辞書を引いて真っ黒になるぐらい単語の意味を書き込まないと読めない本ばかりでしたが,論文で使われている英語はとても簡単だということを知りました。そして2年間勉強した訳ですが,学部時代に抱いた「留学をしたい。」という思いが消えることはありませんでした。そこで修士2年目の時にイギリスの大学院修士課程に進学することを決め,TOEFLの試験も受験し何とか基準をクリア(具体的なスコアは忘れましたが確かPBTで550以上?)したので留学できることになりました。ですが,周りが就職を決めていく中でまたしても私一人だけが何もしていないのを不憫に思ったのか,ある先生が「博士課程に進学しないか?」と誘ってくれました。当時は博士課程に進学することなど夢にも思わなかったのですが,修士課程修了(3月)後,イギリス大学院進学(9月)まで間が空いてしまうよりは学生という身分があった方が良いだろうという軽い気持ちで博士課程進学を決意しました。

  イギリス留学時代
 イギリスの修士課程は1年間で前期は授業,後期は論文執筆という流れでした。「イギリス=少人数教育」という勝手なイメージを持っていたのですが,同じ専攻に3-40名程度在籍する大所帯でした。この1年間はインプットからアウトプットの期間でした。日本の大学院修士時代までは読むことがほとんどだったのですが,ここでは論文を読んだ上でエッセイを提出することを求められます。毎日のように英語を読み毎日のように英語を書き,楽しいことがありつつも本当に大変な毎日でしたが,何とか無事に修了することができました。ここでわかったのは大学院レベルの留学ともなると英語力よりも知識が重要だということです。既に知っている分野の授業はほとんど苦労しませんでしたが,全く知らない分野の授業は非常に苦労しました。日本で修士課程を修了していた分,変な自信を持っていたのですが,英語を読むにしても書くにしても力不足で,その自信は見事に打ち砕かれたのを覚えています。

 大学院博士課程時代
 そして日本に帰ってきて博士課程の学生を続けました。これまでと同様,論文を読む毎日でしたが,それに加えて当時の指導教官から言われた「英検1級,TOEIC900以上」(なぜこの目標を提示されたかはわからない)を目標に実用的な英語の勉強も開始しました。と言っても試験のために勉強するのは嫌だったので,雑誌TIMEを継続して読みわからない単語を文と一緒にノートに書き写す,文法書を1冊読み込むといった作業を行いました。その結果,博士課程が終わる頃には両方ともクリアすることができました。このような英語試験の実績がすべてではありませんが,ようやく自分の英語力に少し自信が持てたのを覚えています。

  その後
  そしていろいろありながら現在に至ります。思い返してみるといわゆる試験勉強と呼ばれる学習方法が嫌いで,英文法や語彙などを機械的に暗記するのも苦手でした。そのかわりできるだけたくさんの本や論文を読み,インプットを多量に得ることを心がけました。そのためか,自信を持って明示的に自分の英語の知識(文法や語彙)を説明することはできず,中学校,高校,大学と苦労しましたが,それでもそれなりの英語力(それなりというのがポイントで大した英語力ではなかった)を保っていたように思います。英語の文法などについて明示的に説明できるようになったのは実は大学で教えるようになってからです。大学で教えるという立場になり,説明をするために様々な文法書や英語学の本を読んだことによって,ようやく今までのインプットが明示的な知識として定着した気がします。  

 このように,「英語学習」を意識的にやったことはないので,お勧めできる英語学習法や本などはないのですが,やはり多量にインプットを得ることはとても重要だと思います。また文法用語をいちいち暗記する必要はないと思いますが,いわゆるコロケーションや基本的な文法のパターンを明示的な知識として持っておくことは重要です(高校のときに機械的に繰り返し勉強した『即戦ゼミ』は当時は大嫌いでしたが今は自動化された知識として活きています)。ここまでに至る英語学習は何だかジグソーパズルのようで,英語力というパズルを完成させるために足りないピースを探していく過程でした。今もまだ英語学習は継続中ですし,足りないピースを探す活動は続くと思います。

2012年11月17日土曜日

「コミュニケーションに活かす英文法指導とは?-『意味順』の提案-」

 去る11月15日(木曜日),広島修道大学人文学部英語英文学科の1年生を対象として行われる「初年次セミナー」クラスを利用して学術講演会を開催しました。講師としてお招きしたのは京都大学教授の田地野彰先生です。文法用語を使わずに英文の理解と作成を助ける方法として「意味順」を考案され,英語教育の分野において注目を集めている方です。当日は履修者のみならず,英語英文学科に所属する学生や教員,近隣の大学からも聴衆が訪れ,時折ユーモアを交えながらお話をされる田地野先生の話に魅了されていました。

 意味順とは,「だれが」「する」「だれ・なに」「どこ」「いつ」といった語の順番を意識して簡単に英文を作成できるようになることを意図したものです。今まで日本人英語学習者にとって常識だった5文型とは異なった視点で英文の仕組みを学ぶことで,完璧ではなくても英語を産出することができるようになることを目指します。

たとえば,

(a) The man ate the apple.
(b) The apple ate the man.

という例文を見てみましょう。日本語であれば語順よりも助詞の利用に意味がありますが,英語の場合にはそうはいきません。しかしながらこのような語順の誤りは日本人英語学習者にとっての特徴的な誤りの1つであると考えられているそうです。

 詳細は以下のリンクや田地野先生の出版物を参照していただければと思いますが,講演当日は意味順を支える様々な理論的根拠を提示されるアカデミックな側面あり,意味順を試してみる実践的な側面あり,そしてユーモアのある内容で,笑いの絶えないとても刺激的な学術講演会となりました。

 私の感想としては,以下の表のように意味順だけではなく従来の5文型も意識した上で英文法を考えると視覚的な理解が楽になると思います。

(田地野, 2008より抜粋)

「新しい学校文法の構築に向けて-英文作成における「意味順」指導の効果検証-」
「学習者にとって「よりよい文法」とは何か?---「意味順」の提案」
ディスカヴァー社長室ブログ
意味順の解説動画
意味順ノートについて(キョクトウ・アソシエイツ)
意味順でNew Horizon





2012年11月1日木曜日

意味順の田地野先生が来広!

 「意味順」英語学習法でおなじみの田地野先生が広島修道大学に来学されます。今回は,本学の学術交流センター主催の学術講演会という形で,英語英文学科の1年次生を対象とした講演をしていただきます。タイトルはずばり「コミュニケーションに活かす英文法指導とは?-『意味順』の提案-」です。詳細はこちらをご覧下さい。

 田地野先生は京都大学に移られる前に,広島修道大学で勤務されていた経験がおありになります。私が働き始めたのは2002年からなので,田地野先生とは入れ違いだったのですが,それがご縁で学会等でお会いする度にいろいろとお話(主に雑談や冗談)をさせていただいていました。今回それがこのような形につながり,とても嬉しく思っています。

 現在,英語英文学科では「学生の英語力を向上させる」ために様々な試みを行っていますが,その1つの形として今回の講演会を行います。英語英文学科の1年次生に限らず誰でも参加できますので,参加を希望される方は私あるいは本学の学術交流センターまでお問い合わせください。

今年の秋は広島が熱い!!!

講演会
タイトル:
コミュニケーションに活かす英文法指導とは?-『意味順』の提案-
講師:
田地野 彰(京都大学 教授)
日時:
2012年11月15日(木曜日)10時45分-12時15分
場所:
広島修道大学 6号館 6102教室



2012年9月14日金曜日

2012年度前期授業アンケート

 前期末に行った授業アンケートの集計結果が返ってきたので,まとめておきます。設問は各5点満点(A=5,B=4,C=3,D=1の加重平均)。

ちなみに質問項目は2分類に分かれており,以下の通り。
【授業の体系性】
1.授業内容は授業計画と一致していましたか。
2.授業のねらいや学習目標は明解でしたか。                            
3.授業時間や授業回数はきちんと守られていましたか。            
【教授方法・講義内容】
1.教員の話し方や声の大きさは適切でしたか。    
2.教員は学生の質問などに適切に対応していましたか。    
3.学生の反応や理解度をみながら授業が進められていましたか。
4.学習に対する興味・関心を刺激する授業でしたか。            
5.授業の内容は理解できましたか。                                    
6.授業を通して新しい知識や理論、考え方が分かるようになりましたか。
7.教員は私語など受講マナー上の問題に対して適切に対処していましたか。
8.教材(テキスト、プリント、レジュメ、スライド、ビデオ等)は、授業内容を理解する上で役立ちましたか
9.黒板・ホワイトボード・プロジェクタ等の使用は適切でしたか。
10.課題(発表、レポート、小テスト等)は、勉学を深める上で役立ちましたか。

「Reading & Writing I」履修者数29名(回答者数26名)
【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.7,受講者数平均4.8)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.9(科目別平均4.5,受講者数平均4.7)

授業内でMoodleを利用した活動をメインに行っている授業。すべての項目において高評価をいただきました。改善しなければいけないのは【教授方法・講義内容】の分類にある「授業を通して新しい知識や理論,考え方が分かるようになりましたか。」という項目(4.7(科目別平均4.4,受講者数別平均4.5))。Moodleを利用して書いたり読んだりする作業が多いため,あえて簡単なテキストを選んでいるのですが,それを物足りなく思う受講生がいるということでしょう。

今回気になったのは【学習態度の自己評価】にある「この授業科目について,授業の前後に合計してどれくらい勉強しましたか?」という項目。

3時間以上: 19.2%(科目別構成比11.5, 受講者数別構成比14.2)
2~3時間以内: 11.5%(科目別構成比7.5, 受講者数別構成比9.1)
1~2時間以内: 7.7%(科目別構成比12.2 受講者数別構成比19.0)
30~1時間以内: 26.9%(科目別構成比17.5, 受講者数別構成比22.1)
30分以内: 30.8%(科目別構成比24.4, 受講者数別構成比21.3)
全く勉強していない: 3.8%(科目別構成比26.7, 受講者数別構成比14.1)

予復習が毎回30分以内で終わってしまっている人が1/3いるというのは問題だろうと思います。

【自由記述欄】
・「とにかく楽しいし、分かりやすく説明してくれる。」
・「15回おつかれさまでした!先生の授業すごいたのしかったです。(*^^*) 後期もよろしくおねがいします☆ あと、先生が最初のころ言ってたTOIECの点数もがんばりたいです!」=期待しています!
・「先生がパワーポイントなどを使って文法を説明してくれたのはとてもわかりやすくて、よかったです。英語の童話の中で、一番読みやすい(簡単な)のはどれですか。」=読みやすいというと難しいのですが,自分の好きなものから始めると良いですよ。著作権の切れているものは無料でGutenberg Projectから入手できます!グリム童話なんかも面白いですしね。
・「他の人と英語でコミュニケーションをとったりすることができて良かったです。」
・「先生が非常に面白い。もう1年履習したいくらい、先生と話しやすい」=え?単に落と
せば良かったってこと?(笑)このコメントを書いたのが誰だかはわからないのでご心配なく。
・「寒い」=!!え?僕のギャグではなく教室内の温度であることを切に願います。

「英語研究III」履修者数58名(回答者数54名)
【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.7,受講者数平均4.8)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.8(科目別平均4.5,受講者数平均4.5)

今年度は新たな試みとして,授業で扱った内容に関する意見をMoodle上のフォーラムに書き込んでもらうということをやりました。毎回やった訳ではありませんが,多くの受講生が参加してくれました。今後もう少し発展させて授業内・外の連携を円滑なものにしていきたいです。

概ね高評価をいただいたのですが,【教授方法・講義内容】の所で,「学習の内容は理解できましたか。」が4.6(科目別平均4.4,受講者数別平均4.4),「授業を通して新しい知識や理論,考え方が分かるようになりましたか。」が4.7(科目別平均4.4,受講者数別平均4.4)であるということ。講義科目でいろいろと新しい知見を紹介しているつもりですが,あまり反応は芳しくないようなので改善します。

【自由記述欄】
・「この授業の雰囲気が、みんな授業に参加しているんだということが分かって良かったです。この授業は、いつも終わるのが早く感じるくらい好きな授業でした。」=良かったです。つまらなく感じると90分間は苦痛ですからね。
・「ただきくだけの講義とは違って、授業に積極的になれたので、楽しかったです。」
・「パワーポイントがとても分かりやすかった。授業で提示されたパワーポイントや資料がムードル上で見れるので、復習がしやすかったです。」=Moodle上での予復習を促す目的もあったので,良かったです。
・「先生の絵とだじゃれのセンス」=!!!
・「スライドが多いので、ノートをとる部分がたまにわかりませんでした。」=このようなコメントは去年もありました。気をつけます。
・「今まで受けた事のないような内容で毎回授業で学ぶこと全てが新鮮で楽しかったです。普段何気なく使っている言葉や文法をつきつめて勉強していくと奥が深くとても身になったと思います。今回初めて大澤先生の講義を受けたのですが、受けて良かったと思いました。これでテストが難しすぎなければなお良いのですが…。」=ありがとうございます!テストはどうでしたか?
・「先生の授業は、自分が大学に入って唯一興味を持てた授業なんです。(後期の語用論も)色々みんなが楽しめるように工夫してくれているのがすごく伝わります。」=ありがとうございます!
・「先生のパワーポイントはいつもわかりやすく、おしゃれで、私もいつかこんな風にパワーポイントを使って話せるようになりたいな。と毎回思っていました。」=これは嬉しいなあ。でもほんとはパワーポイントを使いたくない(笑)。
・「分かりやすかったけれど、あとで振り返ってみると何やったかあまり覚えていない し、内容が深いけど覚えていない。テストが、どうなるか不安です。」=この科目では広く浅くいろんなテーマについて話をするので難しいかもしれませんね。来年度以降の課題にします。
・「修道大学に入学してから2年が経ちましたが、この2年間で、1番楽しい授業でした!!楽しいというか、勉強している授業をまじめに受けている感覚を取り戻せました。」=良かったです!特に「勉強をしている」感覚を味わえてもらったというのは嬉しい一言ですね。
・「後期の授業を先にとってしまっていたので、昨年こっちから先にとっとけばよかったなと少し思いました。先生のトークもすべりながらでしたが相変わらず面白かったです!」=!!!(涙)

「英語科教育法II」履修者数24名(回答者数23名)
【授業の体系性】
設問平均4.9(科目別平均4.8,受講者数平均4.8)
【教授方法・講義内容】
設問平均4.8(科目別平均4.6,受講者数平均4.7)

指導上の問題や評価について概説したあと,受講者によるミニ模擬授業を中心に進める授業。昨年度までは模擬授業に対するフィードバックを紙で提出させて共有していましたが,今年度からはMoodleのフォーラムでフィードバックを共有しました。

概ね高評価をいただきました。「授業の内容は理解できましたか。」は4.6(科目別平均4.5,受講者数別平均4.5)なので改善が必要。来年度以降,授業で扱う内容や進行方法を改善しようと思っています。

【自由記述欄】
・「今回生徒が考えた授業が中心となっている授業を初めて授けさせてもらってお互いから学び合いながらクラスとして成長できる授業でした。」
・「教職で必要な英語力がどこまで必要なのかが分かったところ。」=教職課程履修者ということで他科目より厳しくしています。
・「英語を教える上で大切なこと、気をつけなくてはならないことが何なのか学ぶことができた。他の人の模擬授業を見ることで、良い点・悪い点など多く学べた。」
・「moodleを用いる授業はe-learning以来で、戸惑いはあったがみんなの意見を聞けるという点ではかなり重宝した。永久保存版にしてほしい。」=永久保存は無理ですが,記録に残るのは良いですよね。
・「指導案や、授業で使うプリントや、テストを作り、大変だったけど、みんなの感想を聞けて、よかったです。そして、教科書の内容に、感動しました。」
・「関連図書、最近の英語学習に関する動向を適宜教えてくれた所 模擬授業をただやらせるだけでなく、授業後にきちんと授業に関するコメントの発言の場を設けてくれた点。又、コメントもしっかりしてくれたところ。」
・「授業担当に対して全員がコメントをいい合う時間がダラダラしていた。もう少しメリハリを持つよう生徒へ呼びかけてほしい。」=これは僕の授業運営上の問題もあると思います。来年度に修正を加える予定です。
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授業アンケートを実施する際には「できるだけ自由記述欄にコメントを書いてください」とお願いしています。数字だけではわからない所もあるので,今回頂いたコメントを基に後期や来年度の授業において改善を加えていきたいと思います。

2012年9月10日月曜日

第3回Mahara Open Forum


 第3会Mahara Open Forum(通称MOF)が2012年9月8,9日の日程で熊本大学で開催された。詳細は下記のページにあるのでそちらを参照のこと。


ページ上では,プログラムだけではなく予稿集,発表当日の様子も視聴することができます(過去のものは既にありますが,今回に関しては執筆時<2012 .9.10=".9.10">ではまだアップされていません)。MaharaというのはeポートフォリオシステムでMoodleと同じくオープンソースのシステムです。eポートフォリオシステムとしてはまだ未成熟な感が否めませんが,様々なものをオンライン上にアップロードし簡単にそれらをレイアウトしたページを作成できるのはさすがです。FレックスのページもMaharaを利用して作られています。

2010年度に福井で行われた第1回,札幌で行われた第2回に続き今回は3回目。規模は大きくない(60名程度?)ものの,参加者・発表件数ともに着実に参加者が増えている集まりです。何よりも素晴らしいのは,有志のメンバーが手弁当で予稿集作成や映像の録画などすべて行っていることでしょうか。現在は参加費無料ですが,今後規模が大きくなると運営が難しくなってくるかもしれません。が,できれば無料あるいは格安の参加費のまま継続していってほしいと思います。詳細に関しては上記のページ,あるいは当日のつぶやきのまとめを参照してもらえればわかると思います。当日は私と同僚の中西さんを中心に2件の発表を行いました。

大澤真也,中西大輔(広島修道大学),吉田光宏(Moodle / Mahara パートナー)
Mahara1.2 翻訳作業をとおしてMahara を批判的に検討する

2012年2月に発表者3人で『Maharaでつくるeポートフォリオ入門』という翻訳本を出版しましたが,その中で見えてきた課題やちょっとした裏話を提供させていただきました。完璧に「ネタ」提供に徹したスライド作りをしていたので,会場の雰囲気がどうなるかヒヤヒヤしていましたが,発表中に聴衆の顔を見渡してみると結構笑顔で聞いていただけていたので,そういう意味では一安心でした。

Mahara をMoodle と連携させる
中西大輔,大澤真也(広島修道大学)

こちらは現在中西さんが研究室に構築しているサーバ上で試しているMahara,Moodleの連携について概観し,そこから見えてきた課題を指摘しました。

そして私が個人的に力を入れていたのは以下のパネルディスカッションの企画です。

パネルディスカッション「eポートフォリオとしてのMahara の課題」
コーディネータ:大澤真也(広島修道大学)
パネリスト:青木久美子(放送大学)
藤田豊(横浜市消防局)
隅谷孝洋(広島大学)
中西大輔(広島修道大学)
小村道昭(エミットジャパン)

企画意図は,「Maharaを使い始めたばかりの方,あるいはその他のeポートフォリオシステムを使われている方などをパネリストとしてお招きすることで,Maharaの課題を明らかにし今後につなげていく」とあるように,Mahara初心者を中心にパネリストをお迎えしました。その意図は正直なところ,私自身がMaharaをeポートフォリオとして使っていくことに限界を感じているので,Maharaという土壌ではなくMahara以外のシステムを使ったことのある方々に議論してもらうことで,何か面白い話になるのではないかと思ったからです。別名「Maharaをdisる」が企画意図でした(笑)。

1時間と限られた時間内だったので,事前に課題をパネリストから集約してまとめておきました。またパネリストがそれぞれ発表する形式ではなく,藤田さんに25分程度で話をしてもらい口火を切っていただくことで,できるだけ議論の時間を確保しようと思いました。ねらいは的中し,議論が開始した当初はどうなることかと思いましたが,終わってみればフロアも含めてパネリスト間で様々な意見交換ができたと思います。反省点は司会である私の采配に至らないところがあったため,ディスカッションとしてのまとまりに欠けたところでしょうか。

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今回の実行委員長である久保田先生の「この会は全員がフラットなんです。上下がないんですよ。」,福井県立大学の山川先生の「Maharaが良いということではなく,Maharaという共通の話題を基にしていろいろ考えていく。」ということばに表れているように,一つの教室でみんなが話題提供をする楽しい会です。そしてその話題提供についてみんなで真摯に考えていくというのは素晴らしいことだと思います。ただやはりeポートフォリオとしてはMaharaは使いにくい所もあるしあまり成功例がありません(Fレックスでは積極的に活用されていますが)。Moodleも使いにくくはありますが,苦労するのは教員です。Maharaの場合は苦労するのが学生なので,学生が嫌になってしまえば使ってくれません。そう言う意味では既存のFacebookやtwitterなど使いやすいインターフェイスに慣れている学生が,Maharaを積極的にしかも自主的に使ってくれる動機づけはないとも言えます。

ツールとしてはあそこまで面白いことをあっという間にできるのは魅力的です。少しeラーニング経験のある教職員であれば,Maharaを使いこなすのはそんなに大きな問題ではありません。何が問題かというと90分×15回という限られた時間内で,Maharaという少し難しいツールを学生に使わせると,それ以外のことに時間が割けなくなってしまうという点です。特に私が担当している授業においては,Moodleを使っていたりその他の作業をしていたりする時間が長いので,Maharaの操作説明に時間を割くことができません。

これは前から思っていることですが,Maharaに限定して言えばeポートフォリオとして使う必要はないのかもしれません。教職員が中心になってリソースを提供するためのツールとして使うという発想があっても面白いのではないかと感じました。これについては賛否両論あるでしょうが,今後試験的にやってみたいことです。

さいごに・・・

懇親会も盛り上がり,2次会(私は参加していませんが)では「踊るMaharaジャ!」という関係者にしかわからないフレーズも発明されました(笑)。下手にtwitterやFacebookで写真をアップロードすると,次の日に司会者に突っ込まれます(笑)。twitterでつぶやいただけなのに,議論で取り上げられます(笑)。年齢層を問わずまじめな話からしょうもない話までできるのは,とても幸せなことだなと思った2日間でした。


2012年9月5日水曜日

日本リメディアル教育学会第8回全国大会


 2012年8月27〜29日の日程で日本リメディアル教育学会第8回全国大会が立命館大学衣笠キャンパスで行われた。予想はしていたけれどそれを上回るほどの暑さ,そして京都駅から30分以上もバスに揺られなければ到着しないキャンパスとで疲れ果てた3日間だった。ちょっとした発見は京都のバスでは積極的に高齢者に席を譲ること(その代わり,乗客が目当てのバスを見つけてどんなにバスを追いかけても,運転手は素知らぬ顔をして発車する),そしてホテルのバーは高層階にないことかな。それはさておき・・・。

今回はポスター発表を行ったのだけど,その準備に追われ他の発表を集中して聞くことができなかった。

今回のポスター発表は,

大澤真也・中西大輔・竹井光子 「学生に自信をつけさせる英語教育プログラムの予備的検討(3):英語カリキュラム改善のために」

ということで,2010・11年度,本学の1年次生を対象に行ってきた英検Can-doリストを用いた自信度評価およびTOEIC Bridgeスコアの関連を明らかにし,英語カリキュラムの改善につなげようというもの。なかなか思うような結果は出なかったものの自信度の自己評価とTOEIC Bridgeスコアの間には相関が認められたため,今後のカリキュラム改善へとつなげていきたい。この結果を基に現在進行中なのは英語動画教材作成である。本学と同レベルの大学に無償で公開することを計画しているので,興味関心のある方は是非ご連絡くださいませ。

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ということで今回は発表で手一杯だったので他の発表を聞いた備忘録については省略。「リメディアル」ということばに注目している人は多いけど,いまいち定義の難しいこのことば。どの学力層が多く在籍する大学なのか,またどの分野を重点的に教えるのか,などによって議論の方法が異なってくる。この学会の面白い所は理系・文系を問わず様々な分野の研究者が集まって議論する所だと思うので,今後の活動にも期待したい。

今回気になったのは「キャリア」や「コミュニケーション」ということばが用いられるようになってきたこと。確かに入口から出口を意識した上でリメディアル研究が行われるべきだと思うのだけれど,ちょっと焦点がぼやけてしまう気もする。あとリメディアルというのであれば高校との接続を意識した発表が増えても面白いのではないだろうか。

2012年8月9日木曜日

外国語教育メディア学会第52回全国研究大会

 2012年8月7日~9日の日程で神戸の甲南大学にて外国語教育メディア学会が開催された。今回のテーマは「外国語教育における学習・指導・評価の最前線」ということで基調講演3件の顔ぶれを見ると今までのLETとはひと味違った感じ。今後のLETの方向性を暗示している気がします。甲南大学の近辺は高級住宅街で大きなお家ばかり!かと思えばその辺に流れる川でイノシシが水を飲んでいたり!真夏の暑い3日間(ワークショップを含む)でしたが,何かと勉強させていただきました。以下,備忘録。

[1日目]
1日目はワークショップの日。メインキャンパスよりも更に上の建物ということで,体力的にやられました。

Aaron Campbell(京都外国語大学)
Using Moodle Reader to Support Extensive Reading


以前から気になっていたので受講。詳細はmoodlereader.org参照のこと。いわゆるGraded Readerを読んだかどうかを確認するための問題をボランティアが作成しているというプロジェクト。moodlereader.orgに登録しても使えるし,自前のサーバにインストールしても利用することが可とのこと。ワークショップ中に3~40人の受講者が一斉にアクセスするとダウンしてしまったので,授業時間内に一斉にアクセスさせるということは考えない方が良いかもしれない。問題のレベルや質についてはあまり精選されていない印象だけど,実際に授業で使ってみたい。

阪上辰也(広島大学)
Rによる教育・言語データ処理のススメ

数年前にRをインストールして以来,挫折していましたが今回重い腰を上げて勉強してみました。実際に触ってみることによっていろんなことがわかったし,簡単な分析であればすぐできることもわかりました。無料でここまでできるのはすごい(とは言えやはり初心者には何かと辛い)。今後継続して勉強してみたくなりました。阪上さんのExcelやSPSSに対するコメントが個人的にはツボでした。

[2日目]
岩田聖子(追手門学院大学)・原田章(追手門学院大学)
CALL学習者に影響を及ぼす要因の特定に向けて:CALL学習者のコンピュータスキル及び英語力に関する質問紙開発


関口幸代(文教大学)
ソーシャルメディアを活用した英語学習者の自己調整学習環境の構築


iPadを貸与し,どのようなアプリをダウンロードして学習したかや,twitterを利用して学習記録をつぶやかせるなどの実践を行った。
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面白いとは思うのだけど,twitterを敢えて利用する意味があるかどうかは疑問。でもtwitterを利用した英語学習には個人的に興味あり。最後の質疑応答はtwitter利用者同士の戦いになっていました(笑)。

安川佳子(神戸凪川学院大学)・白木智士(甲南大学)・吉田佳子(甲南大学)・佐々木緑(関西国際大学)
社会人と大学生が考える自己の英語能力と社会で必要な英語能力とはー社会人と大学生の意識調査からー


社会人と学生の意識について非英語専攻の1年生167名と社会人75名を対象に質問し調査を行った。質問紙はCEFRをもとにしたもので,回答者が「すでにできる」,「大学を卒業していれば,できるべきだ」,「仕事,趣味,生活等に役立つ能力だ」のうち該当する項目にチェックマークを入れる方式で行った。
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「社会人」の定義は何なのか,なぜチェックマークという方式を採用したのか疑問が残る。面白いテーマなので今後の展開が楽しみではあります。

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その他にもポスター発表で「文法力の要請と基礎文法力要請のための教材開発の試みとその検証」(木村修平(立命館大学)・森永弘司(同志社大学))や「汎用計算ソフトを用いたランダム出題型テストの開発と運用」(前田啓朗(広島大学)),「『極めて短いストーリーコンテスト(Extremely Short Story Competition)』を導入した教室活動に関する報告ー東京経済大学のでの実践例ー」(三宅ひろ子(東京経済大学))などが印象に残りました。LETらしくtwitterなどソーシャルメディアの活用を行ったり,事前にオンラインに配布資料を閲覧できる状態にして置いておくなど,学会参加者への配慮が嬉しかったです。

LET参加の楽しみはワークショップとICTなどを活用した実践報告。中にはセカンド・ライフを活用した英語教育実践例等もあったりして興味深く拝聴しました。けれどもこのようなテクノロジーを活用した実践の効果を評価するというのはとても困難なことである気がするので,今後の課題でしょう。そういった意味で今回の大会は「学習・指導・評価」をきちんとやっていきましょうという学会としての決意表明であったような気がします。

時間の都合で荘島宏二郎(大学入試センター研究開発部)先生の講演は聴けなかったのだけど,過去の講演はこちらで視聴できるようです。