2010年1月28日木曜日

第2回初年次教育セミナー

 2010年1月25日(月曜日)、広島修道大学にて学習支援センター主催の2回初年次セミナーが開催されました。講師は玉川大学の菊池重雄先生。以下、覚え書き(『』内は個人的な感想)。
 今回は「初年次教育を基盤とした学士課程教育の構築~FDを視野に入れて~」という題目で主に「学士課程教育における初年次教育の有用性」および「玉川大学の初年次教育」についてであった。

「学士課程教育における初年次教育の有用性」
この辺りの話はいわゆる高校から大学へのGapを埋めるという一般的な話(『ロンドンの地下鉄で用いられるMind the Gapという表現を初年次教育関連の話で聞く事が多いのだけど,流行なのだろうか?』。興味深かったのはアメリカと日本のアイデンティティの相違について触れられていたこと。日本型モデルとしては初年次教育のゴールとして「個人として自己を表現し,自己を肯定しながら集団に所属する方法を学ばせる。」,「学生を強い個人にする」という2つを提示されていた。

「玉川大学の初年次教育」
そして玉川大学で実践している「一年次セミナー」の話。原則として一クラス30名以下のクラスを編成。そのため担当教員数は60~65名にもおよぶ。授業においては「大学生活navi」をテキストとして用い,学習記録(webではなく紙媒体)を学生に提出させる。授業の手法はアクティブ・ラーニングを用いる(『授業手法,教材など最低限のものを準備し教員に提供する。大規模で初年次教育を行うにはこのようなことが重要』)。初年次教育においてはプロジェクト・リーダー制を導入し同僚教員への啓蒙や担当教員へのケアや初年次教育の研究をすることが要求される(『その見返りに手当てはつけるということらしい』)。

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初年次教育についの理論的なことではなく,実践的なことを聞くのが楽しい。その点に関しては時間の関係上,2番目の実践例についての話が短かったのが残念であった。今回の話の面白かった点は初年次教育がFDにつながるという点。どこの大学でも初年次教育に対する抵抗は大きいのだけれど,敢えてやることによってFDに対する意識が芽生えてくるというのは当然かもしれないけれど重要なことだと思う。夜は夜でまた懇親会と称してお話をさせていただいたのだが,やはり時間制限のある講演だけではなく,緩い感じでお話をさせていただくのは先方にとっては迷惑かもしれないが,こちらとしては非常にありがたい。

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