2021年9月11日にオンラインで開催された「外国語教育研究の再現可能性2021」シンポジウムに参加した。2020年度は例年参加している学会や研究会の多くが中止になり、開催されたとしても手探り状態の中でのオンライン開催であった。新幹線や飛行機に乗って開催場所に移動してしっかりと勉強し、夜には疲れを癒すために美味しいものを食べ、英気を養って次の週からの通常業務に備える。そんな学会・研究会出張と通常業務のバランスを取るサイクルを20年以上続けてきた身としては、2020年度は何をして良いかわからずいつにも増して生産性の低い1年になってしまった。「2021年度こそは(どこかに行きたい)!」と期待したものの、結局昨年度と変わらずほぼすべての研究活動はオンラインのままである。このままではさすがに良くないので、2021年度は興味のあるものを探して学会や研究会に参加することにしてみた。そうすると新たな敵は目の前の家事および誘惑である。オンライン学会だと移動の手間が省ける。インターネットに接続さえすれば1分前まで寝ていたとしてもすぐに参加できてしまう。場の切り替わりに時間がかからない分楽と言えば楽なのだけれど、どうにも集中できない。たまに集中して1時間話を聞くことができたとしても今度は座り続けて腰が痛くなる。ストレッチがてら立ち上がると視界に入る洗濯物の山。目の前の洗濯物、オンライン学会...。そりゃ誰だって洗濯物を畳みたくなる。洗濯物を畳み終えて一息つく。あれ?来週着るワイシャツにしわがついているなあ。アイロン、アイロン!夕方が近くなる。ビール飲みたいな...。あれ?ビールないな。買いに行くか...。誰だってビールが飲みたい。ん?学会もう終わっちゃってる!?
そんなこんなでなかなかオンライン学会や研究会に参加する動機づけがいつまで経っても低いままなのだけれど、今回のシンポジウムはその中でも久しぶりに真面目に参加したいと思ったシンポジウムであった(どうやら同僚は早い時間から飲みながら参加していたようだが笑)。参加したいと思った理由はほぼすべての発表者と親交がある(と言うとおこがましいが、酒席を共にさせていただいたことがある)ことに尽きる。酒席では楽しく話すだけだが、研究の世界で一流の方々の話を純粋に聞いてみたかったのだ。だってこのメンバーをみるとワクワクしますよね。今後このプロジェクトの向かう先が確実に見えてくる。正直なところ、シンポジウムの内容は僕の理解力をはるかに超えてしまうものが多かったのだけれど、わからないながらにも発表を聞いているだけで知的興奮を覚える体験はなかなか得難い。研究活動の制限もある中でここまでたどり着くのは大変だったと思うのだけど、こういう機会を与えていただいたことに感謝しているし、今後の展開に期待して見守っていきたい。というだけでなくきちんと学ばなければいけないと思っているので、『英語教育のエビデンス(通称エビ本)』もきちんと再現するように2冊入手しておきました。
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