2008年12月8日月曜日

大学教育学会課題研究集会雑感その2

2日目

『大学人』能力開発に向けてー国立大学の現在ー」
 シンポジストは東京大学貝田綾子氏,山形大学山崎淳一郎氏,京都大学山本淳二氏,東北大学羽田貴史先生。職員さんがそれぞれの大学の現状を説明してくれたのだが,興味深かった事柄を箇条書きしておく。

東京大学
職員数:7600名(教職員4000人,職員3600人)

・ワーキンググループの設置及び業務改善提案の募集。
・優秀な提案は表彰する。
・目安箱の設置。
・「東京大学職員キャリアガイド」の作成
(学校経理研究会より販売1050円)

山形大学
・平成9~13年度における入試過誤(不合格となった受験生428名,合格となった学生41
 3名)を契機に改革。
・エリアキャンパスもがみ:大学固有の教育施設を持たない。

京都大学
(省略)

羽田貴史先生「国立大学事務職員論から「大学人論」へ」
 話がとにかく面白かった。大学教員でこうした研究をしていることが興味深い。しかし偏見かもしれないが,国公立大学には独特の閉鎖性があると感じた。


「FDのダイナミックスーFDモデル構築へむけた今後の課題」
シンポジストとして名古屋大学夏目達也先生,京都大学田中毎実先生,元ICU学長絹川正吉先生,コメンテーターとして立教学院本部調査役寺崎昌男先生,司会者として慶応義塾大学井下理先生,京都大学大塚雄作先生。

FDが努力から実施義務へと変わることにより,今後の方向性について提言が行われた。詳細省略

======================================
 第1日目は非常に興味深かったが,2日目に関しては事実確認的なことが多かったので,自分の意見を言うというよりは勉強をさせてもらった。専門領域の人たちで集まって細かい部分を突き合う学会が多い中で,専門領域の枠を超えて,また教職員の枠を超えて意見交換をし合うというこの学会こそがまさに今後の大学のあるべき姿を示そうとしているのかもしれない。「教える」ということに関心を持っている人が多い学会(のはず)なので,的外れな質問,訳の分からない質問,聞き取れない質問,などに関しては容赦なく指摘があるというのも面白い。というか,そういう聞き手のことを全く考えていない質問を多くする人がこういった学会にもいるんだなぁというのが驚き。印象に残ったのは哲学を専門にされる先生方の発言が多かったこと。教育=哲学という構図は当然のことではあるのだけれど,他の学会ではなかなか見られないものだけに面白かった。

0 件のコメント: