2010年8月4日水曜日

2010教職員向けイベント「国際社会に通じる英語を,大学は学生に意識付けることができるか」


201082日(月曜日)に東京,青山のこどもの城で行われたciee主催のイベント。実は英語英文学科で試行的に英作文自動添削システムcriterionを導入していることもあって,勉強がてら参加した。

カール・マクガリー(横浜市立大学国際総合科学部教授/プラクティカル・イングリッシュ・センター長)
「横浜市立大学の英語教育とTOEFLについて」

 横浜市立大学では2005年からPractical Englishの単位取得を3年次に進級するための必須条件とした。その条件とはTOEFL-ITP500点以上(TOEFL-PBT500点、TOEFL-CBT173点、TOEFL-iBT61点、公式のTOEIC600点、もしくは英検準1級でも可)である。しかし学習のサポートをあまり行っていなかったために,進級できない可能性のある学生が過半数に及ぶのではないかという危機感が生まれた。そして2007年にPractical English Centerを設立し(12名の常勤,10人の非常勤),英語のみで行う授業へと改革を行った。その結果,現在では18%もの学生が入学時にTOEFL-ITP500点レベルを達成しており,1年次終了時には約60%の学生が点数を達成する。また現在は上位層の学生に対してAdvance Practical Englishという科目を設置して,更なる点数の向上を目指している。
授業実践内容に関してはあまりお聞きする時間がなかったのだけれど,英語試験何点以上を卒業の条件とするという試みは数多くの大学が行い失敗しているだけに,このようにほぼ成功しているのは非常に興味深い。ポイントはカリキュラム改革もあるだろうが,点数の括弧内(TOEIC600点以上も認める)にあるような気がしないでもない。それにしても学部生の数が4000名規模の大学においてここまでできるというのは,やはりすごい。


鈴木利彦(早稲田大学商学学術院准教授)
「英語ライティング授業でのCriterion活用について」
先生自身がライティングのクラスで実践されている報告だったのだけれど,思ったことを簡潔にまとめると,1)やはり自動添削システムだけでは十分ではなく,教員がどのようなフィードバックを与えるかが重要,2)教員/学生がCriterionの使い方を熟知する必要あり,ということであった。もう少し具体的な実践報告が聞けるかと期待していたのだけれど,残念。

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今後同様のイベントを開催されるとのことであるが,教職員が望むのはより具体的な実践報告ではないだろうか。そういった意味で今回のイベントは,時間の制約もあるとは思うが,話を聞くだけで終わってしまい具体的な内容についての議論/検討が行われなかったのが残念。今後に期待したい。


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