2009年4月27日月曜日

学士課程教育の構築に向けて

 「学士課程教育の構築に向けて」という答申が大学業界を揺るがしている。先日それにともない本学においてもFD研修会が行なわれた。
 詳細は文部科学省のホームページに記載されてあるので省略。今回は本学の2名の教員が答申を批判的に検討する形で説明をされたのだが,一人の方が言われた「黒船」という言葉が心に残った。まさに大学教員にとってこの答申は黒船,寝耳に水であり,今後焦らず落ち着いて対応をしていくことが求められる。しかし一体大学教育はどこへ向かおうとしているのだろうか。社会への説明責任という観点から,一定のルールづくりをしていくことは理解できる。但しもともとそういう人材を大学教員として採用していないというのが問題ではないのか。最近大学教育では,アドミッションポリシー,カリキュラムポリシー,ディプロマポリシーという3つを考慮に入れなければいけないと言われている。乱暴にまとめてしまえば,入学試験で問う能力,大学4年間で教育する内容,卒業する時に要求する能力が一致しなければいけないのだ。それは学生に限らず教員にも言えるのではないだろうか。一部の大学や分野では既に模擬授業なんぞが大学教員採用の際に課されることもでてきたけれど,現段階では多くの教員がそんな教育手法を知らない,あるいは興味が無いというのが実情ではないのだろうか。
 大学教員の仕事には教育,研究,大学運営業務の主に3つがあるが,全ての仕事に長けている人は非常に稀である。程度の差こそあれ,得意不得意がある。だから各教員の特性に応じたルールづくりをしていかないと今後大学教育自体が行き詰まってしまうのではないだろうか。例えば研究は得意だけれど教育は苦手だという人には少し甘めのルールを適用するとか。。。
 この答申をそのまま受け入れれば社会の説明責任を果たすと同時に,面白みの無い大学が増えるかもしれない。今後あり得なさそうでもしかしたらあり得そうな大学教育改革。

1)大学教員免許制
  中,高校と同様,免許を取得するための課程を修了しなければならない。
2)大学教員免許更新制
  3~5年ごとに免許更新講習を受講しなければならない。
3)大学教員教授法研修会
  新任大学教員(あるいは不適格大学教員)は教授法の講習を受けなければならない。

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